宮沢賢治の小説「雪渡り」。

とても、良い小説です。

 

 

この小説は、雑紙に掲載されたものだそうですね。

そのためか、とても、整った、読みやすい文章で書かれている。

そして、宮沢賢治は、この小説で、5円の原稿料を貰っているそうですね。

これが、宮沢賢治が貰った、唯一の原稿料だということ。

 

そして、ネットで調べてみると、宮沢賢治は、雑紙に掲載されたものを、更に、手直しをしているそうですね。

今、一般に流布しているのは、手直しをした後のものだということのよう。

上の文庫本に掲載されているのも、手直しをされたものなのでしょう。

 

主役は「四郎」と「かん子」という、二人の子供。

二人は、雪の中、「紺三郎」というキツネに出会う。

二人は、紺三郎に、キツネの幻燈会に招待される。

 

そして、夜、四郎と、かん子は、キツネの幻燈会に出かけて行く。

そして、二人の子供は、幻燈会で、写真を見ながら、キツネたちと交流する。

 

この小説、二人の子供や、キツネの歌う、歌が、とても、印象的ですね。

 

「堅雪かんこ、凍雪しんこ」

 

このフレーズ、とても、印象的で、宮沢賢治が創作したものかと思ったのですが、注釈を読むと、岩手県に広く流布する童歌だそうですね。

どのようなリズムで歌うのでしょう。

 

さて、物語のテーマは、「とっこべとら子」と同じで、「キツネは、人を騙さない。キツネが、人を騙すというのは、人間の、勝手な思い込みだ」と、言うもの。

これって、宮沢賢治の本心でしょうかね。

 

そもそも、何で、キツネとタヌキは、人を騙すのでしょう。

興味があって、昔、調べたことがあるのですが、内容は、もう、忘れてしまいました。

民話や、昔話に、キツネ、タヌキは、よく出て来ますが、今の時代、なかなか、見ることは無いですよね。

昔は、身近な動物だったのでしょう。

 

ちなみに、野生のタヌキは、見たことがあるのですが、野生のキツネは、見たことがない。

僕が住んでいる地域には、もう、野生のキツネは、居ないということなのでしょうかね。