映画「MONDAYS」を観賞。

公開は、2022年。

 

 

「このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」という副題の通り、この映画は「タイムループ」ものです。

 

舞台は、小さな広告代理店。

主人公は、その広告代理店で働く、円井わんさん演じる「吉川」という女性。

 

ある月曜日、週末、泊まり込みで仕事をした社員たちの中で、会社の机で目覚めた吉川は、「遠藤」「村田」という、二人の新入社員に話しかけられる。

 

「僕たち、タイムループしています。月曜日から、同じ一週間を、ずっと、繰り返しているんです」

 

当然、吉川は、信じない。

そして、とんでもなく忙しい一週間が始まる。

 

そして、月曜日、また、吉川は、会社の机で、目を覚ます。

そして、遠藤、村田の二人に、声をかけられる。

 

「僕たち、タイムループしています。月曜日から、同じ一週間を、ずっと、繰り返しているんです」

 

遠藤、村田の二人は、何とか、吉川を説得し続ける。

 

すでに、遠藤、村田の二人は、何度も、タイムループを繰り返していた。

そして、なぜ、「タイムループ」が起こっているのか、自分たちなりに考察をしていた。

そして、何度目かのタイムループで、ようやく、吉川に、タイムループの現実を、自覚させることに成功した遠藤と村田は、このタイムループの原因が、部長の「永久」であること。そして、永久に、タイムループを自覚させるには、順々に、立場が近い人に、このタイムループを自覚させ、永久を説得してもらうしかないと、吉川に話す。

 

そして、吉川、遠藤、村田による、同僚たちへの、タイムループを自覚させるための作戦が始まる。

果たして、無事、永久に、タイムループを自覚させ、このタイムループを抜け出すことが出来るのか。

 

この映画、最初は、アニメ「うる星やつら」の劇場版第二作「ビューティフル・ドリーマー」に似ているなと思いながら、見ていました。

 

 

この映画「ビューティフル・ドリーマー」では、「学園祭の前日」という、生徒たちにとって、最も、忙しい一日を、延々と繰り返す「タイムループ」の中に居る。

サクラ先生が、このタイムループに気がつくことで、このタイムループを抜け出すきっかけとなる訳ですが、「MONDAYS」では、遠藤、村田の二人が、様々なタイムループものの映画を見て、研究した結果、この「タイムループ」の原因は、部長の永久にあり、その永久の願望を叶えることで、タイムループを抜出すことが出来るのではないかと考える。

 

ちなみに、映画「ビューティフル・ドリーマー」では、タイムループの原因は、ラムの願望にあった。

 

「みんなと一緒に、楽しい時間を、延々と、続けていたい」

 

という、ラムの願望を、夢邪鬼が、叶えてやったもの。

 

さて、この「同じ時間を、何度も、繰り返す」という「タイムループ」とよばれるものをテーマにした物語も、たくさんあるようですね。

以前、紹介をした映画「ハッピー・デス・デイ」や、ドラマ「リピート」は、その「タイムループ」ものです。

 

さて、この「時間」というものは、過去から、未来へと流れるもの。

 

しかし、この「時間は、過去から、未来に流れる」というのは、事実なのでしょうかね。

もしかすると、それは、人間の感覚に過ぎないものであり、本当は、そうではないのではないか。

 

もし、時間が、「過去」も「現在」も「未来」も、同時に存在しているのであれば、もしかすると、この「タイムループ」は、何かのきっかけで、起こりえるものなのかも知れない。

しかし、それを、人間の感覚として、感じ取ることは、不可能なのではないかと想像するところ。

 

さて、ネタバレとなりますが、映画「MONDAYS」で、タイムループの原因となっていたのは、部長の永久の「夢」です。

 

この「夢」を叶えることのないまま、年を取ることへの永久の拒否感が、このタイムループを生んでいた原因。

 

そして、吉川と同僚たちは、永久の夢を叶えようと、何度も、繰り返す、タイムループの中で、奮闘します。

 

確かに、夢を叶えることが出来ないまま、年を取る人は、多いのでしょう。

そして、それを後悔している人は、多いのかも知れない。

映画の中の永久のように、もしかすると、その夢に、手が届いたかも知れないという人は、尚更でしょう。

むしろ、全く、夢に、手の届く可能性の無かった、僕のような人は、かえって、後悔もなく、良かったのかも知れないと思うところです。