古谷三敏さんの漫画「ダメおやじ」を、知っていますかね。

とても有名な漫画で、僕も、子供の頃、タイトルと、そのキャラクターは、知っていました。

 

 

そして、子供の頃に、行った歯医者で、待合室に、「ダメおやじ」の漫画の単行本が、数冊、置いてあったので、パラパラと、見てみた記憶がある。

しかし、あまり、面白いものとは思えず、その後、全く、読む機会が無かった。

 

そして、この間、YouTubeを見ていると、たまたま、この「ダメおやじ」のアニメの動画が出て来たので、見てみました。

しかし、これは、今の時代、とても、放送できるものではないですよね。

コメント欄も、否定的な意見が多いよう。

 

主人公の「天野ダメ助」は、家庭で、妻、娘、息子から、ひどい虐待を受けながら、生活をしている。

殴る、蹴る。罵詈雑言。飯も、満足に食べられない。抵抗することなど、とても出来ない。

会社でも、周囲から虐げられている、駄目サラリーマン。

 

物語の内容は、この主人公「ダメおやじ」が、ひたすら、周囲から虐げられるというもののよう。

 

しかし、ネットで調べると、当初は、8回の短期連載の予定だったものが、爆発的な人気を得て、長期の連載となったそうですね。

なぜ、このような漫画が、社会で、ウケて、大ヒットしたのでしょう。

 

想像すると、当時、まだ、日本の社会では、「男尊女卑」「家父長制」の風潮が、色濃く、残っていたのでしょう。

つまり、男が、女性に、虐げられる、家長が、妻や子供たちから虐げられるなど、社会の常識としては、なかなか、考えられなかった。

その点が、社会の常識の裏をかく格好となり、ウケたのではないですかね。

 

この漫画「ダメおやじ」は、途中から、路線展開するようですね。

ただ、虐げられているだけの存在ではなく、色々と、活躍をするようになるよう。

 

この「男尊女卑」そして「家父長制」の思想は、随分と、薄くなったとは言え、今でも、日本の社会には、かなり影響力を持っているのではないでしょうかね。

 

以下、少し、余談。

 

例えば、「家計は、男性、つまり、夫が支えるもの」という考え。

 

結婚相談所などに登録をしようとすると、恐らく、男性は、定職に就いていないと駄目なのではないでしょうか。

そして、女性は、恐らく、仕事をしていなくても、大丈夫なのではないでしょうかね。

つまり、ここには、「結婚をすれば、家計は、男が支える」という暗黙の了解があるものと思います。

 

そして、恐らく、結婚相談所に登録をした女性が、相手の男性の条件として、最初に見るのが「職業」と「年収」ではないでしょうかね。

つまり、女性の方もまた、「家計は、結婚をすれば、夫が支える」ということを前提として、結婚相手を探しているということ。

 

そして、少し前に、ラジオを聞いていると「男性のDV被害」についての話をしていました。

 

基本的に、恋人、そして、夫婦といった間で、暴力問題、「DV被害」というと、被害者は「女性」で、加害者が「男性」ということになる。

そして、今、被害者である女性を守るという制度は、次第に、充実をして来ているよう。

相談の窓口もある。

そして、被害者である女性を、一時的に、宿泊させる「シェルター」のような場所もある。

 

そして、今、被害者が「男性」である場合の「DV被害」の相談も、少しずつ、増えているという話。

しかし、この、男性をDV被害から守るという制度は、まだまだ、これからだということのよう。

 

まず、相談の窓口ですが、そもそも、なかなか、男性が、パートナーの女性から「DV被害」を受けているということを、自分から、相談してくるという場合が、なかなか、無いようです。

それは、やはり「男尊女卑」の考えが、今でも、社会に、強くあり、被害者の男性が、「自分が、女性から暴力を受けている」「自分が、女性に虐げられている」など、なかなか、口に出せないということのよう。

相談の窓口に、勇気を持って、足を運んだ男性でも、なかなか、自分から、被害を話すということは、難しいようです。

 

また、警察などに、男性が被害の相談に行っても、「男なんだから、自分でなんとか出来るだろう」と、まともに、取り合ってもらえないということも多いようです。

 

今のところ、相談の窓口は、女性が被害者の場合と同じところでも、受け付けてくれるようですが、男性を、一時的にDV加害者から非難させ、一時的に宿泊をさせる「シェルター」は、今のところ、存在しないという話でした。

やはり、男性被害者の救済制度の整備は、かなり、遅れているということのよう。

 

夫が、妻から受ける「DV」に関しては、直接的な暴力の他に、罵詈雑言がある訳ですが、その中でも、よく挙げられるのが「給料が少ない」「稼ぎが少ない」という言葉。

これは、やはり、「家父長制」の名残で、「家計を支える」=「主人」である「夫」という常識があり、つまり、「給料が少ない」「稼ぎが少ない」=「虐げても、構わない存在」と、女性が、認識しているということ。

「夫の給料が少ないので、自分が、稼ごう」という発想にはならない。

「自分の生活が苦しいのは、夫の稼ぎ、給料が少ないせいだ」と、自分の不満を、夫に向けることで、それが「DV」になるという経緯なのではないでしょうか。

 

個人的な疑問は、何で、「DV」をする相手と、一緒に居るのでしょう、と、言うこと。

暴力、暴言を、自分に向ける相手と、なぜ、一緒に居るのか。

それが、疑問で、ならない。

 

想像をすると、やはり、逃げると、捕まった時に、更なる、暴力、暴言に晒されるので、怖くて、逃げられないということ。

心理的に追い込まれると、そもそも、抵抗しよう、逃げようという気力もなくなり、判断力もなくなってしまうという話。

つまり、相手が、恐怖によって、被害者を支配している状態になっている。

 

そして、一つは「ひどい暴力を受けても、その後は、とても、優しくなり、そちらの方を、本当の姿だと思っている」という話。

 

一般的に、「いつも悪い人」が、たまに「優しさ」を見せると、「ああ、本当は、この人は、優しい人なんだ」と思ってしまう。

これは、錯覚ですよね。

逆に、「いつも優しい人」が、たまに「悪さ」を見せると、「この人は、本当は、悪い人なのかも」と思う訳で、これもまた、錯覚でしょう。

本当なら、「いつも悪い人」が、たまに「優しさ」を見せても、その人は、基本的には「悪い人」な訳で、「いつも優しい人」は、、たまに「悪さ」を見せても、基本的には「優しい人」に違いない。

これは、やはり、心理的な「バイアス」ということになるのではないでしょうかね。

つまり、心の錯覚です。

 

もっとも、人には「好み」がある訳で、人によっては、そういった「暴力的」な、強い相手が好きという人が居るのかも知れない。

「不良っぽい人、悪っぽい人が好き」という人は、かなり多いようで、もしかすると、そういう人には、DVのリスクが、多く潜んでいるのかも知れない、と、想像をするところ。

 

もちろん、交際前、結婚前は、優しい人だったのが、交際を始めた後、結婚をした後に、豹変して、暴力的になる人も居るのではないでしょうか。

つまり「釣った魚に、餌は与えない」という人。

 

以前、これも、歯医者で、順番を待っていた時に、同じく、順番を待っていた年配の患者の二人が、話をしているのが聞こえたのですが、「娘が、結婚をしたんだけど、結婚をした後に、相手が『二重人格』だったということが分かって、今、離婚をするように説得をしているんだ」という内容でした。

この「二重人格」というのは、本当の意味での、一人の人の中に「二人の人格が存在する」という「二重人格」ではなく、結婚をする前は、とても優しかった相手が、結婚をしたとたん、ひどく、暴力、暴言を行うようになったという意味なのではないかと推測します。

この時の娘さんは、その後、どうしたのでしょう。

DV被害など、受けていなかったのでしょうかね。