大河ドラマ「べらぼう」が、スタートをしましたが、録画はしているものの、今のところ、まだ未鑑賞。

第二回が始まるまでには、見るつもりなのですが、ネットの記事を見ていると、過激な演出が、物議を醸しているようですね。

 

何でも、NHKの大河ドラマという番組の中で、女性の裸が、映像に映ったということ。

そして、その裸の女性を演じたのは、アダルトビデオに出演をする女優さんだったとか。

 

このシーンは、記事の内容を見ていると、どうも、吉原で働く「遊女」と呼ばれる女性たちが、いかに、悲惨な状況に置かれていたのか、と、言うことを表現する中で使われた演出のようですね。

亡くなった遊女が、無造作に捨てられ、しかも、「着物は金になる」ということで、遺体からは、着物を剥ぎ取られる。

だから、裸の女性に遺体が、映像の中に登場した、と、言う流れのよう。

 

一見、華やかに見える吉原などの遊廓で働く遊女だちが、どのような悲惨な状況に置かれていたのかということは、恐らく、歴史ファンでも、特に、「遊女」という存在に関心を持って、調べたことがある人しか、知らないのではないでしょうかね。

 

基本的に、彼女たちは、借金のカタにとられるか、親に売られるか、または、何の理由もなく、さらわれてくるか。

つまり、彼女たちには、自由も、人権も無い。

そして、病気、その他の理由で、客を取ることが出来なくなれば、用済みで、多く遊女たちが、若くして、命を落とす。

 

江戸時代、吉原などの遊廓以外にも、町の至るところに、身体を売って生活をしなければならない女性は、たくさん居た。

例えば、茶屋、飯屋、宿屋のような場所で、客の相手をする飯盛女。

夜、道の辻に立つ「夜鷹」と呼ばれる女性。

 

今でも、数が減っているとはいえ、実質的に、人身売買のようにして売られた女性が、身体を売らなければならないというケースは、日本社会の中に、結構、多く存在しているのではないでしょうか。

裏社会のことは、知らないし、知るような立場になりたいとも思わない。

 

さて、太平洋戦争が終わってから、しばらくの間、日本の社会の中には「赤線」と呼ばれる地域が存在をしていた。

聞いたことがある人は、多いのではないでしょうかね。

ネットで調べてみると、この「赤線」は、1946年1月、GHQによって、日本の中で、「公娼」と呼ばれる存在を廃止することが決定されてから、1958年、売春防止法が施行されるまでの間、半ば、売春を公認されていた地域のこと。

 

この「赤線」の中では、表向き、銘酒屋、カフェ、料亭、などどなっていますが、実際、そこで働く、女性たちは、売春を本業にしている。

 

この「赤線」である、東京、吉原の「夢の里」という店を舞台に、そこで働く女性たちの姿を描いたのが、映画「赤線地帯」です。

監督は、溝口健二。公開は、1956年。

 

 

 

この映画、とても、面白く、良い映画でした。

赤線地帯の中で、生き生きと、たくましく、生活をしている女性たち。

 

しかし、一度、外の世界に出ると、彼女たちは、差別の目で見られることになる。

 

やはり、売春を仕事としている女性たちに、世間の目は、いつの時代も、とても厳しい。