やなせたかしさんの「アンパンマン」。
とても有名で、大人気ですよね。
個人的に「アンパンマン」=「絵本」というイメージがあり、「漫画」の「アンパンマン」は、無いものと思っていたのですが、それは、間違いで、「漫画」の「アンパンマン」がありました。
それが、こちら。
この本に収録されているのは、サンリオから出版された雑誌「月刊いちごえほん」に連載された「アンパンマン」です。
編集長は、やなせさん自身が、務めていたそうですね。
掲載されているのは、1976年9月号から、1982年7月号まで、連載された作品。
やなせたかし初期作品集とあるように、「アンパンマン」の中でも、最初期に描かれたものということになるのでしょう。
シンプルで、ほのぼのとしていて、とても、良い作品です。
かなり年齢の低い人が読むことを想定しているのか、カタカナにも、フリガナがついています。
「アンパンマン」は、当初、平仮名で「あんぱんまん」というタイトルだったんですね。
アンパンマンは、ジャムおじさんが作っていた、あんパンから生まれたという誕生のシーンを、初めて、見ました。
裸のまま、パンを焼く機械から飛び出したアンパンマン。
ジャムおじさんは、服を着ることを嫌がるアンパンマンに、格好良い服を作ってやることになる。
アンパンマンは、お腹をすかしている人のところに飛んで行き、自分の顔を食べさせる。
しょくパンマンと、カレーパンマンも登場。
ジャムおじさんの仕事を手伝う、バタコさん。
バイキンマンは知っていましたが、フケツマンという悪者が居ることは、知りませんでした。
さて、この漫画「アンパンマン」が掲載された「月刊いちごえほん」ですが、出版元は、あの「サンリオ」です。
なぜ、「サンリオ」が、やなせたかしさんを編集長に、雑誌を出版することになったのか。
疑問に思ったので、ネットで調べてみる。
1960年代半ば、漫画集団の展覧会に、当時、まだ、弱小企業だった「山梨シルクセンター」(後の、サンリオ)の社長が来場し、やなせたかしさんにグラフィックデザイナーとして仕事をオファーしたことが、交流のきっかけだそうですね。
そして、1966年、やなせさんが、最初の詩集を出版しようとした時に、「それなら、うちで出してくれ」と、サンリオが、出版事業を始めることにしたということ。
このサンリオの出版事業の中で、やなせさんは、詩集を出したり、絵本を出したり、雑誌を出したりしていたそうです。
そして、絵本作家、詩人として活躍をする中で、「アンパンマン」が生まれることになる。
この、やなせさんの奥さんを主人公に、朝の連続テレビ小説が制作されるということなので、また、色々と、やなせさんの本が出版されることになるでしょう。
また、何か、読んでみたいところです。