ノストラダムスの大予言なんて、今でも、売っているのかなと検索をしてみる。
この本を始め、やはり、今でも、色々と、関連本が売られているようですね。
そして、レビューを読むと、本当に、予言を信じている人も、未だ、居るようです。
昔は、大きく、話題になりましたよね。
1999年に、人類は、滅びてしまうのか。
当時、ビートたけしさんの番組で、よく、予言を信じる人、信じない人が、徹底討論をする内容のものがありましたが、大好きで、いつも、見ていました。
もちろん、僕は、信じていない派。
僕は、信じていない派なのですが、この「ノストラダムスの大予言」には、何が書かれているのか。
興味があって、全文の日本語訳が載った本を買って、当時、読んだんですよね。
意味のよく分からない、短い、詩のようなもの。
詩は、一見、何を書いているのか、よく内容が理解できないもので、どうにでも、解釈が可能なもの。
そのため、詩を、適当に解釈し、「この詩は、○○を予言している」という注釈がついていたように記憶しています。
1999年と7ヶ月
空から恐怖の大王が降ってくる
アンゴルモアの大王が蘇り
マルスの前後を首尾良く支配する
「百詩編・第10巻・72番」
正式には「ミシェル・ノストラダムスの予言集」というタイトルだそうで、「百詩編集」という四行詩と、二つの散文による序から成り立っているそう。
この「四行詩」が、「予言」と言われている訳ですが、具体的な年月が記されいるのは、上の詩だけのようで、そのため、大きく話題になったのでしょう。
ちなみに、ノストラダムスとは、どういう人物だったのか。
1503年のフランスに生まれ、1566年に亡くなっている。
医師であり、占星術師であり、詩人でもあったそう。
1550年代に「暦書」という予言書の刊行を始め、この「暦書」が、大きく評判となり、予言者としての名を挙げたようです。
かつて、1999年に、人類が滅びると、本気で信じていた人たちは、その後、どうしているのでしょうね。
信じたことを後悔しているのか、それとも、単に、解釈が間違っていたということで、また、別の解釈を、一生懸命、創り上げているのか。
さて、藤子F不二雄さんのSF短編に「大予言」という作品があります。
主人公は、「ノストルタンマ」というテレビでも人気の予言者。
このノストルタンマが、テレビで、予言の収録をしている場面から、物語は、始まる。
収録が終わり、ノストルタンマは、自分の師匠である田呂都を訪ねることにした。
この田呂都は、タロット占いで有名な、よく当たるという評判の占い師だったのですが、最近、表舞台から姿を消し、何でも、精神的な病気になっているという噂。
一体、何があったのかと、ノストルタンマは、気にしていた。
田呂都は、自分の家で、自分の部屋に鍵をかけて、孫以外は、誰も、中に入れることなく、部屋に籠っていた。
ノストルタンマは、奥さんに案内され、田呂都の部屋に入る。
ノストルタンマに気がついた田呂都は、非常に、怯えた様子を見せた。
ノストルタンマは、田呂都が、何か、重大な未来を予知したのだろうと思う。
「一体、何を予知したのですか。何を予知したにしても、当たるも八卦、当たらぬも八卦と言うことで……」
と、ノストルタンマは、田呂都を慰めようとするが、田呂都は、何も、語ろうとしない。
そこで、ノストルタンマは、得意の催眠を、田呂都にかけて、聞き出すことにする。
すると、田呂都は、一冊の、新聞や雑誌の記事を集めたスクラップブックを、ノストルタンマに、差し出した。
ノストルタンマは、そのスクラップブックを開いてみる。
その中には、
「今世紀中に、石油が枯渇する」
「公害などの汚染物質によって、人体が蝕まれて行く」
「直下型の大型地震が来る」
「人口爆発によって、世界的な飢饉が起こる」
「核兵器の拡散によって、核戦争の危機が迫っている」
など、人類の危機を知らせる記事が、集められていた。
田呂都は、スクラップブックを見て、何も感じていないノストルタンマの表情を見て、叫ぶ。
「自分たちの滅亡を予言されて、狂わないで居られる、みんなが怖い。有効な対策も無いくせに、騒ごうとも、わめこうともしない、世界人類が怖い」
そして、田呂都は、孫を抱き寄せ、
「お前には、もう、予知をしてあげる未来も無いんだよ」
と、涙を流す。
この物語、今、まさに、世界人類のことを表していますよね。
地球温暖化による気候変動、環境変化により、地球は、人間の住めない場所になるかも知れない。
ウクライナで、中東で、台湾で、戦争が激化し、核戦争が始まるかも知れない。
一体、人類は、これから、どうなって行くのでしょう。
ロシアのプーチン氏にしろ、アメリカのトランプ氏にしろ、中国の習近平氏にしろ、自己の利益ばかりで、そんなことは、頭の片隅にも無い様子。
大国のリーダーたちが、そんな様子では、人類の未来も、危ういのかも。