昨日の、小泉八雲の話。

 

 

この本の中で、一つ、よく覚えている話があります。

それは、「怪談」の中の一話で「むじな」というタイトルのお話です。

 

ある夜、一人の商人が道をあるいていると、若い女が、しゃがみこんで、泣いていた。

「どうしたのですか」

と、心配をして、声をかけると、振り向いた女の顔には、目も鼻も口も無い。

商人は、驚いて、そこから慌てて、逃げ出す。

そして、あるお店にたどり着く。

店の主人は、商人に背を向けたまま、大慌てで店に入って来て、息を切らした商人に、「何か、ありましたか」と、尋ねる。

商人は、あまりにも慌てて、息を切らし、上手く、話すことが出来ない。

すると、店の主人が、くるりと商人に方に振り返り、「こんな顔でしたか」と言った。

その主人の顔にも、目も鼻も口も無く、商人は、驚いて、その場で、気を失った。

 

有名な「のっぺらぼう」の話ですよね。

なぜ、この話を覚えているのかと言えば、なぜ「のっぺらぼう」の登場するお話のタイトルが「むじな」なのか。

ずっと、気になっていたのですが、ネットで調べると、このお話のラストで、「のっぺらぼう」の正体は、「むじな」だったというオチだったようですね。

オチの部分は、すっかりと忘れていた。

 

さて、そもそも、「むじな」とは、何でしょう。

個人的には、ずっと、「むじな」=「タヌキ」だと思っていたのですが、ネットで調べて見ると、そうではないようです。

 

基本的に、「むじな」とは「アナグマ」だということ。

しかし、時代や地方によっては「タヌキ」や「ハクビシン」を指す場合もあり、これらの種を、区別することなく、まとめて指している場合もあるということのよう。

 

そして、この「むじな」は、タヌキやキツネと同じように、人を化かす。

この「むじな」のお話もまた、その中の、一つ。

 

さて、雑誌「ニュートン」先月号に、「世界の犬図鑑」という記事がありました。

なかなか、興味深いもの。

 

 

この「世界の犬図鑑」を見ていて、タヌキもキツネも、犬の仲間なんだということを初めて知りました。

 

イヌ科の動物は、現在36種が知られていて、遺伝子解析の結果から、大きく分けて「ハイイロギツネ系」「キツネ系」「カニクイイヌ系」「イヌ系」の四つの系統に分かれるそうです。

タヌキは、この中の「キツネ系」になります。

系統樹を見ていると、キツネは、様々な種に分かれていますが、タヌキは、一種だけ。

つまり、タヌキは、キツネから生まれたということになるのでしょう。

 

ちなみに、「イヌ(イエイヌ)」は、イヌ系に属し、オオカミの亜種。

 

イヌは、人類によって家畜化された、唯一の大型肉食動物だそうです。

約3万年から4万年前に、東アジアで、オオカミから家畜化されたと考えられるそう。

実は、動物が家畜化されると、遺伝子に変化が現れ、身体的な特徴が変化することが知られているそうです。

そうやって、オオカミが、イヌに変化をしたのでしょう。

不思議ですね。

 

イヌの場合は、それに加えて、人間によって品種改良が繰り返された。

現在では、356の犬種が、国際畜犬連盟(FCI)によって認められているそう。

非公式なものも合わせれば、世界で700種類以上いると言われているそうです。

 

ちなみに、ブルドッグは、頭が大きく、自然分娩が難しいそうで、基本的に、帝王切開によって子供が生まれるそうですね。

人間のエゴの結果かと思うと、何だか、かわいそうです。