北野武監督の映画と言えば、やはり有名、かつ、評価が高いのは「HANA-BI」ではないでしょうかね。
公開は1998年。
個人的にも、「あの夏、いちばん静かな海。」に次いで、好きな作品です。
なんと言っても、第54回ヴェネツィア国際映画祭で、金獅子賞を受賞。
日本映画が受賞をするのは「無法松の一生」以来、39年ぶりだった。
この金獅子賞を受賞した時の報道を見た時には、驚きました。
「あの夏、いちばん静かな海。」を見て以来、いくつかの北野監督の映画を見て、どれも、とても良い映画だったのですが、どうも、一般ウケは、あまり良くない感じで、どの映画も、興行収入は、あまり良くないとも聞いていた。
それが、まさか、外国で、これほどの評価を得ることになるとは。
北野監督の映画は、ヨーロッパ、特に、フランスでの評価が高いという話のよう。
なぜでしょうね。
フランスの国民性と、北野監督の映画の感覚が、上手く、一致をしたということなのでしょうかね。
主人公は、たけしさん演じる刑事の「西」。
その妻を演じるのは岸本加世子さんで、不治の病で、余命は、残り少ない。
ある時、ある事件の犯人を張り込みの途中、同僚の刑事の大杉漣さん演じる堀部の提案で、張り込みを代わってもらい、妻の見舞いに、病院に向かう。
しかし、その間に、堀部は、犯人と遭遇し、銃撃を受け、重傷を負う。
西は、他の同僚の刑事、二人と共に、犯人を追うが、犯人を追い詰めたところで、刑事の一人が、犯人によって射殺され、一人が重傷を負うことに。
激怒をした西は、その犯人を射殺。
警察を、退職することになる。
西は、銀行強盗をし、その金を持って、妻と、最後の旅に出る。
二人の旅は、穏やかで、静かに続くが、その西の行方を、関わりのあるヤクザや、元同僚の刑事たちが追って来る。
当時、北野監督の映画の評価として、よく言われていたのが「バイオレンス」に関すること。
北野監督の暴力シーンからは、痛みを感じるという評価が、多かったように記憶しています。
確かに、北野監督の暴力シーンは、他の映画に比べると、何だか、リアリティがある感じがする。
そして、特徴的な「青」を使ったシーンが「キタノブルー」とも呼ばれていましたね。
北野監督の映画は、映像もまた、芸術として素晴らしいと思えるシーンが、よくある。
個人的に、ヤクザ、不良を主人公にした映画、漫画、ドラマは、全く、見ない。
なぜなら、ヤクザ、不良が、嫌いだからなのですが、北野監督の映画には、このヤクザを主人公にしたものも多い。
北野映画のファンの間で、評価の高い「ソナチネ」。
そして、世間での知名度、人気が、最も、高いと思われる「アウトレイジ」。
どちらも、見てないんですよね。
ヤクザが主人公なので、見る気になれない。
しかし、この「HANA-BI」にしろ、北野監督の最初の映画である「その男、凶暴につき」にしろ、主人公は、刑事なのですが、やっていることはヤクザのよう。
でも、ヤクザではなく、あくまでも、刑事なので、その点は、気にならない。
好みとは、面白いもですね。