先日、映画「スターウォーズ」で、あの「ダースベーダー」の声の吹き替えをした人が亡くなったという記事を見ました。

声の吹き替えをした人が居たということは、あのコスチュームでダースベーダーを演じていた人が、そのまま、喋っていたという訳ではないようですね。

今回の記事を見て、初めて、知りました。

てっきり、あの中の役者さんが、話していたものだと。

 

さて、映画「スターウォーズ」の第一作が公開されたのが、1977年。

監督のジョージ・ルーカスの構想では、この第一作は、「エピソード4」に当たるというのは、有名な話。

主人公の「ルーク・スカイウォーカー」が、「ジェダイの騎士」として目覚める過程を描いている訳ですが、この映画の製作に入る時、ルーカス監督は、あの三船敏郎に出演のオファーを出しているんですよね。

ジョージ・ルーカスは、黒澤明監督のファンとしても有名で、自分の映画に、ぜひ、三船敏郎に出演をしたもらいたいという意向があったのでしょう。

 

 

 

しかし、三船敏郎は、映画の内容を知り「そんな子供だましの映画に出れるか」と、オファーを断ったという話。

今から考えれば、実に、惜しい話ですよね。

もし、出演を承諾していたとしたら、今でも、世界的人気映画の中に、三船敏郎は存在し、今以上に、世界的知名度も上がり、人気も上がったことでしょう。

 

昔、僕がこの話を聞いた時、三船敏郎は「オビ=ワン・ケノービ」の役をする予定だったという話だったんですよね。

そして、ずっと、そう思っていたのですが、その後、三船がやる予定だったのは「オビ=ワン・ケノービ」ではなく、「ダースベーダー」だったという話に変わっていました。

さて、真実は、どちらなのでしょう。

 

もし、三船敏郎が、ダースベーダーを演じていたとしたら、あの黒いマスクではなく、もちろん、素顔は出していたものと思います。

まさか、三船敏郎に、顔を出さず、仮面を被ってくれとは、ルーカス監督も言わないでしょう。

もし、ダースベーダーが、あの仮面を被っていなかったとしたら、「スターウォーズ」の物語全体が、かなり変わって来ますよね。

ルークとアナキンの親子関係は、どうなっていたでしょう。

また、後に製作されることになる、「エピソード1」「エピソード2」「エピソード3」では、もしかすると、アナキン・スカイウォーカーを、日本人が演じることになっていたのかも。

 

さて、この映画「スターウォーズ」に登場する「C-3PO」と「R2-D2」の二体のロボット。

この「C-3PO」と「R2-D2」のコンビは、黒澤明監督の映画「隠し砦の三悪人」に登場する「太平」と「又七」のコンビをモデルにしているというのもまた、有名な話。

 

この「隠し砦の三悪人」もまた、とても面白い映画です。

公開は、1958年。

 

 

 

戦国時代、山名家と秋月家の戦いがあり、秋月家は敗北し、家が滅びてしまう。

その合戦に秋月側として参加をしていた、百姓の太平と又七は、捕虜として、強制労働に従事させられる訳ですが、暴動の混乱に乗じて、脱走する。

 

逃走する中で、太平と又七は、一人の屈強な男、真壁に出会う。

真壁は、秋月家の家臣で、城が落ちた後、大量の金塊と、秋月家の雪姫と共に、山中に身を隠し、秋月家の再興のための方法に、考えを巡らせていた。

太平と又七は、真壁、そして、雪姫の正体を知らないまま、真壁の持っている金塊を目当てに、行動を共にすることになる。

そして、真壁ら、一向は、身分を隠し、秋月家と同盟関係にあった早川家の領地を目指すことになる。

 

いかに、周囲の目を欺きながら、旅を続けるのか。

真壁の知略と、武勇。

そして、太平と又七の駄目男ぶりが、面白い。

雪姫を演じた上原美佐さんも、とても綺麗で、素晴らしい女優さんでしたが、ネットで経歴を調べてみると、なんと、この雪姫役のためにスカウトをされてデビュー。

雪姫は「喋ると、その口調から身分がバレる」ということで、「喋ることが出来ない娘」という設定で、旅をすることになるのですが、これは上原美佐さんが、全く、女優経験がなく、セリフをあまり喋ることなく演技が出来るようにという意図があったよう。

そして、「自分には女優としての才能がない」と、たった、二年で、女優を引退したということ。

実に、惜しい。

 

さて、僕が、この「隠し砦の三悪人」を初めて見た時、三船敏郎さんの騎馬での戦闘シーンを見て、驚きました。

全力疾走をする馬上での戦闘シーンは、「これは、あまりにも危険なのではないか」と感じたところ。

今では、CGを使えば、何とでもなるのでしょうが、リアルに撮影をしている訳ですから、とても凄い。

 

映画「蜘蛛巣城」では、黒澤監督は、三船に向かって、本物の矢を大量に撃ち込み、三船が、あまりの危険さに激怒をしたというのも有名な話。

昔の映画は、凄いです。

今では、とても出来ないでしょうね。