良寛が、道元を尊敬し、道元の記した「正法眼蔵」を熟読し、その教えに忠実に生きようとしたことは有名ですが、その「正法眼蔵」をタイトルの中に含む「正法眼蔵随聞記」という本があります。

 

 

 

この「正法眼蔵随聞記」とは、どのような本なのか。

 

この本。

永平寺初祖、道元禅師が、弟子たちに、折に触れて話した修行僧としての心得を、道元の側近くに仕え、道元の死後、後を継ぎ、永平寺二祖となった懐奘禅師が、記録をし、残したもの。

ちなみに、道元の著書「正法眼蔵」を整理、筆者したのも懐奘で、現在に伝わる「正法眼蔵」は、この懐奘の残したものが底本となっているそう。

 

さて、道元の言葉を、かなりの分量で書き残した懐奘ですが、どうも、その道元の語録を、懐奘は、周囲に公表する意思は無かったようですね。

懐奘の死後、弟子が、懐奘の遺品の中から、この道元の語録を発見し、弟子たちの手によって、全6巻にまとめられ、「正法眼蔵随聞記」という名前が付けられ、公表されたという経緯のようです。

 

この本、道元が、弟子たちに向かって話していた語録ということで、小難しい話は無く、読んでいて、とても、面白い。

個人的に興味があるのは、道元を尊敬し、「正法眼蔵」を熟読し、その教えに忠実に生きようとしたと思われる良寛が、この「正法眼蔵随門記」を読んでいたのかということ。

これまでに読んだ良寛に関する本の中で、この「正法眼蔵随聞記」に言及したものは、見た記憶がない気がする。

 

さて、この「正法眼蔵随聞記」「歎異抄」「老子」の三冊については、今後、内容についても、色々と、紹介をしてみたいと思っているところです。

もちろん、独断と偏見による解釈によって、と、言うことですが。