さて、「垂直離着陸」というと、思い浮かべるのは「ヘリコプター」ですよね。

現在のヘリコプターに類似をしたものが初飛行をしたのは、1901年のドイツだそうです。2人を乗せて、15秒、浮上をしたということ。

その後、安定して飛行をすることが可能なヘリコプターを開発したのは、1930年代のナチス・ドイツで、「フォッケウルフFw61」だそう。

 

フォッケウルフFw61。

 

そして、1939年、アメリカでもヘリコプター「VS300」が、初飛行。

 

VS300。

 

そして、このVS300の発展型「R4」が、第二次世界大戦末期に、実用化されることになる。

 

R4。

 

さて、この「ヘリコプター」と呼ばれる機体は、場所を選ばず、垂直離着陸をしたり、空中でホバリングをしたりすることが出来るのが利点ですが、その構造上、「速度が出づらい」「航続距離が短い」という難点がある。

 

そこで、第二次世界大戦の最中から、「固定翼機」を「垂直離着陸」させることが出来ないかという研究が始まる。

敵の攻撃により、滑走路が破壊された場合でも、この「垂直離着陸」(VTOL)が出来る飛行機があれば、運用することが出来る。

 

そして、世界で初めて、実用VTOL機を開発したのが、イギリスの「ホーカー・シドレー社」で、「ハリアー」という飛行機。

 

 

 

 

 

機体の側面、左右に二つずつ、合計、四カ所の、このようなエンジンノズルがあり、このエンジンノズルの向きを変えることで、垂直離着陸を可能にしました。

当然、空中でのホバリングも可能です。

 

この「ハリアー」攻撃機に、アメリカ軍は、すぐに関心を示し、導入。

そして、この「ハリアー」攻撃機の発展型の「ハリアーⅡ」を開発することになる。

 

強襲揚陸艦に着艦する「ハリアーⅡ」攻撃機です。

このまま、真下の甲板に着艦します。

 

 

そして、この「ハリアーⅡ」の後継機とした開発されたのが、「F35B」です。

 

垂直着艦をする「F35B」。

 

この「F35B」は、写真のように、後部にあるエンジンノズルを下に向け、更に、機体の中央部に設置された「リフトファン」を使うことによって、垂直離着陸を可能にしました。

機体の背中、上に蓋が開いたようになったところに、リフトファンがあります。

 

 

 

 

基本的に、「ハリアー」にしろ「F35B」にしろ、垂直離着陸は可能なのですが、基本的に、「垂直離陸」はしないそうです。

その理由の一つは、「燃費」のようで、垂直離陸をすると、とても、燃料を消費するという話のよう。

そのため、軽空母、強襲揚陸艦などで離陸する時には、「短距離離陸」をすることになる。

 

さて、今、「空飛ぶ車」が、何かと、話題になることがありますが、車として道路を普通に走り、なおかつ、道路のどこからでも、垂直離着陸が出来なければ「空飛ぶ車」とは言えないし、実用化、また、一般社会への浸透は、難しいのではないかと思うところ。

果たして、そのような未来は、来るのでしょうかね。

 

 

例えば、このような。