少し前に話題になったドラマ「不適切にもほどがある」が、韓国でリメイクされるという記事を見ました。

確か、宮藤官九郎さんの脚本じゃなかったですかね。

個人的に、宮藤官九郎さんの脚本は、あまり好きではないので、このドラマは、見ていない。

 

さて、このドラマや映画のリメイク。

日本でも、他国のドラマや映画のリメイクは、色々と、製作されていますよね。

個人的には、この「リメイク」というものは、映画にしろ、ドラマにしろ、ほぼ、見ない。

なぜなら、この「リメイク」作品は、「オリジナル」作品を超えることは出来ないだろうと思っているから。

もっとも、これは偏見で、見てみると、面白い作品も、たくさん、あるのでしょう。

 

例えば、1993年公開、ハリソン・フォード主演の映画「逃亡者」。

 

 

この映画は、1960年代に、アメリカで放送されたテレビドラマのリメイク作品なんですよね。

当時、そのようなことは知らずに、映画「逃亡者」を見て、とても、面白かった。

もっとも、その後、日本のテレビドラマとしてリメイクされたものを見ましたが、こちらは、想像通り、あまり、面白いとは言えないものでしたけど。

 

最近、見たものでは、韓国映画のリメイク作品「あやしい彼女」。

2013年公開で、主演は、多部未華子さん。

この映画も、韓国映画のリメイク作品だとは知らず、観賞し、とても、面白く、良い映画でした。

 

 

倍賞美津子さん演じる73歳の瀬山カツという女性。

彼女は、戦後、生活の困難な時代に、女手一つで、娘を育てたのですが、今は、周囲からは嫌われ、娘との関係も上手く行っていない。

その瀬山カツが、ある日、ある出来事をきっかけに、突然、若返ることになる。

この瀬山カツの若返った姿が、多部未華子さん。

カツは、若返ったことを契機に、自分自身の人生を取り戻そうと、節子という別の名前を名乗り、自分の人生を取り戻そうとするのですが……。

 

この映画、とても、感動しました。

瀬山カツという女性が、どのような思いで、人生を生きて来たのか。

多部未華子さんが、バンドのボーカルとして、ザ・フォーク・クルセダーズの「悲しくてやりきれない」を歌うシーンがありますが、とても、良いシーンで、CDを購入してしまいました。

 

さて、もう一つ、韓国ドラマのリメイクと知らずに見て、とても良かったドラマが「知ってるワイフ」です。

 

大倉忠義さん演じる剣崎元春。

広瀬アリスさん演じる澪とは、夫婦。

しかし、夫婦仲は険悪で、毎日、喧嘩ばかり。

 

そんな中、元春は、瀧本美織さん演じる、大学の後輩、江川沙也佳と再開し、沙也佳が、自分に好意を持っていたことを知る。

「もし、沙也佳と、結婚をしていたら」

と、元春は、後悔をする。

 

そして、ある日、元春は「過去に戻ることが出来る」と、ある人から教えられ、過去に、タイムスリップ。

過去に戻った元春は、澪ではなく、沙也佳と結婚をする人生を歩むことになるのだが……。

 

さて、この「知ってるワイフ」と同じテーマの物語が、藤子F不二雄さんのSF短編短編の中にあります。

タイトルは、「分岐点」。

 

 

主人公の「茂手木」は、10年前に、大人しく、物静かな美津江という女性と、元気で、活発な紅子という女性の、どちらと結婚をするか悩み、最終的に、美津江と結婚することになる。

が、美津江は、非常に、嫉妬深い性格で、常に、茂手木の浮気を疑い、度々、ヒステリーを起し、時には、狂言自殺までする始末。

 

そんな美津江との生活の中で、茂手木は、偶然、紅子と再会をする。

紅子は、昔のように、生き生きと、元気で、ますます、綺麗になっている。

 

紅子と別れ、家に帰った茂手木は、また、美津江に、浮気を疑われる。

会っていたのが、紅子だと知って美津江は、ヒステリーを起し、狂言自殺。

しかし、茂手木は、それを見て、嫌気がさし「もう、驚いて見せる気にもなれない」と、家を飛び出す。

 

公園にたどり着いた茂手木は、そこで、ある男に話しかけられた。

「人生の分岐点に戻り、やり直しをしてはどうですか」

茂手木は、その男の言う通りに道を歩き、気がつくと、紅子と結婚をした人生で、目を覚ます。

 

このSF短編の方は、ここで、物語は終わります。

その後、茂手木の人生が、どうなったのかは、描かれていない。

 

人生の選択、「分岐点」というもの。

普通の人には、そういうものがあるのでしょうかね。

僕には、この「分岐点」と呼べるようなものは、何も無かった。

選択肢が多い人というのは、「豊かな人生」と言えるのだろうと思いますが、そもそも、選択肢が無かった僕の人生は、周囲の人から見ると、「詰まらない人生」ということになるのかも。