今日の新聞に、昨年の3月、赤磐市で発見された「木喰仏」が、市の重要文化財に指定されたという記事がありました。
それが、こちら。写真は、勝手に、拝借してしまいました。
木喰上人は、天明7年(1787)と、寛政10年(1798)年に、岡山県を旅で通過したことが分かっていますが、木喰上人が彫った仏像が、岡山県で発見されたのは、これが初めてだそう。
場所は、赤磐市和田の大師堂。堂内にあった厨子を開け、赤い布をめくると、この仏像が安置されていたそうです。
木喰上人が、この仏像を彫ったのは、数えで81歳の時。
寛政10年9月に完成をしたことが、仏像に記されているそうです。
この大師堂は、江戸中期には信仰を集めていたのですが、一度、大破をしたそう。
そして、天明8年に、再建。
木喰上人は、天明7年に岡山を通過した時、この大師堂の近くにある円寿院に納経をしていることが分かっているそうで、その時に、この大師堂が再建されることを知り、二回目に岡山に来た寛政10年に、この仏像(弘法大師像)を彫り、奉納したのだろうということ。
木喰上人は、56歳から、全国行脚を始め、北は蝦夷地(北海道)から、南は、日向国(宮崎県)まで、とにかく、歩き、各地の山に登って、旅を続けた人。
仏像を彫り始めたのは、61歳の時から。
享保3年(1718)に生まれ、文化7年(1810)まで、何と、93歳まで生き、91歳まで、旅を続け、仏像を彫り続けたそう。
当時としては、異例の長命ですよね。
今の時代でも、90歳を越えてまで、徒歩で、旅を続けることなど、体力的に、不可能ではないでしょうかね。
さて、以前も紹介したのが、上の二冊の本。
上の「木喰仏入門」は、木喰上人の製作した仏像の紹介が中心で、どこで、どのような仏像を製作したのか、詳しく、知ることが出来ます。
しかし、写真集という訳ではないので、仏像に関しては、小さな写真が掲載されているだけで、なかなか、仏像鑑賞という点では、難があると思います。
下の「円空と木喰」は、元々、二冊の本だったものを、一冊にまとめたもののようで、「円空」の方は、著者の円空仏を巡る旅。「木喰」の方は、木喰上人の全国行脚の旅を追ったもので、とても、面白い。
この赤磐市で発見された木喰仏は、今は、県立博物館に所蔵されているようですね。
また、展示をされれば、見に行きたいところです。