先日、YouTubeを見ていると、たまたま、映画「メトロポリス」の映像が出て来ました。
とても、有名な映画ですよね。
特に、あの映画「スターウォーズ」の登場する「Cー3PO」に似たアンドロイドの映像は、見たことがある人が多いのではないでしょうか。
上の映画は、1984年に公開された「ジョルジオ・モロダー版」と呼ばれるもの。
オリジナルが公開されたのは、1927年(昭和2年)ですが、その後、第二次世界大戦の混乱などで、オリジナルのフィルムは、散逸。
この映画の熱狂的ファンであった作曲家のジョルジオ・モロダーは、世界各国のコレクターが所有していたオリジナルのフィルムを買い集めて、再編集。そして、自らが作曲した音楽を付けて、一部、カラー化をしたものが、この映画だそう。
結末は、オリジナルの映画とは、異なるそうです。
さて、そもそも、この映画「メトロポリス」は、どういう物語なのか。
舞台は、2026年の未来。
メトロポリスと呼ばれる都市で、人々は、華やかな生活を送っていた。
しかし、その華やかな都市で、華やかな生活をしているのは、一部の富裕層だけ。
実は、そのメトロポリスでの華やかな生活は、地下で、過酷な労働を強いられている貧しい労働者によって、支えられていた。
このメトロポリスの権力者は「フレーダーセン」という人物。
フレーダーセンは、息子の「フレーダー」を溺愛し、何不自由のない生活をさせていた。
しかし、このメトロポリスに迷い込んできた、地下の労働者階級の女性「マリア」と偶然出会い、その美しさに一目惚れをしてしまう。
当然、マリアは、地下に戻される訳ですが、マリアを忘れられないフレーダーは、マリアを追って、地下に入る。
フレーダーは、そこで、過酷な労働に従事し、機械のように仕事を続け、人間扱いをされていない労働者たちを見て、初めて、メトロポリスの真実の姿を知り、衝撃を受けた。
フレーダーは、「メトロポリスで、華やかな生活をする富裕層。そして、地下で、過酷な生活をする労働者層。なぜ、同じ人間で、このような差があるのか」と、疑問を持つ。
そして、フレーダーは、自分の身分を隠し、地下で、労働者として生活をしながら、父であり、メトロポリスの権力者、フレーダーセンに、労働者の生活改善を求めて交渉をする。
が、それは、当然、上手く行かない。
また、フレーダーは、愛するマリアが、地下の労働者層の精神的支柱であり、労働者たちの信望を集めていることを知る。
そして、マリアが、労働者階級を結集し、メトロポリスの富裕層たちに反抗をしようとしていることに、権力者のフレーダーセンも気がついた。
フレーダーセンは、科学者の「ロトワング」に命令し、マリアを誘拐させ、マリアにそっくりのアンドロイドを製作させる。
このアンドロイドの偽マリアを地下に送り込み、労働者たちの結束を乱そうとフレーダーセンは、考えた。
しかし、ロトワングは、フレーダーセンに従順なふりをしながら、実は、過去の確執から、フレーダーセンに怨みを持っていた。
ロトワングは、このアンドロイドの偽マリアを使い、メトロポリスの壊滅を目論む。
ロトワングは、偽マリアを地下ではなく、メトロポリスに送り込む。
その偽マリアの美貌と色気に、富裕層の男たちは熱狂。
また、地下に入った偽マリアは、労働者たちを扇動し、富裕層たちとの対立を煽る。
偽マリアの扇動された労働者たちは、ついに、暴徒の集団となり、地上のメトロポリスになだれ込み、メトロポリスの中心となっていた機械を破壊。
そして、地下には、大量の水が流れ込み、地下は、次第に、水没をして行く。
この現状を見た労働者たちは、自分たちの行動が、自分たちを窮地に追い込んで居たことを知り、それを扇動した偽マリアを拘束し、糾弾し、火あぶりの刑にする。
燃える炎の中で、偽マリアは、アンドロイドとしての正体を現した。
本物のマリアは、何とかロトワングの元から脱出し、地下に戻ると、フレーダーと協力し、残されていた子供たちを地下から脱出させようと奮闘する。
何とか、無事に、子供たちを地下から脱出させたフレーダーは、ロトワングと対決し、ロトワングは、敗れて、命を落とす。
権力者のフレーダーセンは、この大騒動を目の当たりにして、労働者たちと和解をすること決断し、労働者と握手をして、この物語は終わる。
なかなか、面白い物語ですよね。
富裕層と、労働者層の格差。
そして、わずかな富裕層が、多くの労働者層を酷使し、豊かで、華やかな生活を謳歌している。
この問題は、恐らく、はるかな昔から存在し、そして、未来も変わらない。
日本でも、それは同じで、戦後、一時期、「一億総中流」と言われた時代もありましたが、今では、一部の富裕層と、多くの貧困層に、格差が拡大をしている印象です。
この映画「メトロポリス」は、当初から様々な編集がなされ、映画の長さや、物語に、多く差異が、映画によって存在するそうです。
また、莫大な制作費が掛けられたために、その制作費の回収が出来ず、会社が倒産したとか。
ちなみに、こちらは、映画に登場するアンドロイドのマリアです。
なかなか、印象的で、良いデザインですよね。