雑誌「ニュートン」の今月号に、「乱数」についての話がありました。
この「乱数」は、ネット社会、コンピュータープログラムを作るには、必要不可欠なもの。
個人的に「乱数」=「デタラメな数」と思っていたのですが、どうも、そうではないようですね。
「乱数」とは「出現頻度が一様(発生確率が均等)」「現れる数同志に相関が無い」「数の現れ方に周期性などの規則性が無い」と、言うことのようです。
この「乱数」は、インターネットの情報セキュリティに必要なデータの暗号化や、ワンタイム・パスワードの生成に使われているそう。
また、コンピューターでの「株価の変動予想」や「気象の予測」などのシミュレーションにも、「乱数」は欠かせないもので、この「乱数」が、上手く生成出来ないと、正しいシミュレーションが出来ない。
この「乱数」を使ったシミュレーションを行うことを「モンテカルロ法」と呼ぶそうです。
さて、この「乱数」ですが、実は、数学的な定義は無く、その数字が「乱数」であるのかどうか証明をすることも不可能だそうです。
ちなみに、円周率「π」が、「乱数」なのかどうかも、証明が出来ていないそう。
しかし、その数字の「乱数」の「質」がどの程度かを調べる方法はあるそうです。
それが「カイ2乗検定」と呼ばれるもの。
詳しい説明は、ここでは、省きます。
さて、コンピュータープログラムを作る中で、必要不可欠な「乱数」ですが、実は、この「コンピュータープログラム」で「乱数」を作るというのは、実質的に「不可能」だそうです。
なぜなら、コンピュータープログラムは、「プログラム」という「規則」によって動くもの。
しかし、「乱数」は、この「規則」によって作ることが出来ないもの。
この、大きな矛盾を、どう解決するのか。
この矛盾を解決するために、一見、「乱数」のように見える「疑似乱数」の生成方法が、いくつも、考案されているそうです。
この「疑似乱数」もまた「乱数」として使用することが可能ですが、そのタネとなる「シード値」が分かれば、同じ「乱数」を生成することが出来るという欠点もある。
また、「乱数」の中で「シード値」と同じ数が生成されてしまえば、そこから、また、同じ「疑似乱数」が繰り返されることになる。
現在、「疑似乱数」を作り出す方法として、最良なものと言われているのが「メルセンヌ・ツイスター法」だそうです。
この「メルセンヌ・ツイスター法」では、「シード値」と同じ数が生成される周期を、約10の6000乗個という、非常に長い周期を保証しているということ。
さて、規則制によって動く「プログラム」で、不規則な「乱数」を作るのが不可能なため、「プログラム」ではなく、「物理的なノイズ」を使って、真の「乱数」を作ろうという研究が進んでいるそうです。
これを「物理乱数」と呼ぶ。
現在、最も、実用化が進んでいるのは「電気回路に現れる電圧のノイズ」を利用したもの。
これを「熱雑音方式」と言うそうです。
電気回路の流れる電圧を一定に保つのは不可能で、その「ノイズ」を数値に変えて、「乱数」として利用をするもの。
すでに、一部の高性能コンピューターで使用されているそう。
また、レーザー光を使って作られた「揺らぎ」(レーザーカオス)を利用して、「乱数」を作る装置も開発をされているそう。
さて、以下、個人的な話。
「宝くじ」、その中でも、「ロト」「ナンバーズ」と言った、自分で数字を選ぶもの。
恐らく、「ロト」にしろ「ナンバーズ」にしろ、出て来る数字は「乱数」に違いない。
もっとも、「ロト」や「ナンバーズ」の数字が「乱数」であることを数学的に証明するのは、不可能ということになる。
「ロト」や「ナンバーズ」の数字が「乱数」ならば、当選番号を予測するというのは、不可能な話。
当選番号を予測する本とか、ネットの情報は、たくさんあるようですが、それらは、全て、「無意味なもの」と、言うことになるのでしょう。
では、なぜ、そのような情報が、氾濫をするのか。
それは、一見、「ロト」や「ナンバーズ」の出現数字に、法則性があるように見えるから、と、言うことになるのではないかと思います。
記事によれば「ランダムなもの」と「一見、ランダムに見えるもの」には、微妙な差があるそうですね。
この「一見、ランダムに見えるもの」を「ランダムなもの」と錯覚をすることを「クラスター錯覚」と呼ぶそうです。
実は、「ランダムなもの」は、時に、「規則制」があるように見えることがあるよう。
恐らく、「ロト」「ナンバーズ」の場合も、それでしょう。
つまり、「ロト」や「ナンバーズ」の当然番号を予想しようとしている人は、この「クラスター錯覚」に陥っているということ。
それにしても、「ロト6」「ロト7」。
一等が当たらないものでしょうかね。
