子供の頃、毎週、日曜日、午後七時半から「世界名作劇場」が放送されていました。
毎週、見ていたのですが、その中で、最も、印象に残っているのが「小公女セーラ」です。
その原作小説が、こちら。
テレビアニメの方は、結構、長いのですが、とても良い物語でした。
そして、原作小説の方は、元々、児童文学として発表されたものだそうで、コンパクトにまとまった感じで、とても、読みやすい。
主人公は、「セーラ・クルー」という少女。
舞台は、19世紀のイギリス。
父のラルフ・クルーは、当時、イギリスの植民地だったインドで、ダイヤモンド鉱山を所有する大金持ち。
セーラは、インドから、故郷のイギリスに戻り「ミンチン女学院」に入学し、寄宿舎生活を始めることになる。
大金持ちの娘、セーラは、学院の中でも、ミンチン女史に目を掛けられ、周囲の生徒たちからも、チヤホヤともてはやされる。
しかし、セーラが来るまで、学院で、中心的な生徒だったラビニアは、セーラのことを、よく思わない。
このまま、セーラは、ミンチン女学院で、父の資産を背景に、問題なく生活を送るかと思われたのですが、インドで、父、ラルフが急死し、財産を、全て、失い、無一文になってしまったことが分かる。
財産を失い、孤児になってしまったセーラは、他に、行くところもない。
かといって、このまま、学院で、生徒として寄宿舎生活をすることも出来ない。
ミンチン女史は、無一文のセーラを、使用人として、学園に置くことにする。
セーラは、屋根裏部屋を与えられ、それから、厳しい、使用人としての生活が始まることになる。
ミンチン女史を始め、学院内での中心的生徒の立場を取り戻したラビニアなどから、セーラは、酷い、いじめを受け、厳しい、労働を強いられる。
しかし、同じ、使用人のベッキーや、セーラを慕う生徒のアーメンガードや、ロッティなどとの交流もあり、セーラは、気高く、優しい、変わらない性格を持ち続ける。
そんな中、セーラの父、ラルフの友人で、共同経営者だったクリスフォードが、イギリスに戻って来る。
実は、父、ラルフは亡くなったものの、その後、事業は成功し、セーラは、父の遺産を引き継ぎ、莫大な資産を持つ、大金持ちには変わりなかった。
クリスフォードが、イギリスに戻って来たのは、セーラを探し、財産を引き継がせるため。
クリスフォードは、ミンチン女学院の隣の建物に住んで、セーラを探した。
しかし、クリスフォードは、セーラが、ミンチン女学院に居ることを知らないし、そこで働く使用人が、セーラだということに気がつかない。
周囲の人たちに虐げられながらも、気高く、真面目に、働くセーラを見て、クリスフォードは、こっそりと、セーラの生活の支援を始める。
そして、ある日、クリスフォードの飼っている猿が、セーラの住む屋根裏部屋に迷い込んで来る。
セーラは、その猿を、隣に住むクリスフォードのところに返しに行った。
そこで、初めて、クリスフォードは、目の前の使用人が、セーラだということに気がつく。
ここから、ラストシーンに向けて、テレビアニメと、原作小説では、大きく、物語が異なるんですよね。
記憶によれば、テレビアニメの方は、自分が、父の遺産を引き継ぎ、まだ大金持ちであることを知ったセーラは、セーラを、いじめ、虐げたことを後悔するミンチン女史を許し、自分をいじめたラビニアとも和解し、新たな生活のために、学院を去って行くんですよね。
しかし、小説では、ミンチン女史や、ラビニアと和解することなく、セーラは、同じ使用人のベッキーと共に、クリスフォードに引き取られ、学院を去ることになる。
そして、ミンチン女史は、自分のセーラへの態度を、後悔したという話だったと記憶しています。
「世界名作劇場」では、良いアニメが、色々と、放送されていましたよね。
「母を訪ねて三千里」
「赤毛のアン」
「アライグマラスカル」などなど。
「フランダースの犬」と「アルプスの少女ハイジ」は、この「世界名作劇場」だったのかどうか、記憶が、定かではない。
実は、この二つは、僕は、見ていないんですよね。
ちなみに、「フランダースの犬」は、その小説が書かれた地元では、全く、無名の作品だと、以前、テレビ番組で放送していたのを見た記憶があります。
確か、日本人が、多く、「フランダースの犬」の舞台として、観光に来るようになったので、そのための、モニュメントか何かが、町に作られたという話だったような。
なかなか、面白い。