村岡栄一さんの漫画「去年の雪」。
とても、良い漫画でした。
村岡栄一という漫画家さん。
この本で、初めて、知りました。
永島慎二さんに師事し、あの「黄色い涙」という漫画の主人公でもあるそうですね。
この「黄色い涙」は、元々、「若者たち」というタイトルで、1974年に、テレビドラマにもなり、2007年には、嵐のメンバーが主演をして、映画になった。
この時、再版された「黄色い涙」を本屋で見て、買おうか、どうしようか、悩んだのですが、結局、買わなかった。
今となっては、後悔しているところ。
さて、村岡栄一さんの漫画「去年の雪」。
人間、長い人生の中で、多くの人たちとの「出会い」と「別れ」がある。
この漫画は、村岡さんが、その、かつて、知り合った人たちとの「思い出」を、一話完結で、漫画にしたもの。
そして、そこに登場する人物は、もはや、この世の人ではない。
つまり、もう、会うことが出来ない人たちとの思い出。
村岡さんは、還暦を過ぎてから、この漫画を、不定期で描き始めたのですが、途中で、脳出血を起し、半身不随になり、漫画を描くのは諦めたということ。
そして、この漫画を編集者として担当したのは、村岡さんの娘さんだそうで、娘さんが担当した、最初で、最後の漫画ということになる。
村岡栄一さんは、1949年の生まれ。
やはり、当時は、まだ、貧しい人が多かった。
夫を、突然、亡くし、三人の子供を、女手一つで育てることになった叔母さんの話。
弟を産んだ直後から、肺結核で療養生活に入った母親との話。
突然、子供たちの前から、姿を消すことになった父親との話。
岡田史子という漫画家との交流の話。
漫画家、滝田ゆうさんの仕事の手伝いを頼まれた時の話。
漫画家、川崎のぼるさんの仕事の手伝いに行った時に出会った、川崎さんのアシスタントだった若者との話。
他にも、色々と、描きたいことがあったそうですが、半身不随になり、漫画が描けなくなってしまったというのは、残念です。
もっと、色々な、良い話があったでしょうから。