藤子F不二雄さんのSF短編の実写ドラマが放送されましたが、個人的に、以前から、実写ドラマにすれば面白いのではないかと思っている藤子F不二雄さんの漫画に「パーマン」があります。

「ドラえもん」「オバケのQ太郎」と並んで、最も、有名な作品の一つなので、知らない人は居ないでしょう。

 

 

 

さて、この「パーマン」ですが、連載時期は、二回に分けられます。

一度目は、1966年から、2年間。

二度目は、1983年から、3年間。

どちらの作品も、全てを読んだ訳ではないですが、ほぼ、全ては、読んでいるはず。

そして、今回、ウィキペディアを見て、初めて、知ったのですが、一度目の連載では、一部、キャラクターを、我孫子さんが描いているそうですね。

つまり、一度目の作品は、藤子不二雄、合作だったということ。

 

この一度目の連載(旧作)と、二度目の連載(新作)では、時代背景もあって、設定が、かなり変わっています。

 

まず、主人公の「ミツ夫」たちに、パーマンセットを渡す人物。

 

旧作では「スーパーマン」と呼ばれていますが、新作では、著作権の関係からか「バードマン」になっている。

元々、「パーマン」という名前は、「スーパーマンには及ばない」ということで、「ス」を取って「パーマン」ということになっていた。

しかし、「バードマン」に変更され、その名前の繋がりは、消えてしまったよう。

 

また、「パーマン2号」、通称「ブービー」は、旧作では、動物園に住んでいましたが、新作では、家のペットに変更されている。

 

そして、旧作には、「パーマン5号」、通称「パー坊」が登場しますが、新作には、登場しない。

個人的に、この「パー坊」が登場するエピソードは、未読です。

 

旧作では、パーマンの正体が、他の人にバレると「脳細胞破壊銃」で「パー」にされるということだった。

しかし、新作では、「動物」に変身させられることに変更されている。

 

僕は、やはり、子供の頃に読んだ旧作の方に愛着がある。

新作の方を読んだのは、随分と、大人になってからのこと。

ウィキペディアにもあるように、旧作の方には、かなりシリアスな内容や、スケールの大きな話、また、「パーマン」としてのミツ夫の苦悩が描かれたエピソードもある。

「正義の味方」として生活をしなければならない一般人の苦悩が、ミツ夫という子供を通して、描かれる。

 

そして、やはり、個人的に好きなのは、「パーマン3号」、星野スミレというキャラクター。

この「星野スミレ」というキャラクターの扱いも、旧作と新作では、大きく違っています。

 

この、星野スミレは、大人気の少女タレント。

しかし、旧作では、パーマン3号が、星野スミレであるということは、他のパーマンたちはもちろん、読者にも、明示されません。

しかし、漫画を読んでいれば、読者には、パーマン3号が、星野スミレであることは、分かるように描かれている。

そこが、何とも、微妙な感じで、良かった。

 

しかし、新作では、パーマン3号が、星野スミレであることは、読者には明示されている。

そして、この「星野スミレ」を主人公にした物語もあり、それはそれで、面白いもの。

 

そして、この「星野スミレ」は「ドラえもん」にも登場する。

 

「ドラえもん」に登場する「星野スミレ」は、もう、大人の女性になっている。

そして、人気芸能人であることに変わりはない。

 

この「パーマン3号」の「星野スミレ」と、「ドラえもん」の「星野スミレ」は、同一人物です。

つまり、世界線が、繋がっている。

 

この「ドラえもん」に登場する「星野スミレ」が、個人的には、大好きで、この星野スミレが、自分の過去を、のび太や、ドラえもんに語るシーンも、いくつかある。

 

一つは、ドラえもんと、のび太が、星野スミレの家を訪ねた時、一緒の部屋で、星野スミレが、二人に、自分の過去を語るシーンがある。

しかし、そのシーンは、具体的なセリフはなく、作者が、コマの中のナレーションで、「ここで、今、詳しい話は書けませんが」という説明があった

 

一つは、星野スミレが、のび太と、海辺で、二人になった時、のび太は、星野スミレのロケットペンダントの中に、一人の少年の写真を見つける。

「それ、スミレさんの子供?」

と、のび太が聞くと、

「馬鹿ね、古い友達よ」

と、星野スミレは、答える。

 

そして、どちらのエピソードでも、星野スミレが、今でも、ミツ夫を待っていることが示されます。

 

個人的には、藤子F不二雄さんには、星野スミレと、須羽ミツ夫が再会する物語を漫画にして欲しかったと思うところ。

スーパーマン、バードマンの星に行ったパーマン1号、須羽ミツ夫。

どのような人間に成長して、地球に帰って来たのでしょうね。