先日、NHKの「クローズアップ現代」で「AI兵器」の話をしていましたね。

今、ウクライナや、ガザ地区の戦闘で、すでに「AI」を使った戦闘が行われているということ。

そして、今後、更に、「AI」は、軍事の中に組み込まれて行く。

恐らく、第6世代戦闘機は、この「AI」を搭載した無人戦闘機と行動を共にすることになる。

番組の放送では、僅か、3ヶ月ほどのシミュレーションで、熟練パイロットと同等の操縦を行うことが出来るということ。

しかし、この「AI」兵器は、多くの問題も抱えている。

その問題が、表面化をして来るのは、これからのことでしょう。

 

SF物語には、すでに、多くの「AI」兵器が登場している。

あの「ターミネーター」も、その中の一つに違いない。

将来的に、「ターミネーター」のような、人工知能、つまり「AI」を搭載した人間型ロボットが、戦争をする時代が来るのかも知れない。

 

さて、一つ、紹介をしたいアニメが。

 

それは、2013年に公開されたオムニバスアニメ「SHORT PEACE」です。

 

 

 

この「SHORT PEACE」は、「九十九(つくも)」「火要鎮(火の用心)」「GAMBO」「武器よさらば」の四つの短編アニメで構成されています。

 

「九十九」は、「物」に宿る「物の怪」のお話です。

 

江戸時代の頃、嵐の中、山中で、道に迷った男が、ある祠を見つけ、中で、一夜を明かすことにする。

しかし、その祠の中は、「物の怪」たちの集まる、不思議な世界だった。

 

「火要鎮」は、江戸の、大火事のお話です。

 

この短編アニメは、大友克洋さんの漫画を原作に、大友さん自身が、監督をしています。

 

「GAMBO」は、戦国時代のある村で起こった、鬼と、不思議な白い熊との戦い。

 

そして、最後の「武器よさらば」が、戦闘アクションもので、とても、面白い。

 

原作は、大友克洋さんの短編漫画で、アニメの監督を務めたのは、メカデザイナーのカトキハジメさん。

 

舞台は、大きな戦争の後の、近未来。

5人の兵士の小隊は、街に残された武器の回収を仕事にしている。

小隊は、砂漠の中の廃墟の街に、ミサイル兵器が残されているのを発見。

しかし、その廃墟の街の中には、自律型多足歩行戦車「ゴンク」が残されていた。

 

小隊は、まず、この「ゴンク」を破壊し、ミサイル兵器の処分をすることにする。

ジャンキーは、装甲車で全体の偵察、監視。

ギムレットが指揮を取り、マール、ラム、ジンの三人と共に、パワードスーツに身を包み、廃墟の街に侵入。

シミュレーションに沿って、自律型多足歩行戦車「ゴンク」に戦闘を挑む。

 

強力な戦闘力を持つ「ゴンク」と、パワードスーツに身を包んだジャンキー以下、4人の戦闘シーンは、見物です。

 

さて、この自律型多足歩行戦車「ゴンク」は、まさに「AI」によって戦闘をする兵器ということになる。

誰も居なくなった廃墟の街でも、「ゴンク」は、稼働し、敵を見つければ、戦闘を始めることになる。

もし、将来、この「AI」によって、自律的に戦闘をする兵器が開発をされれば、こういう現状が生まれることになるのかも。

つまり、自分で、勝手に、敵を見つけ、勝手に戦闘を続ける兵器が生まれることにならないのか。

 

そして、物語のオチになりますが、最終的に、ジャンキー、ギムレット、ラム、ジンの四人は、「ゴンク」の圧倒的な戦闘力によって、戦死することになる。

 

ただ一人、マールが生き残ることになる訳ですが、それは、なぜか。

 

それは、偶然にも、兵士が身につける「IDタグ」が、衝撃で外れてしまったため。

 

マールの「IDタグ」が外れた瞬間、「ゴンク」は、マールの「IDタグ」の方を攻撃し、それを破壊すると、マールの方を「民間人」と認識し、何もすることなく、その場を立ち去って行く。

 

これは、「ゴンク」の「AI」が、「IDタグ」を身につけている人を「兵士」と認識し、「敵」と認識するようにプログラムをされていたということでしょう。

そして、「IDタグ」を身につけていなければ、「ゴンク」は、その人を「民間人」と認識し、攻撃はしないということになる。

 

「AI」によって自律的に戦闘をする兵器は、何かを考えている訳ではなく、結局、「プログラム」によって指示された通りにしか活動することが出来ないということですよね。

そこが、「人間」の兵士と違うところ。

 

果たして、そのような兵器を、実際に作り、戦場に投入しても良いものかどうか。

と、個人的には、疑問を持っているところでもあります。