ロシアで、ウクライナからの帰還兵が、多くの事件を起こしているという報道がありましたね。
何でも、50件以上の事件を起こし、40人以上が、殺害をされているとか。
そして、恐らく、現状は、もっと、多いだろうということ。
今回、調査をされたのは、民間軍事会社「ワグネル」に雇われた元受刑者の帰還兵だということ。
半年、ウクライナに行けば、釈放されるという条件で、「ワグネル」で兵士になった元受刑者たちが、ロシアに戻り、事件を多く起こしているという話。
今回は、「元受刑者」ということで、元々、犯罪を起こす傾向のある人物だったとも言えますが、一般の兵士でも、戦場での過酷な状況を体験し、心を病み、帰還後、社会に馴染むことが出来ず、問題を抱える元兵士たちも多く居る。
アメリカでは、ベトナム戦争からの帰還兵が、社会に溶け込めず、また、社会から排除されて、大きな問題になったのは有名な話。
この映画「ランボー」は、最も、有名なものでしょう。
ベトナム帰還兵のランボーは、社会に馴染めず、ある町で、差別的な扱いを受けたことをきっかけに、たった一人で、反乱を起こす。
そして、この映画「タクシードライバー」の主人公も、ベトナム帰還兵ではなかったですかね。
社会に馴染めず、タクシードライバーとなった主人公は、恋人との関係も上手く行かず、一人の売春をする少女に出会ったことで、暴走。
ラストの銃撃シーンは、なかなか、凄かった。
この「アメリカンスナイパー」は、イラク戦争が舞台。
過酷なイラクでの戦場と、平和なアメリカでの日常が描かれている。
そして、主人公は、帰還兵の心のケアをするボランティアの中で、心を病んだ帰還兵に殺害されるんですよね。
このイラクでは、日本の自衛隊も派遣されましたが、このイラクに派遣をされた自衛隊員の中でも、日本に戻った後、自殺者が出ているという報道を、当時、見た記憶があります。
直接、戦場に出た訳ではない人でも、それだけ、心理的な負担が大きいということなのでしょう。
今、ウクライナでは、徴兵忌避が、大きな問題になっているそう。
戦争が始まった当初は、志願兵も多くいたようですが、戦場の過酷さを目の当たりにして、戦場に出たくないという人が、相当、増えているということ。
自国が侵略をされ、国家が危機的状況にあっても、国のために戦うことを拒否する。
それだけ、戦場が、過酷だということ。
結局、戦争を煽り、国民を戦場に送りたがるのは、自分が、直接、戦場に行かなくても良い人たち。
それを、よく理解して置かないと。
さて、今、ロシアで事件を起こしているのは「元受刑者」ということ。
この「元受刑者」を兵士にするという発想で、思い出すのが、「項羽と劉邦」です。
秦帝国の末期。
始皇帝の過酷な民衆支配に反発をして、「陳勝、呉広の乱」が勃発。
この反乱に触発されて、中国全土で、秦帝国への反乱が、次々と起こる訳ですが、それに対処をするため、秦帝国の役人だった章邯が、ある提言をします。
それは「囚人を兵士として組織し、反乱軍に当たる」ということ。
そして、章邯は、自ら、その元囚人を率いて、反乱軍を、次々と撃破し、あと一歩というところまで、反乱軍を追い詰めます。
しかし、章邯は、項羽によって敗北。
一躍、反乱軍を束ねる立場になった項羽の快進撃が、ここから始まります。
一方、項羽とは別行動を取っていた劉邦の率いる軍勢は、項羽よりも先に、秦帝国の首都に入り、秦帝国は滅亡する。
ここから「項羽と劉邦」の戦いが始まる訳ですが、それは、また、別の話。