アメリカの大統領選挙。
共和党の候補者選びは、トランプ氏の圧勝ということのようで、共和党は、すっかり、トランプ氏に乗っ取られた格好で「トランプ党」になってしまった印象。
なぜ、アメリカが、このような状態になっているのか。
色々と、思うところはありますが、それは、ここでは、置いておきます。
さて、この、今のアメリカの状況を見ていると、ドイツで「ナチス」が、国民の支持を集め、その中で「ヒトラー」が党首となり、結局、「ナチス」が「ヒトラー党」になり、「ドイツを、再び、偉大に」と、ヒトラーが、熱狂的支持を受け、総統になって行く過程を見ているようで、何だか、怖い気がする。
さて、この「ヒトラー」に関して、面白い本があります。
それが、こちら。
ドイツで出版された、ティムール・ヴェルメシュの小説「帰って来たヒトラー」。
この本、本当に、面白い。
1945年4月30日、アドルフ・ヒトラーは、ベルリンの総統地下壕の中で、自殺をする。
ところが、自殺をしたはずのヒトラーが、現代のベルリンで、目を覚ます。
なぜ、自分が、こんなところに居るのか。
ヒトラーには、分からない。
周囲を歩き回っているうちに「何か、変だぞ」と気がついたヒトラー。
そして、今が、2011年だということを知り、衝撃を受ける。
ヒトラーは、自分が、「アドルフ・ヒトラー」であることを主張しますが、当然、誰も、信じない。
そして、「この人は、ヒトラーのモノマネをしている芸人だろう」と思い込んだ人に、生活の面倒を見てもらうことになる。
次第に、現代社会に適応をして行くヒトラーは、ある人によって、ヒトラーのモノマネ芸人として、テレビ番組に出演をすることに。
ヒトラーは、大真面目で、自分の主張をテレビで話すのですが、これが、視聴者に大ウケ。
モノマネ芸人として、ヒトラーは、一躍、大人気で、時の人となる。
人気芸人になったヒトラーは、周囲のサポートを受け、大真面目に、自らの主張のために社会で大活躍。
大人気となったヒトラーは、国民が、自分を支持していると思い込む。
ネオナチの集会に突撃取材に行って、ネオナチの人間に殴られるところは、滑稽ですが、ヒトラーは、次第に、政治的人物としても、社会に認知をされて行く。
そして、いよいよ、選挙に出馬をすることを考え始めたところで、物語は終わります。
ちなみに、この「帰って来たヒトラー」は、映画にもなっていますが、映画の方は、イマイチ、面白くなかった。
やはり、小説の方が、おすすめです。