さて、第二次世界大戦の末期に、「ジェット機」が実用化をされると、次は、このジェット機が、どこまで、高速で飛行することが出来るのか、という話。

 

やはり、最初の壁は、「音速」を突破できるのかどうか。

 

1947年10月14日、「ベルX1」という実験機に乗った、チャック・イェーガーという人物が、「音の壁」を超えることに成功。

この「音の壁」を超える時に、衝撃波が発生するんですよね。

そして、昔、読んだ本に、この時の話がありましたが、確か、この「音の壁」を超えると、とても静かな世界だったと書かれていたような記憶があります。

やはり、「音」よりも速く、飛んでいるのですから、その音が聞こえないというのは、当然のことなのでしょう。

 

そして、実用機として、これまで、世界最高速を記録したのは、アメリカ軍の偵察機「ロッキードSR71・ブラックバード」という飛行機です。

それが、こちら。

 

 

 

この「ロッキードSR71」という飛行機は、随分と、特異な格好をしていますが、超高空を、超高速で飛行するために、様々な工夫がされ、様々な技術が、盛り込まれている。

最高速度は、マッハ3.3で、この「マッハ3」という速度に近づくと、「熱の壁」と言われる問題が発生するそうです。

この「ロッキードSR71」には、この「熱の壁」を突破するための技術が、詰め込まれているということ。

 

この「ロッキードSR71」は、超高速で飛行するための特殊な飛行機ということになる訳ですが、一般的な飛行機で、最も、高速なのは、やはり「戦闘機」でしょう。

世界で最初の実用超音速戦闘機は、アメリカの「ノースアメリカン・F100スーパーセイバー」になります。

ここから、戦闘機は、超音速の時代へ。

 

これまでで、世界最高速の戦闘機は、旧ソ連の開発した「ミコヤン・ミグ25」です。

当時、東西冷戦の中で、ソ連の内情というものは、あまり詳しく、西側に伝わって来なかった。

その中で、この「ミグ25」の登場は、西側諸国に衝撃を与えたようですね。

西側が、レーダーで捉えた「ミグ25」は、マッハ3に近い高速で飛行をする。

時には、マッハ3を超えて飛行をする機体もあったようで、一体、どのような高性能戦闘機なのか。

西側諸国は、脅威を感じていたようです。

 

 

しかし、この謎に包まれた「ミグ25」の機体が、意外な展開で、西側の国に渡ることになります。

それが、1976年9月6日の「ベレンコ中尉亡命事件」です。

これは、「ミグ25」に乗ったソ連のベレンコ中尉が、日本の北海道、函館の空港に、防空システムを突破して、強行着陸。亡命を求めたというもの。

当然、アメリカは、この機体を、徹底的に調査し、敵戦闘機を相手に空中戦をする能力は、低く、純粋な対爆撃機用の迎撃機だったということが判明する。

なぜ、ソ連が、これほど高速な迎撃機を必要としたのかと言えば、当時、アメリカが開発をしていた超音速爆撃機や、超音速偵察機を迎撃する必要があったため、と、言うことのようです。

 

この「ミグ25」の最高速度は、マッハ2.8ということですが、実際には、マッハ3を超えての飛行も可能でした。

しかし、マッハ3を超えて飛行をすると、機体は、二度と、使用不能になるか、また、大幅な修理が必要になったということ。

つまり、「ミグ25」の機体は、マッハ3を超えるような速度には、耐えられない。

これは、やはり「熱の壁」の問題なのでしょう。

 

この「ミグ25」を、改良、進化させたのが、「ミグ31」です。

 

 

 

この「ミグ31」は「ミグ25」に比べて、最高速度は、やや、抑えられているようです。

しかし、マッハ2.8という高速を出せることは変わらない。

 

しかし、戦闘機も、とにかく、速ければ良いという時代は終わり、マッハ2を超えるような高速は、必要ないとも考えられるようになっているようです。

 

ちなみに、超音速旅客機として有名だったのが「コンコルド」ですよね。

 

 

 

白鳥のように優雅に見える機体は、いかにも速そうで、子供の頃には、憧れの飛行機でした。

コンコルドは、20000メートルの高空を、マッハ2.2で飛行したということ。

2003年に、運用が終了したということで、商業的には、失敗だったということ。

 

ちなみに、このコンコルドは、離陸直後に、墜落、炎上するという事故を2000年に起こしていて、その映像は、当時、テレビで見たような気がするんですよね。

旅客機が墜落をすると、大惨事になり、とても危険というイメージがありますが、事故が起きる確率は、普通の交通事故に比べると、はるかに低く、旅客機は、基本的に、安全な乗り物と言われている。

しかし、僕は、未だ、一度も、飛行機に乗ったことが無いんですよね。