太田垣康男さんの漫画「太陽の牙・ダグラム」
個人的に、ずっと、関心を持っていたので、単行本が出た時に、早速、読んでみました。
現在、第三巻まで発売中。
面白く読んでいますが、かつて、テレビで放送された、アニメ版とは、物語や設定など、かなり違っているようですね。
もっとも、僕は、昭和56年に放送されたテレビアニメを見ていない。
当時、僕は、小学生。
「機動戦士ガンダム」の登場で、いわゆる「リアルロボット」物と言われるアニメのジャンルが生まれますが、この「太陽の牙・ダグラム」は、その「機動戦士ガンダム」に続くもの。
当時、僕は、この「リアルロボット」物に、全く、興味がなく、「機動戦士ガンダム」を数話、見ただけで、この「太陽の牙・ダグラム」も「装甲騎兵ボトムズ」も、一話も見たことがない。
当時、僕が、熱中していたのは、松本零士さんの「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」「1000年女王」「無限軌道SSX」など。
ちなみに、「ダンガードA」や「SF西遊記スタージンガー」もまた、松本零士さん原作の作品だと知ったのは、随分と、後になってから。
僕が、「機動戦士ガンダム」に興味を持ったのは、学生の時に、たまたま、テレビで放送されていた「機動戦士ガンダム・逆襲のシャア」を見てからのこと。
それから、「太陽の牙・ダグラム」や「装甲騎兵ボトムズ」にも興味を持ったのですが、これまで、なんとなく、見る機会がなかった。
ちなみに、「リアルロボット」物とは、「ロボット」を、「マジンガーZ」のような、唯一、絶対、無敵のスーパーロボットではなく、戦車、戦闘機と同じ、「兵器」の一つとして扱うもの。
そのため、「量産型」と呼ばれる、多くのロボットが、兵器として登場することになる。
そして、「正義」と「悪」が、はっきりとしない。
一応、主人公の居る側が「正義」のような感じではありますが、主人公が戦う敵側にもまた、戦わなければならない理由がある。
さて、この「太陽の牙・ダグラム」の漫画を読むにあたり、ネットで、色々と、内容を調べてみました。
もっとも、それは、漫画版とは違い、テレビアニメで描かれた物語ということになる。
自分なりにまとめた内容を、以下、記します。
もしかすると、違っているところもあるのかも。
主な舞台となるのは「デロイア」という地球の植民惑星です。
地球では、今、このデロイアから産出される資源に依存をして、生活をしている。
そして、地球連邦は、このデロイアを過酷に支配し、搾取をしている。
この地球連邦による搾取に反発をしたデロイアの人たちは、地球連邦からの独立を目指して、活動をしている。
この地球連邦のトップに居るのが「ドナン・カシム」という人物。
そして、このドナン・カシムは、ある謀略を用いて、デロイア市民を弾圧する。
その父の酷いやり方の反発をした息子の「クリン・カシム」は、デロイアに向かい、独立運動に身を投じることになる。
そして、このクリン・カシムが参加をした独立派のゲリラ部隊が「太陽の牙」ということになる。
そして、戦闘に使われるロボットが「コンバットアーマー」と呼ばれるもの。
この「コンバットアーマー」の設定は、画期的だったようですね。
この「コンバットアーマー」は、複数の民間会社が製造し、優れたものを軍が採用することになる。
そして、それそれの「コンバットアーマー」は、形式ナンバーも持っている。
これは、「機動戦士ガンダム」にも、後付けで、設定が採用され、「リアルロボット」物の定番になる。
そして、この「太陽の牙・ダグラム」は、物語の展開に、大きな特徴があるようですね。
基本的に、物語の流れの中心は「政治」にある。
つまり、政治の駆け引きが物語の中心で、主人公の戦場での活躍が、物語展開に、あまり重要な意味を持たないよう。
また、視聴者を引きつけるために重要と思われる「ヒロイン」や、主人公の「ライバル」のようなキャラクターが、存在をしないよう。
そして、当初は、主人公が参加をしていたのは、少人数の「ゲリラ」だったのですが、その後、軍に正式に参加をすることで、自由が奪われ、組織に縛られて行く様子も描かれるということ。
色々と調べていると、「これが、放送当時、子供に理解することが出来たのか」と思うほど、内容は難解です。
しかし、「機動戦士ガンダム」の倍に近い、75話も放送されたそうなので、視聴率は良かったのでしょう。
そして、恐らく、僕と同世代の人が、強烈な印象として覚えているのではなかいかと思うのが、砂漠の上で座り込み、動かなくなった「ダグラム」の姿。
これは、物語的には、もはや、戦争は終わり、ダグラムも使われなくなり、動かなくなったというラストシーンなのですが、なんと、これが、アニメの第一話の冒頭シーンとなる。
つまり、「太陽の牙・ダグラム」の物語、全てが、回想、と、言うことになるのでしょうかね。