今朝の藤井海岸。
ちょうど、日の出の時間です。
雲一つ無い快晴の空。
日の出の時間も、早くなりましたね。
さて、今、雑誌「ニュートン」の今月号を読んでいる途中。
特集の一つが「バイアス」です。
この「バイアス」については、個人的に、興味を持っている。
さて、「バイアス」とは何か。
それは、一見、「自然で当たり前の考え」、または、「冷静で客観的な判断」と思われ、多くの人が、そう考えるものですが、実は、「間違っている」という認識のこと。
この「バイアス」については、様々なケースがあり、それぞれに、名前がつけられている。
一つ、一つ、挙げていくと、相当な数になる。
その中で、有名なもの、面白いものを、いくつか。
最近、日本でも、大きな災害が、立て続けに起こっていますが、その時に「自分は大丈夫」と思い、その場にとどまり続けた結果、逃げ遅れて、亡くなる人が多く居る。
これも「バイアス」の一つで「正常性バイアス」と言います。
誰かが犯罪に巻き込まれた時、「被害者にも問題があった」と考えるのも「バイアス」の一つ。
例えば、痴漢に遭った被害者とか、いじめの被害者などに、「被害者にも問題がある」という非難が、よくある印象。
当然、被害者に何の非がなくても、犯罪に巻き込まれる可能性は、十分にあり、むしろ、そういう人の方が多いでしょう。
本屋に行くと、「自分は、こうやって成功した」という本が、たくさんありますが、その本を読み「自分も、このようにすれば成功するのではないか」と思うのも、「バイアス」の一つ。
よく考えれば、その人の成功例は、かなり特殊で、一般的なものではない。
特殊なものは、多くの人に真似が出来ないから特殊なのであって、多くの人が真似できないことをしたために、その人は、成功をすることが出来た。
つまり、その本を読んでも、読者は、同じように成功することは出来ない。
類似のものとしては、例えば、戦争や、大きな事故などで生き残った人の体験談というものがある。
その戦争や、大きな事故で、多くの人が亡くなっているのですが、わずかに生き残った人の証言から、その戦争の状況や、事故の状況を判断してしまうというもの。
これは「生存者バイアス」と呼ばれるそうです。
つまり、生き残った少数者の言葉から、多くの人が亡くなった状況を、誤って判断してしまうというもの。
実は、これらの「バイアス」は、物を売る営業のテクニックとして使われたり、差別、偏見を煽る手段としても使われます。
また、詐欺の手段としても使われる。
この「バイアス」というものを、知っておくに、越したことはないと思います。
さて、面白い話を、一つ。
第二次世界大戦の最中、アメリカ軍では、戦闘機の防弾能力を高めるために、帰還をした戦闘機を観察し、被弾の多い箇所の防弾能力を強化しようと考えたそうです。
しかし、この考えは、おかしいのではないかということに気がつく。
それは、「被弾が多い」のに帰還をすることが出来たということは、そこは「被弾をしても大丈夫な場所なのではないか」ということ。
確かに、その通りで、さすがは、合理的なアメリカというところでしょうか。
普通に考えれば、機体を見て「被弾の多い場所」を見つければ、そこの防弾能力を強化しようというのは、当たり前で、自然なことで、誰もが、そう思う。
しかし、これが、「バイアス」です。
実際は、その場所に被弾が多くても、その機体は、無事に帰還しているし、パイロットも安全に戻って来たとうこと。
つまり、そこは「被弾をしても構わない場所」というのが、正しい。
人間の思考というものは、簡単に「思い込み」に縛られ、「錯覚」に惑わされる。
自分は、しっかりしているつもりでも、案外、脆いものです。