今、NHKで「アストリットとラファエル・文書係の事件録」のシーズン4を放送中。

個人的に、大好きなドラマで、シーズン1から、欠かさず見ています。

自閉症を持つ女性、アストリットが、その優れた観察力、記憶力、洞察力を使って、刑事、ラファエルと共に、事件を解決して行くという物語。

 

さて、先日、第一回を録画したものを見ていると、セリフの中に、気になるものが、一つ。

それは「ワイアット症候群」というもの。

これは「ワイアット・アープ症候群」と呼ばれるもので、ウィキペディアで調べて見ると「新人警察官が、自らをたくましく見せるために過度の暴力をふるってしまうことを指す俗語」ということ。

現在では「ダーティー・ハリー症候群」とも言うそうです。

現実社会において、「正義の執行者」を自認し、目の前の現行犯の犯人を、軽微な罪でも射殺してしまい、「逮捕に抵抗をするからだ」と自身の行為を正当化してしまう。

拳銃を使用することに緩やかなアメリカでは、こういうケースに陥る人は多いということのよう。

 

さて、この「ワイアット・アープ」という人物。

西部開拓時代に活躍をした人として有名ですよね。

西部劇というものに、全く、興味が無く、西部劇を見たことが無い僕でも、名前は、よく知っている。

なぜ、広く、名前が知られているのかと言えば、やはり、映画「OK牧場の決闘」の影響が大きいのでしょう。

 

 

この「OK牧場の決闘」は、西部劇映画の中でも名作の一つのよう。

ワイアット・アープとドク・ホリディが、クラントン兄弟と、「OKコラル」という場所で、決闘をする。

この「コラル」とは、「牧場」ではなく、牛や馬、家畜などを置いておく「囲い場」のことだそうです。

映画に邦題をつける時に「コラル」では分かりづらいということで、「牧場」という邦題になったということのようです。

もっとも、物語自体は、フィクションなのでしょう。

史実という訳ではなくても、面白ければ良いのだろうと思います。

 

このワイアット・アープという人は、西部開拓時代を生き残り、後に、ハリウッドで、西部劇の制作に協力し、演技指導などもしていたそうですね。

この「OK牧場の決闘」もまた、ワイアット・アープ本人が、売り込んだ企画だったとか。

 

さて、西部劇とは違い、この「ワイアット・アープ」という人物の生涯を、史実に近い感じで映画にしたのが、この映画です。

 

 

ケビン・コスナー主演で、個人的に、大好きな映画です。

ワイアット・アープの少年時代から、西部を去るまでの物語。

確か、冒頭は、ワイアット・アープが、カウンターの上に置かれた拳銃を取り、「OKコラル」に向かおうとするシーンから始まるのではなかったですかね。

 

さて、ワイアット・アープは、西部の「保安官」として有名ですが、当時、保安官だからといって、「正義」とは限らなかったようですね。

OKコラルでのクラントン兄弟との銃撃戦も、「正義」のワイアット・アープが、「悪」のクラントン兄弟を倒したというものではなく、アープ一家と、クラントン一家の「利権争い」「勢力争い」が原因になっているよう。

もっとも、ワイアット・アープには「保安官」という立場があり、正当性があったのも確かで、双方が銃撃戦になったのは「クラントン一味が、武装をして集まっているので、何とかして欲しい」という市民の要請があったのが直接の原因になっている。

 

この時の銃撃戦は、映画「ワイアット・アープ」の中でも、当然、描かれている訳ですが、あっという間の、至近距離での銃撃戦で、クラントン側の三人が射殺されることになる。

その後、ワイアット・アープら、銃撃戦に参加をした人たちは裁判にかけられますが、ワイアット側は、全員、無罪の判決が出ることに。

しかし、そこから、アープ一家、クラントン一家の激しい戦いが続き、双方の殺し合いが行われる。

 

ワイアット・アープは、生存中から、すでに西部開拓時代の英雄のようになっていたようで、映画のラストシーンで、一人の青年が、ワイアットに話しかけ、父から聞いたというワイアットの西部での英雄譚を話すのですが、青年が去った後、ワイアットは「事実とは違う」と、つぶやきます。

 

ちなみに、ワイアット・アープは「パントラインスペシャル」という、銃身の長い、特徴的な拳銃と使っていたと言われることがありますが、これは、事実かどうかは、分からないということ。

映画では、出てこなかったのではないですかね。