さて、「めぞん一刻」と並ぶ、高橋留美子さんの代表作と言えば「うる星やつら」ですよね。

この「うる星やつら」も、個人的に大好きで、全巻を所有していたのですが、今では、手放してしまった。

 

 

 

この「うる星やつら」は、「日常」と「異世界」が、絶妙にリンクをして、まさに「何でもあり」の世界で、それでいて、違和感が無い。

この世界観は、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」と似ていると思うのは、僕だけでしょうかね。

 

さて、この「うる星やつら」の最大の魅力は「ラムちゃん」の存在ではないでしょうかね。

ラムちゃんが居なければ、これだけの大ヒット漫画にはならなかったのかも。

 

以前、どこかで読んだ話では、この「うる星やつら」は、当初は、諸星あたるを主人公に、毎回、あたるの周囲で、おかしな出来事が起こる一話完結の話というコンセプトで始まり、「ラムちゃん」は、第一話のゲストキャラだったそうですね。

実際、第二話には、ラムちゃんは登場しない。

そして、第三話を描く時に、「ラム」というキャラクターは、使えるのではいかと再登場させたところ、大人気になったということのよう。

このように、最初は、脇役として設定されたキャラクターが、あまりにも魅力的なために主役になってしまったというのは、いくつか、あるようですね。

例えば、赤塚不二夫さんの漫画「天才バカボン」は、タイトルの通り、当初は「バカボン」が主役の想定だったようですが、「バカボンのパパ」のキャラクターが、あまりにも魅力的なため、「バカボンのパパ」が主役になってしまった。

また、時代劇「必殺仕事人」の中村主水も、最初は、「必殺」シリーズの脇役としての登場だったとか。

それが、中村主水と言えば「必殺」の顔となってしまった。

 

さて、この「うる星やつら」。

 

漫画の方は、文句なく、好きなのですが、問題は、アニメの方。

アニメの放送が始まった当初、当然、僕も見ていたのですが、なぜか、次第に、見なくなってしまった。

理由は定かではないのですが、振り返ってみると、結局のところ、面白くなかったということになるのではないでしょうかね。

なぜ、面白くなかったのかと言えば、今、考えてみると、やはり、押井守さんの演出に、子供だった僕の感性が、ついて行けなかったからではないですかね。

この押井守さんの「うる星やつら」には、原作者の高橋留美子さんも、かなり不満を持っていたという話は、有名な話のようです。

 

さて、今の僕は、押井守さんの大ファン。

当時のアニメも、今、見ると、相当に面白く感じるのかも。

 

この押井守監督の劇場版アニメ「うる星やつら・ビューティフルドリーマー」。

「うる星やつら」の劇場版アニメとしては、「オンリーユー」に続いて、第二作目となる。

 

 

 

この「ビューティフルドリーマー」は、原作者の高橋留美子さんには、相当な不評だったようですね。

しかし、アニメ映画としては「傑作」と言われ、評価の高い作品。

昔、一度、見た時には、子供の僕には、やはり、何をしているのか、どうもよく分からず、面白いとは思えなかった。

しかし、最近、見直す機会があり、押井守監督の映画のファンとなった僕が、改めて見てみると、やはり、非常に、面白く、「傑作」という評価も理解できる。

 

友引高校の文化祭の前日。

校内では、生徒たちが、忙しく、文化祭の準備を進めている。

しかし、その日も、文化祭の前日、次の日もまた、文化祭の前日。

生徒たちは、そのことに気がつかず、毎日、文化祭の準備に熱中している。

 

その中で、教師の温泉マークが、体調を崩し、サクラさんの居る保健室へ。

サクラさんは、「家に帰って、休め」と、薬を渡し、温泉マークを学校から帰らせる。

しかし、サクラさんは、温泉マークに渡したのが強力な下剤だったということに気がつく。

そこで、サクラさんは、温泉マークのアパートの部屋に向かうのですが、その部屋の中では、温泉マークが、大量の埃の中に埋もれていた。

 

「何かがおかしい」

 

と、言うことにサクラさんは気がつく。

そして、諸星あたるたちは、友引町と共に、不思議な世界に入り込んでしまうことになる……。