高橋留美子さんの漫画「めぞん一刻」。
もはや、言わずと知れた名作ですよね。
高校生の時に、友達が、全15巻を貸してくれたので、あまりの面白さに、一晩で、全て、読んでしまいました。
当初は、基本的に、一話完結の物語でしたが、途中から、五代くん、響子さんの連作恋愛物語に変わる。
五代くんは、響子さんが好きなのですが、響子さんは、亡き夫、惣一郎さんのことが忘れられない。
そして、五代くんのことが好きな七尾こずえ。
こずえは、五代くんと付き合っているつもりなのだが、優柔不断な五代くんは、こずえを突き放すことは出来ない。
響子さんは、惣一郎さんのことを思いつつ、五代くんが、他の女性と親しくしていると焼き餅を焼く。
これは一の瀬のおばさんにも指摘されるところですが、実際に、こういう女性は居るのでしょうかね。
この「めぞん一刻」は、恋愛物語であると同時に、五代くんの成長の物語でもありますよね。
浪人生から始まり、三流私立大学への合格。
就職活動の失敗。
バイト生活の中で、保父という仕事に、やりがいを感じることに。
何とか、保父の資格を取ったものの、なかなか、就職先が決まらない。
好きな女性が側に居て、こういった自分の惨めな姿を見せなければならないというのは、男として辛いところですよね。
そして、この「めぞん一刻」を初めて読んだ時、五代くんのプロポーズへの響子さんの返事に感動しました。
「一日で良いから、私より、長生きして」
愛する人を亡くしてしまうというのは、耐えられないことでしょう。
僕には、経験の無いことですが。
さて、この「めぞん一刻」もまた、実写の映画になっている。
公開は1986年。
この映画では、石原真理子さんが音無響子さんを演じているんですよね。
この映画もまた、未見。
個人的には、南野陽子さんが音無響子を演じる「めぞん一刻」を見てみたいと、ずっと思ってるんですよね。
もはや、実現可能性はありませんが。
さて、この「めぞん一刻」の中で、僕が、一番、好きなエピソードが「配達された一枚の葉書」という話。
もはや、コミックスは手放してしまい、漠然としか内容は覚えていませんが、確か、響子さんが、かつて、惣一郎さんに結婚前に送った葉書に関するエピソード。
惣一郎さんが大切にしていたという葉書ですが、響子は、その内容を、覚えていない。
その昔の葉書を、惣一郎さんの父、つまり、響子さんお義父が見つけ、五代くんを通じて、響子さんに返すという物語だったと思います。
やはり、好きな人から手紙、葉書を貰うと嬉しいものでしょう。
僕には、経験が無いので、分かりませんが。
しかし、今では、もっぱら、メール、ラインなのかも。
その点、何だか、味気ないですよね。