倉敷市役所の南。
サブリーナタウン東側駐車場の道から、アンダーパスを北に抜けた場所と言った方が、分かり易いかも知れない。
そこに、お地蔵さんがあります。
正面、左側に、倉敷市役所が見えます。
お地蔵さんを、拡大。
右から、石柱、常夜燈、そして、お地蔵さんが、二体。
この場所は、今では、完全な裏道、抜け道ですが、お地蔵さん、常夜燈が置かれているということは、恐らく、車の通りがメインになる以前、ここが、主要な道だっただろうと思います。
この石柱は、何だか、不自然に置かれている印象です。
なぜ、ここに、このようなものが置かれたのでしょう。
石柱に書かれている「天照大神」とは、言わずと知れた、高天ヶ原を支配する女神で、今の天皇家の大元、皇祖神でもある。
もう一つの「大巳貴命」とは、「大国主命」の別名ということ。
この「大国主命」は、出雲の「国譲り神話」で有名ですよね。
出雲大社に祭られている神様でもある。
裏側の二面にも名前があったようですが、写真を撮り忘れました。
残念。
なぜ、ここに常夜燈があるのかというのも、疑問です。
お寺、神社が近くにあるようではないので、この場所が、交通の要衝だったということなのでしょうが、なぜ、ここが、交通の要衝だったのかが、よく分からないところです。
さて、常夜燈の左に置かれているお地蔵さん、二体。
こちらも、左のお地蔵さんは、何だか、不自然ですよね。
足元が、失われているような感じで、何らかの理由で、破損したものが、ここに置き直されたのでしょうか。
隣の石柱には、「平成七年七月吉日改修」と書かれています。
恐らく、この時に、お地蔵さんが破損をし、古いお地蔵さんが、ここに置かれ、新しいお地蔵さんを、台座に乗せたのでしょう。
台座には「文化十三年」という年号が書かれていました。
さて、よく、お地蔵さんの下に「法界」という文字があります。
この「法界」とは、どういう意味なのか。
この「法界」とは仏教用語で、
「意識の対象となる全てのもの」
「因果の理に支配されている万物の総体」
「一切の現象の本質的な姿」
という意味のよう。
要するに、「法界」とは、「この世の、ありとあらゆるもの、全て」と言うことなのでしょう。
そして、お地蔵さんに書かれている「法界」とは、「境を知らせる」ということで「道しるべ」という意味のようです。
こういったお地蔵さんは、「法界地蔵」とも呼ばれ、無縁仏を弔ったり、道行く人たちの安全を祈るという意味も込められていたそう。
昔は、旅の途中で、亡くなる人も多かったのだろうと想像します。
そういう人たちを弔う意味があったというのも、納得です。