真貝寿明「宇宙検閲官仮説」という本が本屋に並んでいるのを見かけ、タイトルに魅かれて読んで見ました。
とても面白いものでしたが、やはり、僕の頭脳では、ほぼ、理解をすることが出来ないのが残念。
さて、理解できないなりに、内容を紹介してみたいと思います。
端緒となるのは、アインシュタインの「一般相対性理論」です。
この「一般相対性理論」に登場をする「アインシュタイン方程式」。
この「アインシュタイン方程式」を解き、「解」を求めることで、宇宙の様々なことが分かるようですね。
「数式」を解くことで、「宇宙」の現象を知ることが出来る。
数学的、物理的素養が無い僕としては、非常に不思議なことですが、実際に、そうであるようです。
「宇宙は、膨張している」
「巨大な質量を持った星が無限に収縮し、『ブラックホール』が誕生する」
これらは、まず「アインシュタイン方程式」の「解」を求めることで、予言をされたそうですね。
しかし、当初、「そんなことは、現実にはあり得ない」と、アインシュタイン自身を始め、多くの人が否定をしていたそうですが、その後、観測によって、それが事実だと確認をされることになる。
そして、この「アインシュタイン方程式」は、非常に困難な現象を起こしてしまうそう。
それは「特異点」の存在が、「アインシュタイン方程式」によって、導かれるということ。
当初、この「特異点」もまた、現実には存在をしないのではないかと思われていたそうですが、「ペンローズ」という学者によって、「特異点」は、必ず、存在をしているということが証明をされることになる。
この「特異点」では、「一般相対性理論」が通用しなくなる。
つまり、「特異点」で何が起こるのか、今のところ、全く、何も、分からないということのよう。
普通、この「特異点」は、「ブラックホール」の中に存在し、この宇宙に、直接、何かの影響を及ぼす訳ではない。
しかし、「アインシュタイン方程式」の「解」の中には、「ブラックホール」の外にもまた、「特異点」が存在をすることを示すものがあるということ。
この「ブラックホール」に隠されない「特異点」のことを「裸の特異点」と言うそうです。
果たして、この「裸の特異点」は、実際に、この宇宙に存在をしているのかどうか。
そこで、ペンローズが提唱をしたのが「宇宙検閲官仮説」です。
つまり、この宇宙には、「特異点」を、必ず、外の世界から隠す「宇宙検閲官」のようなものが存在をするのではないかという「仮説」です。
この本では、この「特異点」を巡って、様々な、過去から現在までの研究が紹介をされています。
そして、この「特異点」を知るには、「一般相対性理論」を越える理論が必要だとも。
とにかく、「アインシュタイン方程式」という「数式」を使って、「宇宙」の研究をしているというのが、何とも、不思議なところ。
それが、実際の宇宙の現象と、見事にマッチしているというのが、また、不思議。
ちなみに、アインシュタインが、「一般相対性理論」でノーベル賞を取ることが出来なかったのは、当時、まだ、この「一般相対性理論」が正しいものなのかどうか、検証が出来なかったのが原因だそうですね。
1960年頃まで、この「一般相対性理論」は、現実には役に立たないものだという考えもあり、研究も、あまり、進んでいなかったという話。
しかし、この頃から、宇宙の観測技術の進歩により、様々な、宇宙の不思議な現象が発見され、その不思議な現象が「一般相対性理論」によって見事に説明が出来ると分かり、「一般相対性理論」は、一躍、注目をされ、多くの人が研究対象にするようになったということ。
その後、この「一般相対性理論」を発展させた「重力理論」が、いくつも登場をしたそうですが、どれも、上手く行かなかったという話。
しかし、「一般相対性理論」は、数多くの検証に耐え、未だに、間違っているという部分は見つかっていないそう。
しかし、この「一般相対性理論」に、何か「不備」が見つからないことには、「一般相対性理論」に代わる、「新たな理論」を生み出す原動力は生まれないという話。
今、この「一般相対性理論」を発展し、受け継ぐことが出来る新たな理論が、色々と研究されているそうですが、果たして、どうなって行くのでしょう。
天才たちの考えは、理解できませんが、とても、面白いことには、間違いない。