郷田マモラさんの漫画「きらきらひかる」。

個人的に、郷田マモラさんの漫画は大好きで、一時期、色々と読みました。

やはり、代表作は、この「きらきらひかる」ということになるのでしょう。

 

 

主人公の天野ひかるは、監察医です。

不審死をした遺体を調べ、その死因を調べることを仕事にしている。

亡くなった人は、もう、何も話すことが出来ない。

その遺体を調べることで、その人が、どうして亡くなったのか、そして、その人が、どういう思いで亡くなったのか、遺体を調べ、追及をすることになる。

 

この「きらきらひかる」は、深津絵里さん主演で、連続ドラマにもなりましたよね。

しかし、漫画とドラマでは、別物と考えた方が良いでしょう。

最近では、同じ監察医を主人公にした上野樹里さん主演の「監察医朝顔」や、石原さとみさん主演の「アンナチュラル」も、人気でしたよね。

 

もう、すでに、亡くなってしまった人の「心の内」を探る。

そこに、物語の感動がありますよね。

 

印象に残っている話を、一つ。

 

いつも、河原で生活をしているホームレスの女性が居ました。

そして、小学生の男の子が、そのホームレスの女性と一緒に居るところを、時々、目撃されていた。

そして、ある日、ホームレスの女性と、その小学生の男の子が、川で溺死をして発見される。

「ホームレスの女性が、男の子を道連れにして自殺をしたのではないか」

と、周囲の人は、考える。

しかし、検死の結果、ホームレスの女性よりも、男の子の方が、かなり上流で溺れていたことが分かる。

つまり、ホームレスの女性は、溺れて、上流から流れて来た男の子を助けようと、川に入り、亡くなったということ。

 

検死が無ければ、ホームレスの女性は「ホームレスだ」という偏見の元、理不尽に誤解をされたままだったかも知れない。

自分の人生を悲観して、男の子を道連れにして死んだと誤解をされたままでは、その女性の魂も浮かばれないでしょう。

 

しかし、様々な場所で言われていることですが、「検死」に回される遺体というのは、ほんのわずかだそうですね。

多くの遺体が、誤解をされたまま、または、何も、考慮されないままに、荼毘に付されているのでしょうね。