水木しげるさんの漫画「のんのんばあとオレ」。

 

ネットで調べてみると、この「のんのんばあとオレ」は、この小説の方が、先のようですね。

 

 

この「のんのんばあ」は、水木しげるさんが子供の頃、近くに住んでいて、信仰心があつく、妖怪や幽霊の話に詳しく、子供の頃の水木さんは、この「のんのんばあ」から、たくさんの話を聞いたよう。

水木さんが子供の頃と言えば、昭和の始め頃。

その頃は、恐らく、お年寄りが、子供たちに、たくさんの「お話」を聞かせて、「昔話」や「伝説」、「幽霊」や「妖怪」の話など、代々、語り継がれていたのでしょう。

本が手軽に手に入るようになり、テレビが普及をするようになると、こういう風習は、無くなって行ったのでしょう。

僕が子供の頃には、もう、お年寄りから「お話」を聞くということは無くなっていた。

 

そして、漫画版が、こちら。

 

 

やはり、昔は、貧しい人が多かった。

「のんのんばあ」も、貧しい家に生まれ、子供の頃に奉公に出され、そして、老齢になっても、貧しいまま。

 

そして、「人買い」の話も出て来る。

貧しい家庭の子供が、「人買い」によって、買われて行く。

つまり、人身売買が、その頃の日本では、まだ、行われていた。

 

そして、「死」というものが、身近にあった。

物語の中では、水木さんの最初の女の子の友達は「はしか」で亡くなる。

そして、近くの海で、男の子が亡くなり、水木さんは、その子に「引かれる」ことで、自分も死ぬのではないかと怯えることに。

そして、都会から肺結核の養生に来た女の子と親交を持ちますが、当時、不治の病であったため、その女の子も、亡くなってしまう。

 

ちなみに、水木さんの地元、境港では、神仏に仕える人を「のんのんさん」と呼んだそうですね。

この「のんのんばあ」は、本名は、「景山ふさ」と言ったそうですが、夫が「拝み屋」だったため、「のんのんばあ」と呼ばれたそう。

 

久しぶりに、漫画を読み直してみました。

水木しげるさんの少年時代と、「のんのんばあ」と、不思議な世界。

そして、とても、良い言葉が。

 

人の「心」は、周囲の人たちの「魂」が宿ることによって、成長する。

あまりにも大きな「魂」が宿ると、耐えられなくなり、気持ちが沈んで、押しつぶされそうにもなることもある。

しかし、それに耐えられるようになると、「心」は、更に、大きく成長をしたということ。

そうやって、人は、成長をして行くことになる。

 

水木さんが好意を寄せていた女の子が、肺結核で亡くなった時、沈んでいる水木さんに「のんのんばあ」が言った言葉。

 

良い言葉です。