もう一つ、司馬遼太郎さんの小説で、とても面白いと思ったのが「峠」です。
これは、少し前に役所広司さん主演で映画にもなったので、知っている人も多いのかも。
主人公は、河井継之助。
越後長岡藩士。
非常に、特異な個性を持った人物で、これほど、面白く、興味深い人物が、幕末に居たのかと、この「峠」を読んだ後、河井継之助に関する本を、何冊も読みました。
越後長岡藩、牧野家は、徳川幕府の譜代大名で、老中も務める名門の家柄。
譜代大名は、基本的に、石高は、それほど大きくはなく、小藩ということになる。
幕末、長岡藩も例外ではなく、財政難に苦しみ、ペリー来航以降の、大きな政治の波の中で、翻弄されることになる。
その中で、頭角を現して来るのが、河井継之助。
藩主の大きな信頼を受け、筆頭家老にまで出世し、藩政改革に大鉈を振るい、軍制を近代化。
更に、長岡藩の軍事総督として、官軍を相手に北越戦争を戦うことになる。
乱世には、独特の個性を持った人が、登場し、活躍をすることが多い。
やはり、強烈な個性と、自己の信念を曲げずに行動することが出来る人物でないと、乱れた世の中では、役に立たないということ。
もっとも、その強烈な個性は、「毒」にもなってしまうことがある訳で、北越戦争を戦った河井継之助は、明治に入ると、「長岡の町を、戦争で廃墟にしてしまった」ということで、町の人たちに恨まれ、墓石を壊されることも、度々、あったよう。
今の時代では、地元では、どのような評価がされているのでしょう。
ちなみに、河井継之助を支えた長岡藩の家老、山本帯刀。
この山本家から、後に、連合艦隊司令長官、山本五十六が登場することになる。