前の記事で
最近読んだ漫画の影響で
質屋に行き
大撃沈してきた話を書きました。
その漫画というのがこちら。
『七つ屋志のぶの宝石匣』
「七つ屋」って、「質屋」のことなんだそうです。
「七(しち)」と「質(しち)」をかけてる。
江戸時代の質屋の隠語が
「七つ屋(ななつや)」だったのだとか。
つまり、質屋さんのお話なんです。
『のだめカンタービレ』から4年、
待望の二ノ宮知子最新作のテーマは「宝石×質屋」!
東京下町の老舗・質屋を舞台に、
宝石のオーラが見える質屋の娘・志のぶと
イケメン宝石外商・顕が織りなす、
キラッキラの人間ドラマ。
新・二ノ宮劇場の開幕です!!
ということで、
のだめカンタービレの千秋先輩が
ちょっと年くったみたいな(28歳)イケメンが出てくる
宝石ウンチクあり、ミステリーあり、
もだもだする恋愛要素ありの、
お気に入りの漫画です☆
その千秋先輩似のイケメン↓
名前が
北上顕定というのですが。
南北朝時代の
イケメン武将(といわれている)
北畠顕家
に、字面が似てる…。
ふと、そう思ったのです。
漫画の冒頭で
男主人公・北上顕定(以下、顕ちゃん)は
5歳のとき、なんと、おうちの事情で
質屋に質入れされてしまいました。
「預けられた」のではなく
「質入れ」されちゃったんですね。
どうしてもお金が必要という祖母に連れられ
「3年たったら迎えに来ます」
との約束で。
でも結局3年どころか、
23年経った今もお迎えは来ず
祖母や両親など、一家は行方不明。
顕ちゃんは「質流れ」となり
質屋「倉田屋」の所有物扱いに(笑)
…という、ストーリーはさておき。
この、顕ちゃんの実家、「北上家」は
「公家から武家になって活躍をした
歴史に残る名家」
という設定で、
「公家から武家」というのも
南北朝時代の武将・北畠顕家の家とかぶってます。
でも、まさかな~
そうだとしても、それがなんだ~と思って読み進めていくと
10巻で、コレが出てきた。↓
顕ちゃんのご先祖様↑
「北上顕成(あきなり)」とあるけど、
これ、北畠顕家の肖像、まんま、だった…↙
(家紋は違似てない)
北畠顕家のことは、
数年前まで全く知りませんでした。
よくお邪魔しているブログ
inehapoさんの「秩父・仙台まほろばの道」で
のことを紹介されてたのを見て知ったのが、最初です。
福島に所縁のある武将、ということと
「イケメン」だったらしい、という情報に惹かれ(え、そこ?)
ウィキペディアで調べるくらいはしたものの
「南北朝」って、
色んなところで情報見かけるけど
誰がどっちで、南朝北朝どっちが滅びたとか
もう、全然頭に入ってこないので
北畠顕家のことも
なぜかものすごく気になるのに
「気になる」止まりで、
細かい情報が頭に入らない。
これは単に
「イケメン」というワードに反応してしまった
ただのミーハー根性だったのかな…
と、思っていました。
それが今回の漫画で
思い出すきっかけとなったのです。
そして改めて、
色々調べてみる気になりました。
思えば、この漫画を借りる数日前。
学校に行く前のヒノデさんが
珍しくNHK教育を見ていて、
ちょうど「デザインあ」という番組をやっていたのです。
そこで出てきたのが、ミツウロコでした。
ミツウロコといえば、北条氏。
少し前に、「備忘録みたいな意味で」
津軽の唐糸伝説の記事を書きましたが
その記事の中で
ミツウロコ(鱗紋)のことにもふれていました。
昔から気になってたのです。鱗紋(うろこもん)が。
唐糸伝説の13世紀当時の津軽は、北条氏の所領で
安東氏が代官となって治めていたようです。
そして、14世紀になってから
北畠顕家が津軽の北条氏を打ち破り
津軽を平定したのだとか…。
ミツウロコに関する記事を書いてから
約2か月たって。
ここへきて、画面いっぱいの鱗紋が
目に入ってきて
「あ~これは何かありそうだな~」
と思ってたら、
『七つ屋志のぶの宝石匣』を
たまたま読んだことがきっかけになり
私の中で、
ミツウロコ(北条氏)が北畠顕家とつながった…。
さらに昨日。
ヒノデさんが毎日のようにやってる
スイッチのゲーム
「マリオカート8」。
今まで気づかなかったけど
そこにもなんと、ミツウロコがあることに気づいた…。
水没して故障したスイッチが戻ってきた途端
まさかの、ミツウロコ…。
マリオカートの中の、
「ゼルダカップ」のマークらしいです。
この鱗紋と同じマークは
『ゼルダの伝説』というゲームに出てくる
「トライフォース」という秘宝のマークなんだとか。
3つの三角が、
勇気・知恵・力を表していて
3つがそろうと何でも願が叶う…とか何とか、
面白そうな設定ではあるけど
ゲームには興味がないので、これ以上はいいや。
とにかく、ミツウロコがグイグイくる。
ミツウロコと北畠顕家がつながったものの
「だから何~」というところではありますが
以前よりは見えてきたものがあります。
何といっても、南北朝の情報が
ちょっと頭に入ってくるようになりました。
そういえば、ここ半年
明治天皇や、それと絡んで南北朝のことを
見たり聞いたりする機会が多かったのでした。
その中で印象に残っているのが
「明治」という文字について、お聞きした話。
「明」という字は「日」「月」と書く。
北朝が「日」で、南朝が「月」。
・北朝─日の丸─太陽─「力と支配」─「未来型(成功型)」=「文明の発展」
・南朝─菊花紋─月&星─「愛と平和」─「現在型(幸福型)」=「文化の成熟」
日本という国は、↑の2つで治める国、
「二本立て」の国、だからニホン→日本、と。
そして、
明治という時代は、北朝(日)と南朝(月)の融合、
「日」と「月」で治める時代
…という意味がある、と。
こうしたお話と
今回の個人的な出来事を結びつけて考えると
とにかく、ここでも
対極にある勢力(エネルギー)の調和、
バランスなんだろうな…
ということに思い至ります。
私の場合
シンクロなどがあって
何かに注目するとき、
歴史の話にしても
個人的な感情の問題にしても
行きつくところは、ほぼ
対極のエネルギーの統合、
中庸、ゼロポイント、
という言葉のような気がしています。
福島県伊達市に、
北畠顕家を主祭神とする
霊山(りょうぜん)神社があります。
霊山は北畠顕家の父・親房以降の
北畠氏の本拠地で、
顕家が陸奥国府を置いた地である、
とのことで、
北畠家と縁の深い場所ではありますが、
霊山神社が建てられたのは
明治に入ってからで、
わりと最近です。
「明治天皇が、東北巡幸のとき霊山が選定されて、
顕家の業績が見直されることになった」
なるほど
北朝と南朝の統合、
日と月で治めるという明治になって、やっと
北畠顕家の功績も
正当に評価されるようになった、ということかな。
それで、明治になってから
やっと霊山神社を建てるような動きが出てきた。
それより少し前の江戸時代、
陸奥白河藩主で、
幕府の「寛政の改革」も行った
松平定信が1817年に
北畠顕家の忠節をたたえた顕彰碑として
「この地に霊山碑を建てた」
とのこと。
この頃から顕家の功績を見直す動きは出てたけど
やっぱり「明治」になるまで
それほど大きなムーブメントにはならなかった…と。
それにしても、なぜ松平定信が顕家を…
とは、思いました。
陸奥白河藩の藩主だったとはいえ
「南朝」側の顕家をたたえる碑文を建てるなんて。
陸奥白河藩には飛び地領地として
「越後国柏崎」がありました。
松平家は、定信の息子の代で
伊勢の桑名藩にお国替えになってるんですが
飛び地領地の柏崎は手放さなかったんですね。
柏崎の領地を携えて
伊勢桑名に移っています。
柏崎といえば、もう一つ。
霊山神社の初代宮司は
北畠通城という人なんですが
北畠家は江戸時代の初期に一度断絶しています。
それを、同じ村上源氏である久我氏が
明治に入って再興することになり、
久我通城→北畠通城と改姓し、
霊山神社の宮司になった…と。
この人は、宮司になる前、
柏崎県の県知事をしていました。
漫画の中にも「新潟」のことが出てきます。
北上家にまつわる重要な資料が
「なぜか新潟の豪商の蔵から見つかった」
というセリフがあって気になっていました。
北畠顕家の功績の見直しに貢献した
松平定信と、北畠(久我)通城。
二人とも「柏崎」と関係がある。
二人とも「南朝」に共感する立場(家系とか)にあったのだと思いますが
その南朝にとって、柏崎は重要な場所なのかもな、と思いました。
柏崎には原発があることも気になる。
若狭の原発銀座といい、
なんとなく、原発は気になってしまうんです。
そんなことを書いてたら
さっき若狭湾のある福井県で
震度5弱の地震があった…だと。
大きな被害がないといいのですが。
新潟ってそもそも不思議だな、と思っていました。
地域的に、どこに含まれるのか、すごく曖昧だから。
「甲信越」地方とよく言うけど
電気は東北電力管内。
でも、柏崎の原発は東京電力。
そして、防衛省の区分では
「北関東防衛局」の1都7県の中に含まれるそう。
まとめサイトでは
新潟県は「地理は北陸」、「経済は東北」、でも「防衛は関東」という県らしいです。
(https://matome.naver.jp/odai/2142407992657872101)
とあって、
やっぱり不思議な立ち位置だな…と思いました。
まあ、全部意味があるんだろうけど。
「南朝」にとって重要というより
対立するエネルギー、どちらにとっても重要だから
曖昧な立ち位置にならざるを得ないってことなんでしょうか。
…漫画の話に戻ります。
こちら↑、顕ちゃんと並ぶもう一人のイケメン、
久世鷹臣(33歳)。
何となく、霊山神社の久我一族がモデルになってる気がする。
久我氏は明治政府の内大臣を出してる家ですが
漫画の久世家も「元華族」という設定。
初対面で顕ちゃんと意気投合し、
北上家の事情を聞かされて
「オレが(顕定を)守るのか」
と、ごく自然に思って、それからずっと協力している…と。
北畠顕家の名誉回復にかかわった
久我一族の立ち位置とかぶると思うんですよねぇ。
それじゃあ、
女主人公「志のぶ」ちゃんは
どうなんだろう…となるわけです。
北畠顕家の奥方の家系とか調べてみても
いまいちピンとこなかった。
その後、ひらめいたのが
志のぶ→信夫
でした。
「信夫(しのぶ)」というのは
和歌で詠まれる陸奥(みちのく)の歌枕で
「信夫の里」「信夫山」などの形で詠まれてますが
一番有名なのは
百人一首にも選ばれてるこちらでしょうか↓
みちのくのしのぶもぢずり誰ゆゑに乱れそめにしわれならなくに
(陸奥国の信夫郡で作られる忍草のすり染めの模様が乱れているように、あなた以外の誰かのせいで思い乱れた私ではないのに)
信夫山は、
福島市の中心部にあるのですが、
北畠家の本拠地があった
伊達市の霊山からも、わりと近いです。
ヒロイン志のぶちゃんの名前は
ここから来てるのかも…?
漫画の舞台はほぼ銀座で
東北はサッパリ出てきませんが
北畠顕家といえば、
陸奥国司として津軽平定にかかわったりと、
やっぱり、東北とのつながりが濃いわけなので。
東北の歌枕、「しのぶ」が
ヒロインの名前になるのは、納得できる。(私が)
「東北とのつながり」といえば、
↑の和歌、
「みちのくの しのぶもぢずり…」の歌の作者は
源融(みなもとのとおる)、
百人一首の札では河原左大臣とされています。
源融は京都、鴨川(かもがわ)の六条の河原に別荘をつくり、それが河原院(かわらのいん)と言われたことから、融を河原左大臣(かわらのさだいじん)と呼ぶようになりました。
河原院と宮城県塩竃市
塩竃(しおがま)は松島湾にある名所ですが、融はその景色を河原院の庭園に再現したと言われています。
百人一首に採録された和歌も、東北の名産と言われる「信夫摺(しのぶずり)」をよんだ歌なので、源融は東北地方に縁のある人物だと言えますね。
確かに、「陸奥按察使」という
官職についてたことがあるみたいなので、
東北とのご縁はあったみたいですね…。
そして、源融・河原左大臣といえば
『源氏物語』の主人公
光源氏の実在モデルの有力候補だそうですよ!
北畠顕家に続いてまた一人、
歴史上のイケメンきたァァァ───!!!
もう、顕ちゃんがイケメン王子なのは
北畠顕家と、光源氏、
二人の実在のイケメンのご威光もあるのかもしれない…。
顕ちゃんには、
このままイケメン街道を突っ走ってもらいつつ
それでも、いずれは
「乱れそめにしわれならなくに」
(思い乱れてるのは、お前のせいだ)
…という、デレ展開希望!!
最後に、個人的に気になったところについて。
女主人公の志のぶちゃんは、
のだめと違って、わりと控えめな女の子なのですが
宝石の「オーラ」みたいなものが見える
不思議な能力があって
やっぱりちょっと「普通じゃない」ところがあります。
人の「念」みないなものが
石と共鳴する様子がわかったりするので、
鷹臣からはその能力を
「ホルスの目」と言われたりしています。
ホルスの目。
左目は「ウアジェトの目」とも言われ
全てを「見通す知恵」や
「癒し・修復・再生」の象徴とされた…と。
1ドル札なんかに印刷されてる
いわゆる陰謀論なんかでよく出てくる
「プロビデンスの目」も
この「ホルスの左目」なんだとか。
そして、この左目は、「月」を表すそうです。
で、ホルスの右目。こちらは「太陽」
そして、「松果体」を象徴しているんだとか。
ラーといえば、「太陽神」ですからね。
ここでも「日」と「月」が出てきます。
北朝・南朝の統合であるという「明治」と同じく
ホルスの右目と左目に関しても
どっちが善とか悪というのではなく
本来は両方そろって、バランスをとる…
それで、しっくりくるものなのかもしれません。
そうだ。
明治の話を聞いた後には
「子どもの松果体」にまつわる
衝撃的な話を聞いて
ショックを受けたこともあったのですが
それも結局、善悪では測れないことなのかも…
と、考えたりしていました。
そうして、過去に見たビジョンを思い出したんです。
数年前、ヒノデさんを寝かしつけながら
布団に横になってたときのことです。
閉じたまぶたの内側で
ライトグレー一色に塗りつぶされたような
画面が浮かんできました。
そのライトグレーの真ん中に
スッと横に一本の線が現れて
それがパチッと開いて、
目👁が現れたんですよ…。
ギョッとしました。
とっさに、「陰謀論とかで出てくる一つ目?」
くらいのことしか思い浮かばなかったので。
でも、不思議と怖い印象もなかった。
怖いと思っちゃいけないと
無理やり前向きにとらえてるだけかも、
とも思いましたが、
今になって考えると
やっぱり怖いとか、そういうことじゃないんだな、
という気がしています。
あのとき浮かんできた「目」が
右目か左目かなんて、確認もできなかったけど
右でも左でも
北でも南でも
日でも月でも
どっちが良いとか悪いわけでもなく
どっちが大事というのでもない。
両極のバランス。
ライトグレーの画面だったのも
「白でも黒でもない」
というメタファーだったのかもしれません。
白でも黒でもない、ライトグレーの中心で
パチッと開いた目。
何となく、自分の中で腑に落ちました。
あとは、心置きなく
今後の『七つ屋志のぶの宝石匣』の
ストーリー展開を楽しもうと思います。
1冊出るのに、すごい時間かかるのが辛いけど…。
ちょいちょい進展してはいるんだけど
いまだ決定打には欠ける、
志のぶちゃんと、顕ちゃんの
絶妙な距離感がたまらない…。
本人同士も、お互いの距離感を計りかねてる
その、もだもだ感がね…。
とりあえず、次の巻が出るのは来年かな~。
最後の最後。
漫画読むなら、やっぱりイケメンが見たいと
改めて思ったわたしですが。
「イケメン」とか「美女」の基準って
時代ごと、国ごとでだいぶ違うんですよね…。
それは知ってた。
うん、知ってたけど。
当代きってのモテ男、色男といわれた
『源氏物語』の光源氏。
そのモデルと言われた
河原左大臣の姿絵がこちら↓
安西先生…イケメンが見たいです…
(だって、眼鏡かけたら安西先生そっくr)
融さま、ごめんなさい。
イケメンが見たいだけなんです。
現代風の(というか、自分好みの)イケメンが。
北畠顕家の肖像は、まぁまぁなんだけど…
多分近代になって描かれたからなんだろうなー。
1000年後のイケメンは
どんな感じなんでしょうかねぇ…。