福井県に行ってきた!…ただし、ちょうど1年前の話。 | ヒハ ノボル

ヒハ ノボル

発達凹凸ありの小学生男子の母です。
生まれは関西、ほぼ東北育ちで、今は関東在住。
漫画好き。最近の趣味は、フラワーエッセンス。

 

去年のGWに、車で8時間くらいかけて

福井県に旅行に行ってきました。

人生初の、北陸。

 

いやー…。

今年だったら、もう絶対無理でしたね。

ちょうど出発が去年の5月1日だったのですが。

 

令和元年初日に福井県入りするって

一体どういうめぐり合わせなんだろう…と今でも思いますが

まあ、そういうことになってたんだろうと思います。

 

旅のきっかけは、たいてい夫の思いつきなんですが、

福井旅行も、夫が

 

 

 

「ヒノデは恐竜が好きだから、福井県恐竜博物館に行こう☆」

 

 

 

と、突然言い出したのです。

(実際には、恐竜ブームはだいぶ下火だったんだけど)

 

 

そんなこんなで、3泊4日の旅のメインは

福井県立恐竜博物館。

 

朝は、開館の1時間以上前から並んで

予約していた「化石発掘体験」にも参加。

充実の時間を館内で過ごした…というほどでもなく(笑)

 

入場早々、スピノサウルスのフィギュアが欲しい!というヒノデさん、

それまでも「まずはミュージアムショップ」ということが多かったので

とりあえずスピノのフィギュアを買って館内を回り始めたものの

かなり早い段階で飽きました( ゚Д゚)

 

「またかァァァァァ!!!」という感じではありましたが

まあ、あの恐竜博物館、とにかく広かったので

集中力が続かなかったのかなぁ、と…。

でも、楽しんでなかったというわけではないので、良しとします。

 

 

 

 

この他、永平寺、東尋坊、

白山のふもとの温泉宿に泊まったり

帰りは岐阜の白川郷にも立ち寄り

全て夫のお任せプランでしたが

かなり充実した旅になりました。

 

が。

 

私にとってのメインは

 

 

・若狭彦神社(小浜市)

・若狭姫神社(小浜市)

・芳賀寺(小浜市)

・明通寺(小浜市)

・闇見神社(若狭町)

 

 

の五つでした(笑)

 

 

 

 

ヒノデさん、

文句(もー!またお寺なの??)言いながらも

つきあってくれてありがとう…。

 

神社やお寺以外に用がないにもかかわらず、

小浜まで運転してくれた夫にも感謝。

 

横に長~~~い福井県。

同じ県内といっても、私の行きたかった場所と

永平寺や恐竜博物館は、かなり離れてるんです。

確か移動だけで2時間くらいかかったんじゃないかな…うろ覚えだけど。

 

 

以前は、福井県の位置もよくわからないくらい

北陸は縁遠い場所だっと思ってたのですが

一昨年くらいから、「若狭」という単語が目につくようになり

なぜか、自然と福井県旅行までする流れになりました。

 

 

最初に、「若狭」が気になったのは、福井のことではなく

阿刀田高さんの、この↓小説。

 

リスボアを見た女

 

 

 

 

阿刀田高さんの本は、写真にもうつってる

『ギリシア神話を知っていますか』

『新約聖書を知っていますか』

が、わかりやすくてお気に入りです。

聖書やギリシャ神話に興味があっても、

聖書丸ごと一冊とか、例えば岩波文庫のギリシャ神話の本とか

もう読んでも全然頭に入ってこないんだけど

これならわかりやすいし、楽しく読める♪と、思ったからでした。

 

解説本以外に、短編小説もいくつか読みました。

『リスボアを見た女』もそのひとつです。

これ、確か最初は古本屋で見つけて

「仕事の移動中にでも読んでみよう」と思って買ったんだけど

読まないまま数年経ち。

結婚して、一度は古本屋に持っていこうとしたものの思いとどまり

ずっと手元に残しておいた本でした。

 

小説の内容は、(裏表紙より)

 

天正の少年使節団や支倉常長より早く、当時の大国ポルトガルの都リスボア(リスボン)を訪れた日本人がいた。種子島の鍛冶の娘で、伝来した鉄砲の製法と引き換えに、人身御供同様に嫁がされたのだった。彼女の名は“はな”、ポルトガル人にはアンナと呼ばれた。 ──歴史の現場に立ってみようとふと島を訪れた男の目に、初恋の淡い思いでに重なって、歴史に呑み込まれた悲劇の女たちの姿が現れる。

 

ということで、1543年と言われている

種子島への鉄砲伝来にまつわるお話です。

 

鉄砲の製法をポルトガル人から教えてもらう代わりに

身御供同様に嫁がされた、“はな”という名前の女性…とのことですが

これは、おそらく作者の創作だろうと思います。

 

実際には「若狭姫伝説」として伝わっていて、

種子島の刀鍛冶だった八板金兵衛の娘だっされています。

主人公の男性が、忠実に史料を追いながら、やがて

 

「若狭は複数いたのかもしれない」

(ポルトガル人に引き渡された女性は複数いたのではないか、ということ)

 

「種子島の女性ではなく、例えば薩摩半島などの開けた町からさらわれてきたのでは」

(自分の娘を差し出す、というより、娼婦などをさらってきて差し出したのではないか)

 

と思うようになります。

若狭姫伝説は、絵画や小説・舞台などの題材として色々取り上げられていますが

その多くは「親孝行物語」として、

あるいはポルトガル人とのロマンスとして描かれています。

実際、西之表市にある若狭の墓には、

若狭忠孝碑」と彫られていて、

親の仕事のため異国人に身を差し出した孝行娘をイメージさせます。

若狭姫伝説を元に作られた昭和の映画では

やはり娘とポルトガル人の間にロマンスがあったと表現されています。

 

でも、当時の世相からいって、

そんなに甘いものではなかったろう、ということ。

 

また、若狭姫伝説はもちろん

鉄砲伝来にまつわる話には曖昧な点も多く

本来の出来事はあまり公にしづらいものだった可能性がある…

例えば、実際にポルトガル人に差し出されたのは

無理やりさらわれてきた、

身元の保証されない娼婦のような立場の女性で、

しかも複数人いた…など。

その他、実際には「リスボアを見た」という事実さえなく

行ってもせいぜいマラッカあたりまでだったのでは…と推測しています。

 

 

いずれにせよ、若狭姫伝説として伝わっている話の裏に

作者の阿刀田さんは

歴史に呑み込まれた悲劇の女たちの姿」を見ていたのだと思われます。

そして、この種子島に伝わる「悲劇の女たち」の総称として「若狭」の名が伝わっている。

 

小説の中でも、「若狭といえば福井だろう」というのが出てきますが

本当に若狭という名前だったのか、

違うならなぜ若狭と伝わったのか、そのことには触れられていません。

でも、阿刀田さんも「福井の若狭」とのつながりを気にされていたのか

別の小説で「佐保姫伝説」というのを書いています。

佐保姫とは、古事記にも出てくる女性で

彼女は福井県の若狭町にある「闇見神社」にまつられている

沙本之大闇見戸賣命(さほのおおくらみとめ)の娘です。

垂仁天皇のお后で、兄の佐保彦と夫の間の戦争に巻き込まれ

結局、天皇の子を産んだあと、兄とともに亡くなった…とされています。

 

その佐保姫ともつながる闇見(くらみ)神社に

去年の旅行で行ってきたので、

その神社については、また別の記事で書いてみようと思います。

 

 

なんか話がそれましたが、

とにかく、この小説を起点として

これまで興味を持っていたいろんなことがつながって

不思議なご縁を感じているんです。

 

例えば、種子島にも福井の若狭国にも、竜宮伝説があり

それが宮城県にも関係してそうなことがわかってきました。

県名からして竜「宮城」ですね。

 

それに、この小説のタイトルである「リスボア」。

ポルトガルの首都リスボンのことですが、ここは北緯38度。

私が住んでる街と同じ緯度です。

もう二十年も前のことでしょうか。

テレビの旅番組でポルトガルが紹介されていました。

それを見て、無性にメモを取りたくなり

 

ロカ岬

サン・ロッケ教会

アズレージョ

 

これを、忘れないようにメモしたんです。

メモはとっくになくしましたが、ずっと記憶に残っていました。

これ全部、リスボンに関係しています。

細かく調べると、さらに天正少年使節団や

ちょっとスピ寄りの話になりますが、アトランティスの話なんかにつながります。

 

 

小説の話からは離れますが、

他にも若狭地方には東北とのつながりを示すものがあります。

去年の旅行で行ってきた、羽賀寺明通寺です。

 

羽賀寺は、何度目かの焼失のあと、1436年、

「奥州安倍氏後裔を称する安倍康季(安藤康季)が再興した」

とされています。

奥州安倍氏は、アビヒコを祖としているということですが

アビヒコ(安日彦)というのは、

神武天皇に殺された畿内の王・長脛彦(ナガスネヒコ)の兄です。

ナガスネヒコが討たれたあと、東北に落ちのびたと言われています。

(実はナガスネヒコも生き延びて、一緒に津軽に行ったという説も)

そこから、「奥州安倍氏は、アビヒコを祖としている」という話になります。

秋田と青森の秋田氏・安東氏もこの系譜になります。

 

 

また、国宝でもある明通寺は、

蝦夷の英雄・アテルイを偲んで

坂上田村麻呂が建立されたと言われています。

 

この2つも、去年の福井旅行でどうしても行っておきたい場所でした。

 

 

この他、気になるワードとしては

若狭湾沿いに、たくさん建設されている、原子力発電所。

若狭湾は「原発銀座」とも呼ばれるくらい

原子力発電所が密集していますね…。

 

そして、若狭湾にある、冠島・沓島。

これらは、大本教では「艮の金神」に関係していると言われている。

艮の金神は国常立尊のことと言われてますが、

東北と縁が深いという話を、最近になってよく聞きます…。

 

 

 

 

 

個人的に気なるワードを集約したのが、若狭国という場所なんだけど、

いろんなことがつながりすぎて、結果どういうことなのかよくわかりません(笑)

 

でも、とにかく去年福井に行けてすごく良かったこと、

そのとき色々調べたんだけど、時間とともにどんどん忘れていってるので

一年も経っちゃったけど、思い出したことや新たに調べたことを

備忘録的に残しておくことにしました。

 

マニアックなので興味ない人には退屈でしょうけど

そんなわけで、何回かに分けて、しかも多分休み休み、

福井旅行の記事が出てくると思います~