大人になってから母に聞いた話で、私は幼少期、恐らく幼稚園に上がるか上がらないかくらいの年の頃だったと思いますが、母に、「お母さんのお腹の中からずっと見ててん」と言ったことがあったそうです。
母が、どうせ子どもが適当に吐いた嘘だろうと思い、半分は揶揄うような気持ちで、「どっから見てたん?」と聞くと、「おへその穴から」と私が答えたので、「何が見えたん?」と重ねて聞いてみると、そのときの私の答えが思いもかけないものであったにもかかわらず、確かに母にとっては身に覚えのあることでもあったので、「何で知ってるん?!」と、とても驚いたと言っていました。
そして、思わず自分の子どもながら、そんなことを話し出した私のことを「気持ち悪っ!」と思ったと、正直に話してくれました。
今は胎内にいたときの記憶を親御さんに話すお子さんも珍しくないようですが、今から30年以上前の当時は、まだSNSもなく、一般家庭にインターネットが普及していなかったこともあり、他のお子さんの体験について見聞きする機会もなかなかなかったため、そんなことをいきなり言い出した私に、母がびっくりして思わず“気持ち悪い”と思ってしまったのも無理はなかったと思います。
このときのことは、私もうっすらとですが覚えていて、それは、私にとっては母の胎内に入る前の記憶とも重なるものでした。