プラズマニア第12回公演
『深海シティアンダーグラウンド』
生活支援型文化施設コンカリーニョ
2013.04.27昼公演
祭の準備が進む会場に迷い込んだナルシマ(熊谷嶺)。
集まっている人々を眺めていた彼に話しかけてきた男(深浦佑太)に、既視感を覚える。
『前に会った事がありませんか?』
ナルシマの問いをはぐらかし、男はナルシマが知りたかった祭の由来について語り始める。
昔あったという海の底のもう一つの世界。崩壊の危機にあった名も無き世界。その物語を名付けて『深海シティアンダーグラウンド』。
名も無き世界は大部分が霧に覆われていた。触れたものは消滅すると言われる霧に覆われていないのは、最早高い壁の様なシェルターに囲まれた首都と、産まれた土地を離れられない者達が暮らす集落だけになっていた。
ある日集落に一人の見知らぬ若者(熊谷嶺)が現れる。記憶を失っている若者を、ドウジマ(櫻井保英)達はより安全な首都へ送り出す。
首都を治めるキリジョウ(谷口健太郎)の執務室では、集落に食料を配布するかが議論になっていた。
集落の民も国民だと言うキリジョウとカンザキ(深浦佑太)に対し、首都の庇護下であるシェルター外にいるのだから、支援は不要だと言うキリジョウの弟タカヤ(大島宏太)。
食料問題を保留にし、カンザキは古文書の解読したものを読み上げる。
世界は千年に一度滅びる。滅びの兆しには霧が現れ、『使い』が滅びを宣言する。
50年程のずれがあるものの、一定期間で世界は滅びると言う。
途中、モチヅキ(青野さゆみ)が、若者を連れて来たため、キリジョウは若者と面会する事に。
タカヤとクロガネ(太田真介)が退室した所で、若者が連れて来られるが、キリジョウは若者を首都で受け入れる事を決める。
そこに突然『使い』アリサト(原彩弓)が現れ、世界の滅びを宣言する。
時折記憶が戻りそうな様子を見せる若者に、キリジョウはカンザキとハナムラ(世戸唯己)に王宮内を案内するように命じる。
若者達が、建物内を巡るうち、高さが200メートルある塔の下に辿り着く。
二年前から立ち入り禁止になっている塔に上りたがる若者に、カンザキは若者を誘いながら、何故キリジョウが塔を立ち入り禁止にしたかを語り始める。
二年前、霧の侵食が深刻になり、キリジョウは霧を食い止める対策に追われていた。
キリジョウには幼い弟タカヤの他に妹チドリ(森高麻由)がいたが、チドリには王族であるが故に同年代の友人は居らず、いつも一人ぼっちで過ごしていた。そんな彼女のお気に入りの場所が塔の上だった。
いつの頃からか、チドリは塔の上で他の者には見えない友達と会う様になっていた。
ある日、王宮に勤めるサクタ(寺地ユイ)が幼馴染みで集落に暮らすアキヒコ(遠藤洋平)にねだられ、王宮内を見せている所をチドリに見付かってしまう。
物怖じしないアキヒコを気に入ったチドリは、直ぐにアキヒコと仲良くなり、サクタに時々アキヒコを連れて来てくれる様に頼む。
首都に行った事が兄ドウジマにばれ殴られるが、アキヒコはそれからもチドリに会いに塔に通い続ける。
キリジョウは多忙の余り妹弟に構えない日々が続いていた。
キリジョウの身体を心配するチドリは、余裕の無いキリジョウに叱責され、言いたい事を飲み込む様になる。
一方、首都も集落も関係なく生きていきたいアキヒコは、集落に執着する兄と衝突を繰り返していた。
生きたいように生きていけないチドリとアキヒコは、ついにキリジョウとアマギ(吉田諒希)の目の前で塔から身を投げてしまう。
チドリの葬儀の後、三日間キリジョウは塔に籠り、チドリが生前キリジョウに訴えていた言葉を噛み締める。
それが二年前にあった事。
キリジョウからアキヒコの遺言を聞かされたドウジマだが、首都と集落の溝は深くなる。
アマギは王宮勤めを辞し、集落に移る。
食料問題が大きくなってきた集落では、オダギリ(井上嵩之)の首都への不満がドウジマでも抑えられなくなっていた。
イオリ(能登屋南奈)の過失から、集落に火薬があると知ったオダギリは、イオリから火薬を入手し、単身首都に乗り込んで行ってしまう。
イオリから話を聞いたドウジマ達はオダギリを追うが、首都ではオダギリがタカヤを捕らえ、塔に上がっていた。
キリジョウとドウジマの懇願も虚しく、滅びに向かう世界を悲観したオダギリは、タカヤを道連れに塔から落ちて行った。
集落に戻ったドウジマは、再び首都に討って出る決意をする。ドウジマは集落をサトナカ(喜井萌希)に任せ、イオリを連れて首都に向かう。それを追いかけるアマギ。
首都でドウジマの動きを知ったキリジョウは、シェルターの扉を全て解放する様に命令する。
途中クロガネの相手をイオリに任せたドウジマは、キリジョウと剣を交える。二人の闘いを若者が止めに入り、世界が滅ぶのは自分のせいだと言う。
記憶を取り戻した若者は『使い』ナルシマ。滅びを宣言する『使い』は、一人とは限らない。
そしてチドリの見えない友達こそ、ナルシマだった。チドリと出会った事で、ナルシマは人間の心に触れ、世界を終わらせる事に疑問を抱く様になっていた。
ナルシマが決断すれば世界は終わる。だが、キリジョウ達は必死に世界の崩壊と戦っている。
世界を滅ぼす事は『正しい』事なのか……?
そこにカンザキが霧に対抗する手段を得て現れる。
霧は負の感情を受けて増殖するので、それを食い止めるために正の感情の叫びを大勢で挙げて霧を退ける、と言う。
首都の人間も集落の人間も集まり、力を合わせて霧を首都から退ける事に成功する。
ナルシマはアリサトに頼み、世界の滅びの決断を保留する。
首都と集落の人間が、仲良く建国祭を楽しむ様子を眺める、キリジョウとナルシマ。
チドリの友人は自分の友人だと言うキリジョウとナルシマは握手する。
『深海シティアンダーグラウンド』の話を語り終えた男は、ナルシマに尋ねる。
『この世界は滅びますか?』
それに答えるナルシマ。
『滅びません』
満足そうに微笑む男。
二人の元に男の仲間が集まり始める。
見覚えのある彼らの顔を見たナルシマは、足りない顔を探して『これだけですか?』とつい言ってしまう。
そこに彼らを追ってきた少女が現れ、ナルシマに手を差し出す。
『私と友達になろうよ』
少女の兄がナルシマを小突いて言い放つ。
『諦めなくて良かったろ?』
楽しい祭の晩は、これから始まる。
ざっくりと粗筋。
場面が上演順と多少前後しているかもだけど、解らなくなっちゃうんで(本当はもう少し首都と集落シーンが交互に来る)。
見終わって気付くのは、ナルシマは人ではないから、世界が変わっても生き続けていて、生まれ変わった名も無き世界の人達と再び出会っているんだよな、と。
で、名も無き世界の人達も記憶を継承したまま生まれ変わっているんだよね。
『諦めなくて良かったろ?』
っていう台詞に、ナルシマはどの位彼らを待ったのかなと思うと、泣ける。
二年半振りのプラズマニア。溢れんばかりの勢いと音と光とダンスはやっぱり良いなあ。
プラズマニアは多分上演台本出ないんだよね。出たら欲しいんだけど。
しかしこんだけ人数いる芝居だと、本当だったら何度か観たいし、DVDあったら隅々まで繰り返して観ちゃう話だよ。
見逃した場面一杯ありそうなんだもん。舞台全体でいろんな事やってくれちゃってさ。目が足りないよ!
次回のプラズマニア公演を楽しみにしてる。
プラズマニア第12回公演
『深海シティアンダーグラウンド』
【脚本・演出】谷口健太郎(プラズマニア)
海の底には昔、もう一つの世界があった。
どこか見覚えのある男が語り始めたのは、その世界の崩壊の話。
それは、遠い遠い記憶の話。
2年半ぶりの、勢いと疾走感溢れる若手の祭典。プラズマニア、復活!
『例え世界が終わっても、僕は君に会いに行く』
【出演】
谷口健太郎……キリジョウ
深浦佑太(ディリバレーダイバーズ)……カンザキ
大島宏太……タカヤ
森高麻由(COLORE)……チドリ
太田真介……クロガネ
世戸唯己……ハナムラ
吉田諒希(北海学園大学演劇研究会)……アマギ
寺地ユイ……サクタ
青野さゆみ(演劇集団遊罠坊)……モチヅキ
喜井萌希……サトナカ
櫻井保英(yhs)……ドウジマ
井上嵩之(劇団しろちゃん)……オダギリ
能登屋南奈(劇団パーソンズ)……イオリ
遠藤洋平(北海学園大学演劇研究会)……アキヒコ
熊谷嶺……ナルシマ
原彩弓(おかめの三角フラスコ)……アリサト
【ダンサー】
下山美里
国門綾花(COLORE)
藤島龍之介(COLORE)
蝦名里美(COLORE)
藤原鑑
仲野圭亮
佐藤紫穂(Bee-Hive)
木村愛香音
花岡領太
伊藤麻実
國嶋朝生
OPダンス曲
『深海シティアンダーグラウンド』田中B