小学4年生が終わった春休み、
私たち一家は千葉から神奈川に引っ越しました。
妹二人は手伝えないから、母親の実家に預けられて・・・
私一日だけ、一人っ子になったんです。
凄く嬉しかった。母親も父親も独り占めできて。
その日は、両親と私でちょっと贅沢して焼肉食べて、
普段は絶対買ってもらえない「リボン」って少女雑誌を買ってもらって、
少し甘やかしてもらった一日でした。
鮮明に覚えている、その記憶。
子供って、親が思っていない、考えもしない思いを
ずっと大事に持っていたりするものなんですよね・・・。
親にとっては何てことない一日。
きっと記憶にすら残っていない一日。
でも私には、焼肉でついた匂いとか、
その日の漫画とか、なんだかずっと残っています。
妹が出来て、その度にお姉ちゃんになっていって、
だんだんお姉ちゃんだからって放って置かれて、
そして時には妹の面倒を見て・・・
なんだか、物だけでなく愛情も取られていっている気分でした。
いい子でいると、褒められるんです。
頑張ったね~って言ってくれるんです。
そしてだんだん成長してくると、妹たちが自由に好きなことをし出し、
私に母親が愚痴というか・・・困ることを話したりしだします。
思うようにいかなくて困っていることを私に話します。
そうすると、聞いたようなことが親を困らせる・・・と思うと、
いい子でいた時や頑張った時に愛情を貰えるかの様に
錯覚している私は、さらに道の真ん中を歩こうとします。
別に親が強制したわけでもないのに、自らそうやって歩いてる。
そんな風にして大人になっていました。
なんか苦しい・・・と気づいたのが、28歳。
離婚する間際でした。もう、いい子でいるのが疲れた。
離婚するようなダメな子、親が望むような私じゃなくなるけど、
愛してくれるのかな~って、離婚騒動の中思いました。
離婚はもちろん自分の責任です。
私が引き起こしたことです。
でも、ちらっとそんなこと思ったな~って。
私、自分のものは自分のもの。
気安くあげたり、貸したり、そんなことできない。
好きなものなんて、自分で食べるんだって、
そんな感じでした。
ものすごく、いろんな物に執着があって・・・。
大きくなったら、絶対フルーチェを1人で食べる!
っていうのが夢だったくらい。
それくらい、分けずに1人で食べてみたいって思っていました。
ここ最近、物を捨てて片付けたり、食べ物もお肉をやめたり、
いい物を少しだけ、必要な分だけってしていくうちに、
少しずつ溶けてきている気がします。
まだまだ全然だけど、これ美味しいよ~ってあげられる。
そんな感じに少しだけなれて来たかなって思います。
最近、よく小さい頃のこと思い出します。
いいことも悲しかったことも、たくさん思い出します。
私、小さい時の記憶ほど、よく残っているんです。
瞬間瞬間が写真のように、切り取られて残っています。
今思えば、親も、親になり立てだったこと。
子育て、始めてだったこと。
そう思うと、仕方ないのかな~って思います。
自分の感情、自分の執着。
それはやっぱり今の私が、私のために、
必要ないと思ったら整理して捨てていくしかないのかなって思います。
そういう小さい欠片、きっとまだたくさんあるんだろうな・・・。
一つ消えては一つ現れ、でも向き合っていったら、
その内きっと少なくなっていくと思います。
なんだか、ちょっとそんな風にいろいろと考えた日でした。
懐かしいな~、その当時のあの頃の私。
とても愛おしいです。小さいなりに、一生懸命だったね~。
それでOKだったんだよ!
そう言ってあげたいなって思います。
今日は、インナーチャイルドの私に会いに行こうかな。
頑張ってたねって言ってあげに・・・。