非正規労働者が増えたのは、減少した農家や個人商店などの自営業者と家族従業者の受け皿となったことが大きな原因―。厚生労働省は30日に公表した「労働市場分析リポート」で、1984年から30年間の正規・非正規労働者の動向について、こんな分析結果を示した。
総務省が同日発表した2014年12月の労働力調査では、非正規の人数は84年(604万人)の3倍以上となる2016万人に膨らみ、役員を除く雇用者に占める割合は38%(84年は15.3%)に拡大した。
リポートは自営業者などを含むすべての働く人(就業者)に占める正規・非正規の割合に着目。それによると、正規労働者が就業者に占める割合は30年間で60%から52.3%に低下しただけで、人数も3333万人から3294万人へのわずかな減少にとどまっていた。
一方、産業構造の転換で自営業者・家族従業者が占める割合は大幅に低下。就業者全体の人数も増える中で、減少した自営業者・家族従業者の受け皿となる形で非正規の人数・割合が拡大していることが確認できた。
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