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Killing time

よくわからないようなことをちょこちょこ呟くだけ。
小説を書いては消してをしているかも


自己満足の為に書いているので、ペタは出来るときにしかできません。

ライーナと関係を持ってもらったドォルちゃん(よそのお子さんです)との出会いを書いてみたんだ!

ロリドォルちゃん天使っ!!

と思いながら書いたはずなんだけど、どうしてこうなった(´・ω・`)







ふぅ、と親に気がつかれないように背に隠れて息を吐き、にっこりとした笑顔を作ってから親の前に出て挨拶をする。もう笑顔を作って挨拶するのに飽きてきたけど、ここにいる人達は私達家族が裏では泥棒をしていることをしらないのだ。少しでも好印象を与えておくと、いざ警察に疑われた時に助けをこえば助けてもらえる可能性が増える。だから、これはやらなければならないこと。

そう自分に言い聞かせて、疲れてきた頬をさすりながら両親のあとに続く。

ちらほらと自分以外にも両親のあとにくっついている同世代ぐらいの子供たちがいるが、私ほど笑ってない。さっきまでは近くにいた白も両親に楽しんでこいと言われて少し遠いところからこちらをチラチラとは見ているけれど、目の前の料理に完全に気を惹かれてしまってしばらくは戻ってこないと思う。私もお腹すいてきたなぁ……。マナーは来る前に頭に叩き込んできたらしいからマナー違反は起こさなそうだ。

両親の歩幅に合わせて歩きながらあたりを見渡すと薄ピンクのリボンで髪をポニーテイルにして、水色よりも少し薄い水色をしたドレスを着ている一言で表すならお人形さんみたいな女の子が壁に寄りかかって立っているのが見えた。年は私と同じが少し上ぐらいだろうか。

父親の裾を引っ張り、下から見上げると意思が通じたのか手であっちいけと言われた。少しムカついたので指で強く突っついてからそばを離れた。


「こんにちは」


にっこりと作り笑いをして声をかけると女の子はお嬢様がよくするスカートを少し掴んで頭を下げるポーズで挨拶をした。見事。お嬢様らしいお嬢様のようだ。余計ドレスが似合って見えてくる。

なんか遠くからお嬢様はできないのに……みたいな目線が向けられているけれど無視する。


「ねぇ、なにかしてるの?」


「なにもしてないわよ」


あたりを見渡していたけどただ見てただけってことかしら。パーティーなんて子供は話が終わればすることもないだろうからまぁ、普通なことだと思う。

近くにいたスタッフからソフトドリンクを二つ受け取り、片方を笑顔で差し出す。


「私は××っていうの。あなたはなんていう名前なの?」


媚を売るのはもう癖だ。


「波瑠琶ドォル!」


ドォルは笑顔でグラスを受け取ると名乗った。確か、挨拶した大人にそんな苗字の人がいたような気がする。ちゃんと聞いていなかったからうろ覚えだけど。

日本人、なのだろうか。だとしたらはるばるこんな遠くまで飛行機できたことになる。ただのパーティーのためだけにご苦労様だ。日本人なら私より年上か、アジア系の知り合いがいないから年齢の予想がつけづらい。でも、相手も私の年はわからないのだし、呼び捨てでも構わないだろう。


「よろしくドォル!」


笑顔で手を差し出すとドォルも笑顔で手を差し出し握手をした。




というのが私とドォルの幼少時代の出会いだ。次のあったのは日本で開かれたパーティーだった。それ以降も何度もパーティーで出会い、徐々に仲良くなっていった。

私は体が育っただけで中身は変わってないとよく言われるけれど、ドォルは随分変わってしまった。私とは違って中身がとても。昔は大人びてはいたけれどもう少し表情があったし、話し方ももう少し抑揚があった。でも今は随分と落ち着いてしまって子供らしさはもうない。

変わらないところもあるけど。


「随分と変わったわよね、ドォルは」


紅茶を一口飲み、マカロンを口にする。パリパリとした食感とふわっとしたクリームのすごく紅茶に合っておいしい。


「あなたは変わらなさすぎね」


紅茶を優雅に飲みながら言われる少しキツめな言葉はいつものことだから特に気にする必要もない。こういうところも彼女は変わった。子供の頃はちゃんと日本人の言葉で言うと、ちゃんとデレがあるツンデレだった。のだけど、今はデレがないツン。ツンツン。これはこれで萌えるのかしら?

ドォルであることに変わりはないし、嫌いになるはずもなく今でもドォルは親しい友人だ。というか友人でなかったらお茶になんて誘わない。一人でいる方が色々考え事もできるし楽だから。

追加で運ばれてきたマカロンを一つとって二口に分けて食べてから、ドォルの顔を正面から見る。


「そうね、それは自分でも思うわ。でも、こうじゃなかったら私じゃないじゃない?」


いつもの一人称を言いそうになるのを耐えつつ、組んだ手に顎を乗せて笑顔でそういう。

顔を歪めるでもなく、無表情でマカロンを食べたドォルは紅茶をカップに注ぎ、一口飲むと目を閉じて、そうね、と呟いた。


「でも、恥じらいぐらいは持ちなさい」


「持ってるわよ恥じらいぐらい」


「その格好でよく言えるわね」


そう言われて思わず息を詰める。確かに制服だけど第二ボタンまで開けてるし恥じらいを持っているようには思えない。ハレンチだと言われる格好であるのは確かだ。


「で、でもあるのよ! 好きな人の前ではきっと!」


「好きな人以外の前でも持ちなさい」


 こういうところもほんと変わったわよね……。


気を落ち着かせるために紅茶をぐっと飲む。昔のことなんて思い出すんじゃなかったわ。

マカロンをぽいっと口に放り込んでむしゃくしゃと噛む。二口に分けてチョコ味のマカロンを食べたドォルは最後の一口の紅茶を飲んで、ゆっくりと立ち上がった。


「これから用事があるの。失礼するわ」


返事を聞く前にドォルはさっさと行ってしまう。まだマカロン残ってるのに勿体無い。

残りのマカロンを頬張りつつ、伝票を確認しようと手を伸ばしたが、肝心の伝票がない。店員が運んできたときはしっかりあったのに。机の下を見てみたが落ちてるわけでもない。レジの方を見てみるとドォルが丁度財布をしまったところだった。なんていうタイミング。


「……そういうお姉さんぶるところは変わってないのね」


歳は一歳しかかわらないのだけれどなにかと、そういうところがあった。さすがにもう私に可愛げなんてないし、さすがにしないだろうと思っていたのだけどそんなことはなかったらしい。というか癖になってるのかしら。

残りのマカロンを残すのは勿体無いし、もう少しゆっくりしていても問題ないだろう。店から出て行ったドォルが丁度窓から見える。家事のせいで家族を失ったと聞いたときはかなり心配したけれど、さすがというべきか横顔からは弱っている素振りは見えない。


「Chi trova un amico trova un tesoro.」


自然と呟いていた母国のことわざに苦笑して、残り一杯の紅茶を飲み干す。


「ドォルにどうか、神のご加護を」


 そして彼女に幸せを。






Chi trova un amico trova un tesoro=友に巡り会えた人は宝を手に入れたも同じ