Killing time -27ページ目

Killing time

よくわからないようなことをちょこちょこ呟くだけ。
小説を書いては消してをしているかも


自己満足の為に書いているので、ペタは出来るときにしかできません。

この間あげた設定を元に色々変えてつくったもんだよ。

面白いか、面白くないかはわからないヨ。疲れたヨ。ストーリーまとめは最後の方にあります。そこを読んでから読んでもいいよ、自由にして疲れた_(:3 」∠)_







人生はクソゲーであり神ゲーだ。

未来というものを犠牲にして、部屋にこもり好きなことにかぶりつくことができるという点では神ゲー。部屋から出たらクソゲー。俺の中ではそういうことになっている。部屋にいる間はヘッドフォンをして、周りの音を完全遮断していれば余計に神ゲー感が増す。

作業化している徹底深いレベル上げを行ってからのフロアボス対戦を終わらせ、一息ついてからデスクトップに戻る。さて次はなんのゲームをしようかと、悩んでいるとメールが届く音が聞こえた。

どうせゲームの期間限定ステージを知らせるようなメールだろうと、開くと予想とは違い新たなゲームのお知らせメールだった。

開いてみると、まず最初に珍しい髪の色をしたかなりの美少女ロリと、その隣に立つ眼帯、手袋、包帯、その上フードを被っているという中二病要素満載の銀髪な美少年の絵があった。少女と同じぐらいの美少年だがやっぱり青年よりも少女に目を向けてしまうのは仕方ない。別にロリコンってわけじゃない。

スクロールしていくと、ストーリーらしきものを見つけた。

青々と美しい木々、魚達を上から見ることができるほど透き通った海、果てしなく広がる美しい空に囲まれ、様々な生き物が生きる世界、ルーファル。最も深いと言われる海の最も近くにある東の国、海にちなんで、名をマリンという国で、君は王族として生まれ、今年で18になるところだった。だが、魔族の呪いにより記憶を失ってしまう。その記憶を取り戻すには、自らの手で魔族を倒さなければならない。父である王に、旅に出ろと言われるが。

その時点で切られ、続きは見当たらない。ミスかと思ったが、そうではなくそこから物語が始まるらしい。

このゲームはすべて君の選択で決まる。旅に出るか、それとも出ないのか。誰を救うか、誰を見捨てるか。どう戦うか、どう死ぬか。すべて君次第。クソゲーになるも、神ゲーになるも、もちろん君次第だ。さて、ゲームを始めようか? 

と下に書かれているおかげでわかった。その下には、

はい/いいえ

と選択肢があって、さっきから何度も出ている言葉を借りていうと、これも俺次第なんだろう。

丁度いい、作業ゲーになってきたゲームに飽きていたところだ。つまらなかったらすぐにやめればいい。



人生に暇をしていた。

お金持ちと周りから羨ましそうな目を向けられることにはもううんざりだし、なにより自覚を持てと毎日毎日親から言葉で拘束される。こんな家になんて生まれたくなかったと唇を噛み締めてしまうのは、仕方ない。周りからは甘えた事を言ってと叱られても、私の考えは変わらないだろう。

そういえば、と、クラスメイトの男子が人生クソゲーと笑いながら言っていたのを思い出した。

まったくその通りだ。こんな人生クソゲー。別の世界へ行きたい。行って、普通の家庭に生まれて自分の才能を活かせる職に就きたい。

だなんて思ってみるけれど、到底無理な話だ。まだグチグチと無駄口を叩いている母親の言葉を聞き流し、スマホに触れる。背を向けて無駄口を叩いているので、こっちは見えていないし、音さえ立てなければ問題ない。マナーモードにしてあるしロック解除の音も鳴らない。

ただスライドするだけのロックを解除すると丁度メールが届いた。メールアドレスを交換しているのは家族だけだからどうせ迷惑メールかなにかだろうと思いつつも、一様確認する。

差出人は不明。件名は異世界へゴー!

実にふざけてる。けど、面白そうだし、迷惑メールでもなさそうなので開いてみる。

まず最初に出てきたのは、小さな可愛い女の子と、無愛想そうな少年、どこにでもいそうだが高そうな服を着ている少年の絵だ。かなり綺麗な絵で描かれているから興味を引かれた。

絵のすぐ下には、青々と美しい木々、魚達を上から見ることができるほど透き通った海、果てしなく広がる美しい空に囲まれ、様々な生き物が生きる世界、ルーファル。最も深いと言われる海の最も近くにある東の国、海にちなんで、名をマリンという国で、君は生まれた。そして君は学校を卒業し、今年で15歳になった。この世界では15歳になったと同時に職業を決めなければならない。どの仕事につきたいのか、十分に悩むといい。君の望む人生は君が決めるものだ。もし君が別世界へと赴き、そこで人生をやり直したというのならそれを手伝おうじゃないか。選びなさい。やり直すのか、やり直さないのかを。

短い分だけど、私の心を動かすには十分だった。悩みもせず、はいを押した。






――名前を入力してください――


カチカチと音と共に、名前を入力すると、ニッコリと笑った少女が現れた。


「いい名じゃな! 我が名はルーファル、今からお主達が生活を始める世界ルーファルの創世主、いわゆる神というやつじゃ! 我のことはこれぐらいでいいじゃろう、さぁ、お主の物語の始まりじゃ!」



■ ■



ピロン。

と音と共に、黒かった目の前に突然、見慣れない天井が現れた。起きたてなこともあってか頭がまったく回らず、ぼーっとしたまま汚れが一つもない天井を眺めて見る。顔を少し動かして、真上以外の天井も見てみるが、やはり覚えが全くない。やっと回りだした頭で必死に考えてみるが、新しい記憶はゲームを始めるためにダウンロードしたところで途切れいている。

起き上がって、部屋の中を見渡すが、これも覚えがない。わかるのは、自分の部屋じゃないということだけだ。


 なにこれ、今流行りの異世界に召喚されたとかそういうのですか?


乾いた笑い声を少し上げつつ、ふざけた自問自答をしてみるが一向に答えはわからない。

仕方がないと、頭を振ってベッドから降りて、色々と探してみることにした。まずは嘘だろと思うほどに大きな本棚。たくさん並んでいる本の背には見たこともない文字が並んでいる。それに興味を引かれ、じっと見てると突然見ていた本の背の横に文字が浮かび出した。

小さく悲鳴を上げてしまい、恥ずかしくなって口を抑えてあたりを見渡したが、当然自分以外に人はいない。浮かび出した文字を読んでみると、普通にノートと書かれていた。ぎょっとして、もう一度見てみても文字は変わらずノート。分厚いが手帳みたいに小さめのノートで、……背が5cmもあるノートなど見たこともない。

それに驚きつつ、手に取って開いてみる。

とても綺麗な字で、丁寧にノートは纏められていた。


『この世界は、青々と美しい木々、魚達を上から見ることができるほど透き通った海、果てしなく広がる美しい空に囲まれ、様々な生き物が生きる世界、ルーファル。

この世界では、北、南、東、西、と四つの大国が存在する。

その一角、最も深いと言われる海の最も近くにある東の国、海にちなんで、名をマリンという国のが僕達が住む街。北は、深い森の中にあるシルヴァン。南はとても暑いらしいサーマル。西は周りになにもない地面と山に囲まれたトラクト。いつか行ってみたいな』


ノートに書かれていたのはどうやらこの世界の地理なようだ。もちろん、読めない字ばかりだったが、上に文字が出てきたお陰で読むことができた。

これは、さっきまで見ていたメールに書いてあった設定と同じじゃないだろうか。恐る恐る、右手を軽く振ってみる。幸いというべきなのか、メニューページみたいなものは出てこなかった。右手でもやってみるけど開かないので、多分ないんだろう。

ノートをしまって次は魔法書なるものを開いてみる。

ぎっしりと分厚い本にはゲームでよく見る魔法とほぼ同じだ。けど、なぜだかこの本を読んだような感覚がある。パラパラと捲っていくとやっぱりみたことがあるような気がする。気はするけど、この本を読んだという記憶が全くない。そのことに首を傾げつつ、とりあえず他の本にも目を通す。ノートに関してはそんな感覚はなかったのだが、どういうことか他の本には同じような感覚があるが、記憶はない。どうしたものかと、もう一度ノートを開いて、次のページを捲れないとしてみてから気がついた。捲れない。

ぐいぐいと引っ張って見ても、やっぱり捲れいない。


「どういうこっちゃ!」


ベッドの叩きつけてその横に自分も寝っ転がってみる。

ふわふわとしたベッドは俺の体を受け止めて、寝心地はかなりいい。

もし、ここが異世界だとして、あのダウンロードがきっかけになったのは確かだ。そういえば、ストーリーのところに魔族の呪いのせいで記憶を失ったとあった。読んだことがある感覚あるのに、記憶がないのはそのせいか。つっても、なんでこんなところに呼ばれたのかは全くわからない。

正直なところ、二次元キターーーーーー! と叫んで床を転がりまわりたいところなんだが、混乱してそんな気になるにはあと少しぐらいこのありえない非現実を理解しておく必要がある。


「異世界に召喚されたと来て、次に来るのは冒険……無理だよぉおおお、俺みたいなクズに何ができんだあああああああ」


ベッドと同じぐらいふわふわの枕に顔を埋めて、叫びに叫んでいるとガチャリとドアが開く音が聞こえた。顔を埋めたまま、ちらっとドアを見るとメイド服の女性が目を見開いてこっちを見ていた。

やっぱりニートというべきか、引き篭っていたのは高校卒業するための単位を獲得してからだからそんなに時間は経ってないが、元々女子と喋るなんて必要最低限レベルしかないからびっくりして慌てて起き上がるとメイドが、途端に絶叫した。


「た、大変よ! 王子様が、第四王子様が目を覚ましたわ!」


 俺、第四王子なのおおおおおおお!?


四つん這い状態のままいきなり叫び出したメイドと、自分が王子らしいことに唖然としているとドタドタと音と共にいろんな人間が部屋に駆け込んできた。容姿がとても似ている三人の男に、その親なのか所々で似ているような似ていないようなな、父親らしき男と、母親らしき女。その他大勢のメイド、執事、重そうな鎧を来た騎士達。


 あ、完全ファンタジー。


混乱する頭の中の端っこでゲーム脳の頭が勝手にジャンルを決める。混乱したままの俺をおいて、こいつらは勝手に話を進める。大勢で一斉にしゃべっているのでよく聞こえないが、どうやら俺はこの国に攻め入ってきた魔族の主らしきものに襲われ倒れていたらしい。そこを拾われ、自分の部屋へと担ぎ込まれたとのことらしい。記憶には全くないが、そういうストーリーなんだから納得するしかあるまい。


 というか……。


ストーリーが決められたゲームだというのなら過去の記憶がないっていうのはわかる。元々俺はここの住民んではないんだし。けど、読んだことがある感覚があるのはおかしい、俺は見たのも初めてなはずなのだ。ベッドの上に座り直して、こういうときに言うべきであろう言葉を一秒程度で考え、コミュ障のビクビク感を利用して、物語が先に進みそうな言葉を口から出す。


「えっと、誰……ですか?」


うむ、我ながら名演技。

とかふざけている間に、部屋に駆け込んできた奴ら全員の驚きからの叫び声は終わって今は肩を掴まれ尋問されている。肩を掴んでいるのは、どうやら俺の父親役である王様だ。さすがゲーム内、顔立ちがとてもいい。つまり俺もきっと今イケメン。

自分の顔がどうなっているかワクワクしつつ、言われたことにすべて首をかしげておく。言葉に出すより、傾げたり首降ったりしときゃ信じてもらえるだろ、多分。


「なんてことだ……本当に、本当に記憶がないのだな」


「なんじゃお主、我が嘘を言っていたとでも思っておったのか?」


あー展開進むのおっせー。と思っていたところに、聞き覚えのある子供の声が聞こえてきた。メイド達が手を合わせて寄り添っていた場所に目を向けると、見たことある少女が不満そうな顔で立っていた。

髪が赤、青、橙色、緑、黄色、白、黒、水色と8つの色がそれぞれの場所を陣取っているという不思議な髪色をしていて、目は角度によってキラキラと輝くピンク色、その上かなりの美少女ロリっ子とマジ二次元キャラな少女。あのメールに載っていて、しかも名前入力した途端に現れたキャラクターだ。

あの時も思ったが、容姿と言葉使いが合ってない。でも可愛い。

慌てて、否定した王様を鼻で笑うと、ロリっ子は腕を組んでこちらに向かって歩いてきた。


「まぁよい。言葉の綾だと思っておいてやろう。さて、ここからはこやつと我の連れしか聞いてはならぬ話じゃ、不安もあるじゃろうが、席を外してもらおう」


ロリっ子がそういうと簡単にみんな出て行った。最後まで母親らしき女性が涙目だったが、王の妃なだけあってすぐに涙を拭くと部屋から出て行った。その母親とすれ違いざまに入ってきたのは、あの中二要素満点の男だった。やっぱり中二病と、こっそり思いながらも言葉に出さずに黙っていると、ドアを閉めて少女の隣まで椅子を引いて、少女をまさかの抱き上げ自分が座ってから椅子の上に座らせた。


 慣れてやがるだと、この男羨ましい!


布団を殴りまくり、悔し、悔しがってなんかないけど、殴りまくっているとロリっ子が不思議そうな声で男に質問し出した。


「この男、一体何をしておるのじゃ?」


「……ロリ抱っことか裏山、爆発しろーっていう嫉妬を枕にぶつけてる」


「なぜわかった!」


と思わず言った途端に、男がドン引きした顔で、少女を抱き寄せ自分の腕で隠そうとし出した。

自分の失言に項垂れていると少女が小さく咳をした。


「ロリとか裏山とか、我にはわからんことだがまぁ、よい。お主はここが異世界であるということを理解しておるだろうか。ま、その様子じゃしておるわな。すでに知っておると思うが、我はこの世界の神ルーファルである!」


えっへんとでも効果音がつきそうなポーズでそういった少女はやっぱり可愛い。


「わけあってな、この姿をしておるんじゃが……そこは後々話すとして、こやつはジン。この世界の人間じゃが、我の知り合いと知り合いでな、手伝ってもらっておる。お主の世界の知識を埋め込んでおるから気軽に話しかけるがよい」


ジンとかいう男は、眠たいのかロリっ子ルーファルに寄りかかりつつ、軽く手をあげてあくびをしている。

知識埋め込んでるっていう言葉には違和感があるが、だからロリとか裏山って言葉わかったのね、油断しないよう気を付けよう。

自分の中で決意している間に、ルーファルとジンはなにやら話していたらしく、ルーファルがケラケラと笑っている。なんだと思って意識を向けると目の端っこの方でピコピコなにか光っているのが目に入った。なんだと思って目を向けると本棚の多分ノートが置いてあったところが多分光ってる。まだ二人はしゃべっているようなのでノートを取りに行ってみる。ノートは思った通り赤く光っていて、手に取って捲ってみると光は消えた。


「あ、捲れる」


さっきはどれだけ引っ張っても捲れなかったっていうのに、なんでか次のページを捲ることができた。どういうこっちゃ、と思いながら目を通すと神(ルーファル)と題名みたいに書いてある下に、この世界の歴史について書いてあった。


――遥か昔、この世界はルーファルという神によって、魔族と人間が住む世界として作られた。ルーファルは二つの種族が争わないようにと間にとても深い海ととても高い山を築き上げた。さらに成長できるようにとモンスターを作り上げ、わざと危機を与え魔族も人間も成長させていったという。その危機を乗り越えられそうにないときは手を貸し、人々を導いたとか。その恩を忘れないという意味で、人々はこの世界をルーファルと呼ぶようになったとか。魔族とは交流もできないのでどういう名にしたかはわからないけどきっと彼らも同じようにしたと思うな――


またもや教科書に書いてあったことを自分の言葉に変えて書いたような書き方だった。つか、使い方が贅沢すぎる。これしか書いてないのに、次を書いた形跡がない。金持ち爆発しろ。

ふむふむと書いてあることに頷きながらも正直実感がない。だってこの神、どう見てもロリっ子だし、ジンの膝の上で嬉しそうに笑っているし、どう見てもただの子供です。髪色は普通だったらの話だけど。


「そのノートはお前がやってたゲームで言うところの武器、防具、魔法、この世界についてのことまで書いてあるノートになってる。書いてることは読めねーだろうからルーの力を借りて横とかにお前の世界の言葉が浮かぶようにしておいた」


「ルーというのは我のあだ名じゃ! お主もそう呼ぶと良いぞ、さすがにルーファルと呼ばれるのは困るのでな」


「あの……」


二人が言っていることは理解した。さすがゲーム脳、ゲームだと思えば簡単に理解した。

ただ。


「俺はゲームをダウンロードしたはずなんだけど」


最初から思っていたことだが、ダウンロードしたことがきっかけになってここに呼ばれたとすれば、なんで名前入力なんてさせたのか、とか、そもそもどうやったらそんなことができるのか、とか、聞きたいことはたくさんある。一つづつ聞いていくとして、まずはそこから聞くべきだろう。

どう返事をされるかと、少しワクワクしながら待っているとルーファルはふむと腕を組んでから、ジンを見上げた。ジンは何が言いたいのかわかったのか、小さく頷くとルーファルを抱き上げたまま立ち上がった。


「お前ともう一人、この世界にきた奴がいる。2回も話すのは面倒だし、そいつを呼んでくるちょっと待っていろ」


ルーファルを椅子に下ろして、ジンは部屋から出て行った。


「……もう一人?」


「うむ、綺麗な女子じょったよ。お主と違ってこっちの世界の顔とあっちの世界の顔そっくりじゃしな」


「悪かったな、俺はイケメンじゃなくて!」


さっきノートを手にとったときだけど、ガラスに映った自分が見えた。かなりのイケメンでした、自分だけど思わず爆発しろと言いたくなるぐらいには。


「そこそこ綺麗な顔作りじゃったが?」


笑顔のまま首を傾げていったルーファルに思わず息を詰めた。美少女に綺麗な顔とか言われたら誰にが動きを止めると思う、そうだろ同士達って問いたいけど同士はもちろんいない。せめてその女の子が俺と同類だと嬉しい。ルーファルとも喋ることがなく、仕方ないからノートについて聞いてみる。


「あのさ、ノートなんで捲れないの」


「あっちにある本を適当に捲ってみるがよい」


答えになってないけど、黙っていうことを聞いてみる。適当にあった本を手に取ると魔法書と浮かんできた。言われた通りペラペラと捲って、次を手に取ってまた捲って、を繰り返しているとまた目の端っこの方で赤い光が見えた。ノートを手に取って捲てみると抵抗はまったくなく開けた。


「ゲームでは倒すことでモンスターの情報が出るらしいが、それと同じじゃ。それは元々お主自身が書いたものじゃが、記憶を無くしとるのでな最初から状態になっておった。じゃが、実際は二度目じゃ、適当に本を捲るだけで捲れるようになるというわけじゃ、理解できたかの」


さっきからじゃ、じゃ、すごい言ってるけどそういう喋り方なんだろう。

しっかし、変な喋り方だなーとか、ちっこいなーとか考えているとガチャリっていう小さな音がしたあとドアが開いた。そこにはジンと、その後ろにいる金髪碧眼の美少女が立っていた。

つまりこの少女がもう一人?

顔は美少女だけど、なんだろう雰囲気がツンデレっぽい。同士じゃないな、完全に。

同士に同意を求めるという望みはさっそく打ち壊され、こっそり落ち込んでいるともう一つの椅子を引いてきて、ジンはまたルーファルを抱き上げ、座りその横に少女が座った。俺はベッドの上に相変わらず腰を下ろしてる。座るところここしかないしね。


「一体、私なんかになんの用でしょうか」


「ルシア、そう固くなるでない。我がお主をこの世界へ招いたことはもうわかっておるのであろう?」


ルーファルがまた眠たそうに目を擦っているジンに寄りかかれながらもいうと、少し少女から重い雰囲気だったのが軽いものになった。俺をチラッと目に入れると、失礼なことに指を刺してルーファルに視線を向ける。


「この人がもう一人の?」


「そうじゃ。お主につけた補正とは少し違う補正がかかっておったりするが、お主と同じ世界の人間じゃ」


ルーファルが可愛らしい小さい咳をすると、腕を組んで少し凛々しい顔になった。


「ルシア、お主は何年前からここにおる」


「15の時だから3年前よ」


「三年前!?」


歳は同じぐらいかなとは思っていたけど、経験値はこのルシアとかいう美少女の方が多いことになる。

いきなり大きな声を出したからか、ルシアは顔を少し歪めている。気を付けようと決めて、咳をしてルーファルの次の言葉を待つ。


「お主も三年前からこの世界におるぞ」


「いやいや、俺、今さっきここに来たんですけど」


「記憶がないからのそう思っても不思議じゃない。本をめくった時それを読んだことがあるような感覚はしなかったか?」


首を振って、感覚はあったと告げるとルーファルはうんうんと頷く。


「そうであろう。お主の元々決まっておった始めのストーリーはなんじゃった?」


もごもごと口を動かして、もう少しちゃんと答えてくれてもと思ったが、それじゃ話が進まなそうだから、メールに書かれていた事を思い出す。


「えっと、王族として生まれて、今年で18になるはずだったけど魔族のせいで記憶を忘れったとかだったと思う」


「そうじゃな、じゃールシアお主はどうじゃった」


「私は15歳だったわ。15歳になったら仕事を選ばなければならない、だから悩んで選べと」


俺とは違ってルシアはキビキビと答える。


「うむ、この通りお主達では年の差がある。しかし、呼ばれたのは同じ日、この世界で住みだした年数も同じじゃ。ではなぜ、お主にだけ記憶がないのか、それは魔族に消されたからとは簡単にわかるだろ?」


それは、うん、簡単にわかる。けど、なんでわざわざなにもしない3年を俺に送らせたのかその意味がわからない。それも答えるはずだから、顔を顰めてルーファルを待つ。


「なぜそんなことをしたかというと、旅に出るまでの理由を獲得するのには3年待つ必要があったからじゃ」


ルシアと俺、同時に首をかしげた。ルシアはちょっとだけだけど。


「お主、旅に出ろと言われて出るか? 出ないな、お主はすぐにでもゲームやりたいから戻りたいとか言うじゃろ、わかっておる。じゃから、どうしてもこの世界で記憶を取り戻すために旅に出なければならないという理由を与える必要があった。どうするかのーと考えて考えて、考え抜いた。お主、ゲームのパスワードなるものを思い出してみるがよい」


なんで俺の言いそうなことわかってるの。と冷や汗を流しながら、言われた通りパスワードを思い出してみる。


「…………ちょっとまて、まって、思い出せないとかそんな馬鹿な!」


パスワードをすべて統一していた上に、完全に記憶して間違えることなんてなかったはずなのに、なぜだか思い出せない。思い当たる数字、誕生日とかを思い出してみるがそれをパスワードにした覚えはない。


「何してくれてるんだよ!!」


「安心せい。お主の記憶を奪った魔族を倒したらちゃんと戻してやる」


「行きたくないぃいいいい!」


「行かないと思い出せないし、戻れない。それでいいならいいけど」


……部屋にいたはずなのに人生クソゲー畜生!



人生は部屋から出たらクソゲー。部屋に篭れば神ゲー。の思いのもと部屋に引き篭もりひたすらゲームに没頭していた少年、鈴宮貫流(すずみやとおる)。人生なんてクソゲー、別の世界へ行ってみたいと密かに思っていた少女、小鳥遊ルシア(たかなし)。ある日突然、先の人生はすべて自分で決めるというゲームのメールが届く。怪しいと思いつつも、興味に引かれ、ダウンロードしてしまうと、途端に目の前が真っ暗になり目が覚めると、そこはなんと異世界で!? ゲームのパスワードを思い出すためと、自分の才能を十分に生かすため、捻くれた貫流とツンデレなルシアの異世界冒険が始まる――

的な物語っていう説明つけとくね、はい。