すっすむ、すっすむ~!
とか言いながら、全然先に進まないよ(´;ω;`)
題名がダサいのは気にしないでください……思いつかないんや……。
睡魔と争いながら書いてるので誤字脱字、お許し下さい。間違えに気がついたら訂正します。
なんて心の中で叫びつつ、感情に任せて布団を殴りつけてクソゲーすぎる人生への苛立ちを分散させているとルシアに睨みつけられた。あまりに冷たさと苛立ちを込められた目があまりにも怖かったので、布団を強く抱きしめるに変更した。
「それで、三年もあったのはなぜかしら」
俺に次したらただじゃおかないとでもいうようにもう一度睨みつけてから、ルーファルに視線を移した。
金髪碧眼は嫌いじゃない、むしろ好きだし、なによりルシアの容姿はかなりの美少女だ。ただ、ただ、この態度は好かない。確かに、俺もうるさかったけど、なんというか冷た過ぎはしないか。
ルーファルにはめっちゃ優しい声かけてるのに、俺だけなのか、そうなのか、それともジンにもそんな態度だったのか?
だとしたら男嫌いなんだろうか。
俺が色々考えている間に、二人の会話は進んでいく。
「お主達にこの世界の知識を与えて、慣れさせるためと、我の成長を待つためじゃ」
「成長?」
「うむ、我は神じゃが、今の体は普通の人間と代わりない。そのせいで、我の力を体を馴染ませるには11年の時間が必要じゃった。馴染みやすいようにと巫女を選んだんじゃがな、思っていた以上に時間がかかってしまった。この世界を救うためには我も共に旅に出なければならない、ならば体に馴染むまで、待ってもらおうということになったんじゃ」
「完全にあなたの都合ね」
俺も思いはしたけど、思っていたことをズバッといったルシアにルーファルの目が一瞬で涙目になる。ジンは呑気に寝てるし、俺が止めるしかない。どうやって止めたもんか、と考え始めたが、一秒もしないうちにルシアが口を開いたので黙って思考を止める。
「もし、私達を見つける前に体に馴染んでいたらどうしたの」
「お主は選ばなかった」
涙目ながらも間もなく答えると、ルシアは少しの間顔から表情を消し、ルーファルの頭を少しだけ微笑んで撫でた。
「そう、だとしたら私はあなたに感謝を伝えなくてはね」
髪を少し指で梳かすと、また微笑んで頭を撫でる。
「この世界に私を招いたこと、感謝しているの。ありがとう」
そういうとさっさと顔を元に戻して、手も引っ込める。
ルーファルに向かってもう一度微笑むと、今度はこっちに目線を寄越してきた。睨まれてはない。
「名前、貴方の名前だけ聞いていないわ」
嫌われてはいない、のか?
答えようと口を開きはしたが答えるにはもう一声足りない。
「えっ、あー、どれの?」
この国の人っていう設定だし、第四王子の名前は知ってるだろう。
だとしたら、入力した使い慣れたハンドルネームか、それとも本名で答えるべきか、両方答えてもいいんだが本名を教えるには気が引ける。
「……両方で」
ルシアもそれに気がついたのか少し間をあけて、そう言った。
てっきり天才冷静タイプのツンデレかと思っていたけど、そんなこともないらしい。
「本名は鈴宮貫流。貫くに流れるで、とおる。ハンドルネームは、ベル。ベルでいい」
「小鳥遊ルシアよ、入力したのもルシア。この世界ではアリア・キッシュ。周りにはあだ名としてルシアと呼ばせているけど、アリアでもキッシュでも好きに呼んで」
「はいはーい! 我も自己紹介するぞ! ルーファルじゃ、ルーと呼ぶがよい!」
何この子妹にしたい!
思わずそう思って、手を伸ばすと横からも手が伸びできた。ハッとして顔を上げるとルシアも俺と同じように手を伸ばしていた。見つめ合うこと数秒、すぐにルシアが手を引っ込め、顔を背けた。
耳、赤いですよルシアさん。
漏れそうになる笑い声を必死に口の中で噛み殺すことはできたけど表情はどうにもできず、笑ってしまう。ルシアが顔を背けてくれてよかった。見られたら一発殴られてたかもしれない。
ちなみにルシアの腕には篭手が付けられているから殴られたら一溜まりもない。怒らせないよう気を付けよう。
「ジン、ジン、お主も自己紹介せい」
自分に寄りかかって寝ているジンを揺すると、眠たそうに目を何度か瞬きをしたが起きた。
どんだけ眠たいんだこいつ。
「……ジン、人間、中二病、違う」
すごく眠いんだなこいつ。
っていうか自分の格好が中二病っぽいって思ってたんだ。余計な知識持っちゃったな、ご愁傷様としか言い様がない。
「なにそれ……人間ってことじゃない」
ルシアの呟いた言葉になんだ?と首をかしげてしまう。そりゃ人間って言ったし、見た目人間だし、どういうことだ。ルシアの言葉を待っているとジンは顔を腕に擦り付け、眠たそうに小さくあくびをすると小さく頷いた。
「ヒト、よりマシだろ」
うとうとと眠たそうに頭が動いてる。
っていうか、よく意味がわからない。ルーファルも俺と同じでわかってないのか首を傾げてる。ルシアは小さく溜息を吐くと指を一本立てて小さく咳をした。
「ジンって、変換すると人になるでしょ」
変換……?とルーファルは首を傾げてるけど、俺にはわかった。確かになりますね、人に。
「うーん、お主達の世界ではそうなるのか。ジン、わかってそんな名を?」
「面倒だった」
やっと目が覚めてきたのかふにゃふにゃとして力がなかった言葉に力が入ってきた。
気がついたんだが、自分で名前つけたのかよというツッコミは飲み込んでおく。事情があるんだろう。
「あやつらからはなんと呼ばれていたんじゃ」
「ねぇ、とか。おっさんにはお前って」
「……あやつららしいな」
ルシアも俺もおいて二人は勝手に話してる。さっきもあったし別にいいんだけど、なんだか二人の空間作り過ぎてないか。
しっかし、おかしなもんだ。孤児とかだとしても名前ぐらいはあるもんだろう。こっちの世界のことなんてわかんないけど。本人の前で聞くのはちょっと気が引ける。どうしたもんかと、黙って二人の様子を見ていたが、ジンのことについて語り出しそうな感じはないし、今のところは諦めておこう。
ジンは再び眠りに落ちようとしてるし、話しかけない方がいいかもな。
一つ、疑問についてでも聞いておくか。
「あのさ、俺のストーリー王から旅に出ろって言われるって書いてあったんだけど」
ストーリー全然進まないんすけど。という言葉は付け足さないでおく。
ルシアはあっそ、みたいな顔をしてるけど、ルーファルはそういえば的な顔をしてる。しっかりしろ神だろ。
チョップついでに言ってやりたいけどさすがに神、しかもロリの頭にチョップを入れるのは気が引けるからやめておいた。
「話が長引いてしまったな。ちゃっちゃと王に説明を終わらせ、旅に出るとしよう」
一章終わりくるー? おっし二章はストーリーさっさと進むといいなうん。
とか思っている間に、ルーファルはジンの顎に軽く頭をぶつけることで起こし、服を整えてからさっさと部屋から出ていこうとしてるし、ルシアもそれに続こうとしている。
「しかし今日は疲れたのでな、また明日、じゃ」
ジンはルーファルに手を引かれてうとうとしているけど、ルーファルもおんなじ感じで目が閉じかけている。ルシアはというと、キリッとした顔をしてまだ元気が有り余っているという感じだがルーファルの眠たそうな顔を見て、そうしようと言わんばかりに頷いてる。
うん、俺が頷く前に出てっちゃったけどね。
■ ■
ルシアがこの世界に呼ばれ、選んだ職業は騎士見習いだった。
この世界でのルシアは身体能力が高く、魔法師としての才能もあった。騎士か魔法師を選ぶことが自分の才能を十分に活かせる道だ。魔法師を選ぶとすると、身体能力もあり剣を扱うこともできる世界初の魔法師になれると言われたが、そんなものに興味はない。それに、この世界でのルシアは後ろから補助をするというよりも、最前線で敵を引きつけ仲間の動きに合わせ動くことに長けていた。
子供の頃は三人の幼馴染を引き連れ、自分達より遥かに大きい大人を連携して地に沈めたことがあったのだが、それはルシアがうまい具合に幼馴染達の力を引き出し、そして一番前で大人に蹴りを食らわせていたお陰だ。
ルシアは魔法師になるのかと幼馴染に尋ねられ首を横に振って、騎士見習いになると凛々しい声で答えた。
呼ばれたばかりだったことがあり、最初は混乱して周りよりも、一ヶ月遅れて騎士見習いとなったルシアであったが、実力はかなりのもので、二ヶ月もする頃には周りの見習いとの実力差を広げに広げていた。元々、この世界でのルシアも、地球でのルシアも頭がよかったこともあり、魔法師達の勉強に共に参加していたため、魔法の使い方も申し分無かった。
一年もすると、息を荒げながらも下級騎士に膝をつけさせるほどに成長し、驚くスピードで下級騎士になった。本当ならば4年かかるところを、ルシアは3年で終わらせるという快挙を遂げた。
鎧を下ろし、タオルを引いた上に乗せる。篭手も外して同じようにタオルの上におくと、手拭いと着替えを抱きかかえ、部屋から出る。
ルシアが今いる場所は、下級騎士の兵舎だ。1000人以上もの騎士が住んでいることもあり静かな時間は皆が眠りに付いている時間だけだ。部屋はそれぞれ二人部屋で、部屋を半分に分けているのだがそれでも窮屈ではないというほどの広さがある。そのためか兵舎はまるで城のように広い。
上級騎士の兵舎であると、城と間違えても仕方がないほどに外見も綺麗で広いが、下級騎士の兵舎は広いだけで、外見は近所に住む子ども達がお化け屋敷と呼ぶぐらいの酷いものだ。外見はひどいが、中は綺麗に掃除をされているので、潔癖症でもない限り住むには十分だ。
兵舎には、下級騎士全員が入れる食堂と、大きな浴場もある。
ルシアはその浴場に向かっていた。
女騎士は少数であるが、いないわけではない。
この世界では、同じ風呂に入っていいのは同性か家族だけだという決まりがあるので、男女の浴場は分かれている。位置的には、真横だが分厚い壁に阻まれ覗きができる可能性は0なので、心配することもなくお湯につかれる。――覗きなどした瞬間に女騎士達に文字通りボコボコにされるのでするものはいない――
浴場に向かって歩いていると、ルシアよりも一年先に下級騎士になった先輩女騎士、エアリー・ベイリッヒが声をかけてきた。
「よっ、お前も風呂か?」
170cm以上はあるだろうという長身だが、女騎士としては普通な方だ。
高い身長に、長い手足。すらっとした細身だが消して痩せすぎということはなく丁度いい肉付きをしている。長髪でなければ、一瞬見ただけだと男だと勘違いしてしまいそうな中性的な顔立ちをしているが声は低くはあるが女性のものである。
性格はそこらへんにいる男より男前で、男性より女性にモテるタイプだ。ルシアもエアリーが女性に囲まれきゃーきゃーと黄色い歓声を浴びているのを見かけたことがある。
手には着替えと手拭いを持っているので浴場に向かっているのは見ればわかるはずだが、微笑んで答える。
「えぇ、エアリーも?」
これもわかっていることだが、聞き返しておいた。
おう、と返事をしたエアリーと無言で歩き出し、浴場に向かう。エアリーは腕を回し、疲れているようだ。
「仕事だったの?」
「あぁ、椅子にずーっと座らせられて紙と睨めっこだ」
それは疲れるわね、と苦笑しておく。
いわゆるデスクワークだが、騎士達は椅子に座り書類と睨めっこという状況に中々ならないため、それを苦手とする。元々学生だったルシアはさほど苦でもないが、魔法の勉強でも体を動かして勉強をしていたためか、騎士達は書類と聞いた途端に逃げ出そうとするほど、嫌なことなのだ。
エアリーの愚痴に相槌を打っていると、あからさまな嫌味が聞こえてきた。
「化物が歩くなっつーんだよ……」
「まったくだよな、いつ首をかかれるかわかったもんじゃない」
もう聞き飽きたと溜息をつくことすらせず、毎度毎度同じ事を言ってそれしか言えないのかと呆れていると隣から歯を強く噛み締めたような音が聞こえ、慌てて横を見るとエアリーが足を止めて嫌味を言っていた同じ下級騎士である、男二人を睨みつけていた。
「エアリー、反応したら余計喜ばせることになるわ、我慢して」
少し冷たく言葉をかけると、エアリーは悔しそうに唇を噛み締めてから、男達を強く睨みつけ、前を向いて歩き出した。
後ろで笑い出した男達に、呆れからの溜息を一つこぼして、エアリーの横に並ぶ。
もう浴場はすぐそばで、エアリーより10cmほど大きいドアを開いた。
中ではすでに、数人の女騎士達が楽しげに会話しながら服を脱いだり、着たり、タオルを巻いたまま涼んでいるものまでいる。二人が入ると、手を軽くあげたりして挨拶をしてきたので、二人も挨拶を返す。――一部、エアリーを見た途端に頬を赤らめたりしているが――
「ルシア、ここまで来るの大丈夫だった?」
赤毛の女騎士が尋ねると、ルシアの代わりにエアリーが憤怒しながら先ほど廊下で嫌味を言ってきた男二人の事を言い出した。なぜお前が答えるという声は一切上がらず、男達のことを聞いた途端、その場にいた女騎士達が一気に殺気を出した。ドアの向こうから男の悲鳴が聞こえたが、ルシアは無視した。
「男ってほんとバカよね、大体悪いのはルシアのお母さんじゃないのに」
そばかすをつけた金髪の女騎士が一言いうと、我も我もと言わんばかりに女騎士達が一人づつ男うんぬんと言い出した。
自分を思って言ってくれているのは嬉しいが、さっきから笑顔でありながらも殺気がダダ漏れしているのだ。さっきの悲鳴をあげた男もそうだが、関係のない人間にまで殺気を与えるのは好ましくない。
さっさと服を脱いで綺麗に畳んでから、手拭いで体を隠しつつ、風呂場のガラス張りになっているドアを開けながら、前だけ向いて止まらないマシンガントークをしている女騎士達に向かって言葉を投げる。
「あなた達が気にすることはないわ。魔族の血が混ざっているのも事実だし、妬みだと思えば可愛いものよ。それに、あなた達みたいに見方になってくれる人も、いるから」
バタンとドアが閉じた途端に中から一斉に聞こえてきた泣き出したような叫び声は気にせず、お湯を組んで浴びる。
この世界のルシア、つまりアリア・キッシュの母親、アリス・キッシュは魔族に襲われ、魔族の体液を浴びてしまった。マリンの名前の由来でもある深い海の向こうには魔族の住処がある。18年ほど前、海に溺れ、そのまま漂流してきた、ただ一匹の魔族によりアリスが住んでいた村は壊された。幸い、村民の半分が生き残ることができたが、アリスの夫も、両親も命を失った。唯一残ったアリスの家族はアリアだけで、そのアリアも魔族に汚され、アリスと夫の血と共に魔族の血がその体に流れる消すことができない呪いをかけられてしまったのだ。その魔族の体液は特殊で、ランダムに呪いをかけるという厄介なものだった。その呪いの中で、解けない呪いはただ、この呪い一つだけである。その呪いを、ランダムでアリアは受けてしまったのだ。
生き残った村民は全員でアリスを元気づけ、生まれたアリアを我が子のように、まるで自分の妹のように可愛がった。
アリアもアリスと村民を慕い、家族のように接した。しかし、周りの人間はアリアを穢れた子と呼び、まるで非がないアリスとともに白い目で見るようになり、それは王国の端から、中央に移ったとしても変わらない。
最初はさほど酷いものではなかったが、一度手合わせをした際に治るのに一週間かかるはずの怪我をしてしまい、次の日には怪我が治ってしまい、その日からひどくなった。
女騎士達はたいして気にせず、むしろルシアの母を気遣ったりしていたが、男騎士達には化物と呼ばれるようになった。最初の頃はこそこそいうだけだったが、ルシアが完全無視しているとだんだんと声が大きくなっていき、今では目の前にいたとしても堂々と声に出してくる。もちろん無視を決め込んでいるが。
中には、女騎士と同じような者もいるが、基本は陰口をいうか、遠くからこそこそ見ているかだ。
女騎士達という頼もしい仲間もいるので、たいして困ったことはない。
あるとすれば、大きな声で嫌味をいう男がいたと見るか聞くかした途端に殺気を放出するし、抑えるために先ほど言ったような言葉をいうと変な叫び声をあげ出すことだけだ。
さっさと汗を洗い流し、お湯にしばらく使って、やっと入ってきたエアリーとほかの女騎士達にも別れを告げて、部屋に戻り、鎧の汚れを綺麗に拭き取ってから、眠りについた。