Killing time -12ページ目

Killing time

よくわからないようなことをちょこちょこ呟くだけ。
小説を書いては消してをしているかも


自己満足の為に書いているので、ペタは出来るときにしかできません。

無呪文、あまりかっこよくない、かな?無詠唱の方がいいのか、未だに悩んでおります(;´Д`)

スランプやべぇ、こんな長くの間かけずに悩まなかったよ今まで。あぁ、文章がガタガタだ、あ、いつもどおりだ。





貫流が机に突っ伏した頃、ジンはルーファルにローブを着せていた。

ルーファルの奇妙とも言える珍しい髪で外を歩くと少しばかり騒ぎになる。普段人と関わることも、もちろん視線を浴びることもないルーファルはそれに気分をよくし、嬉しそうな笑顔になるが人の視線に慣れていないジンには嬉しくない。寒いから、とルーファルには説明してあるが嘘でもないから本当の理由は黙っていていいだろう。

嬉しそうな笑顔で大人しく着せられているルーファルの頭を撫で、立ち上がる。

神といえど、11年間も人間の子供のしての生活を送っていたからなのか随分と子供のような行動を見せる。思わず妹ができたような感覚になってしまうのはそのせいだろうか。

頭で思考していることを顔に出さず、ルーファルを抱き上げる。二人で一番初めに訪れた町でみた親子を見てせがまれて以来、一日1回はこうして抱き上げてあげている。なぜか今にと言われたので抱き上げたのだが、城につく前に下ろした方がいいだろう。ルーファルを手伝うため、貫流とルシアの世界の情報を頭に入れさせられたジンには手の取るようにわかる。二人にその姿を見せたら貫流はロリコンと声を荒らげ、ルシアは冷たい目線を浴びせるであろうということが。ただ抱き上げているだけだが普通の人とはズレているあの二人ならやりかねない。

余分な知識を植えつけられた感はすごくあるが、自ら望んでやったことなのだから文句は言えない。それに、あの二人が考えそうがことがすぐ思いつくので必要ないわけではないから、心の奥底に置いておくことにした。

宿から外に出ると寝起きで温まっていた体が一気に冷める。


「うっ……寒い。よく平気な顔をしておれるな」


「慣れだろう」


楽しそうに笑いながら店を開ける作業をしている人間達を見て、ルーファルが呟いた言葉にすぐ言葉を返した。何年もこの地に住んでいれば、寒さにはそのうち慣れる。


「熱魔法を使わずに慣れだけで耐えるとは……人間の取り柄は忍耐なのか?」


「さてな。ただ単に魔力消費を抑えてるってこともありえる」


人間であれど、ほとんど人間以外の者たちと暮らしてきたジンにはわからない。ジンが知っている人間は己だけであり、旅に出たときは人の多さに頭痛を感じたものだ。

ジンが住んでいたところは精霊の恵みによりとても住みやすい場所だったので耐える、というのも軽いモノ程度しかしかことがない。


「熱魔法使うか?」


「頼む」


寒いと震えていたルーファルを見て声をかけると嬉しそうに頼んできた。そんなに寒かったのか、と心の中で苦笑しつつ、無呪文で熱魔法を発動する。

熱魔法とは、名通りの熱を操り、体を温めたり、水をお湯にしたりと生活を手助けする魔法として主に使われているもので、赤属性に分類される。戦いの場面では寒い場所で使うことにより体力の消費を抑える、という使い方が主でそれ以外にはあまりできることがないのだが、生活面では大活躍の魔法だ。本来ならば「フィ」という短い呪文を唱えるものなのだが、ジンは幼少期から呪文を唱えることなく使用できる。ジンと共に住んでいた者曰く、魔法力が強く扱いにも長けているため無呪文で使える、とのことだったか本当のところはわからない。

足元に赤い魔法陣が形成され、赤い光が体を包むと消えた。

凍えるような寒さで震えていたというのに、その光に体が包まれた途端、大した寒さは感じなくなった。完全に寒さを消すことはできなかったが、中級までしか存在しない熱魔法中の下級の使ったのだから仕方がないこと、と切り替える。

完全に消すなら中級を使えばいいのだが、ずっと外にいるわけでもないし、下級で十分だ。

城の前に着くと門が開き中からメイドがかけて来た。先日城の中に入るための案内をしてくれたメイドと同じだ。


「お二人ともお待ちしておりますよ!」


にっこりとした笑顔でいうメイドだが、着ているのがメイド服だけのせいか息が白くなっている。寒そうに手をこすりつけつつ、中に案内してくれる。

ルシアと貫流がいるらしい部屋の前に着くと、お礼をしてから駆け足で去っていった。朝の準備で忙しいのだろう、先程から廊下をメイドや執事やが走り回っている。王宮で働くのは思っているよりも大変なのだろう。

ルーファルを下ろし、二回ノックしてからドアを開ける。

中には本が大量に収納されている棚ばかりで、その中央にある一つだけのテーブルに二人はいた。優雅に紅茶を飲んでいるルシアと、真剣な眼差しで本を読んでいる貫流。

ジンとルーファルがいることに気がついていないらしい。どう、声をかけたものか、と悩み始めたところで隣に立っていたルーファルが一歩前に出て、腰に手を開けた。


「待たせたな、お主ら! さっそく王の間へと行くぞ!」


「いきなりすぎだろ!」


ドヤ顔で言ったルーファルにすぐさま貫流のツッコミが飛んできた。




■ ■




帰りたい。非常に帰りたい。

今すぐにでも足を後ろに向け、ダッシュで自分の部屋へと逃げ込みたいのだが、と貫流は冷や汗を流した。横にいるのはルシアとジン。前にはルーファルが立っている。そのルーファルの前にいるのは王様、つまりはジャルベルの父親、国を治めるおエライさんである。ルーファルから少し距離を開けて立っているのだが、王様のクセに体が大きい。太いではなく、ゴツイ、という言葉が合うであろう体型をしている。王様=太っている、というイメージがなぜか出来上がっていた貫流は少し驚いた。

王の前であるというのにルーファルはまったく緊張していないらしい。いつも通りの子供らしい笑顔を浮かべている。ジンも緊張という文字は辞書にないのかお前は、と思わず言いたくなるほど涼しい顔をしている。この二人が例外なだけであり、ルシアも緊張しているようなので、仲間外れということはない。

まぁ、ルーファルに関しては神なのだから一つの王国程度の王様には緊張などしないのだろう。むしろ王に緊張させている立場のようで、その証拠に王の顔が若干引きつっている。


「この二人の若者を借りるぞ、四角の一角、マリンの王よ!」


キリッとした顔で言っているが声が大変かわいらしい子供の声なので微笑ましく思えてしまう。

思わず笑ってしまいそうになるのを必死に耐える。


「し、しかしですね、ジャルベルは魔族に襲われ記憶喪失になったばかり」


「だからなんじゃ。ここに閉じ込めるとでも言うつもりか? それはこやつのためにはならんよ。あの魔族は襲われたもの自信が倒さなければ記憶は戻ってこない。もし別のものに倒されてしまえば二度と戻ってくることはなくなる」


なにそれ聞いてない。

随分と子供っぽかったルーファルとは思えないような雰囲気で王を言葉で攻め出した。ニヤリと笑うとぐるりと周り貫流を見上げてきた。


「ベル、お主はどう思う?」


「え……えーっと……行きたくない、かもなんて、嘘ですごめんなさい行きたいです」


行きたくない、と言った瞬間に両隣からものすごい目つきで睨まれているであろうことを感じ取りすぐさま謝ってしまった。本当に行きたくない、でも行きたくないとか言ったら両隣に何されるかわからない。あんなメールクリックしなければよかったんだ過去の俺バカ野郎、今すぐ部屋にこもってゲームしてぇ。と涙ながらに悔やんでも悔やみきれずひたすら己に罵声を吐いている貫流を後ろに、ルーファルはニヤリとした微笑みで王の逃げ道を次々と塞いでいく。

止めと言わんばかりににっこりと笑った。


「そろそろ修行のため外に出そうと思っておったのだろ? ついでに別の国の王族にも会わせようともしていた、丁度いいではないか。自分で言うのもなんだが、我は最強のお供になるぞ? さぁ、選べ。我に歯向かうのか、否か!!」


ルーファルに逆らうとは世界を創成者を否定するに値する。

神を称えなければならない王である以上、それはできないと思ってこその言葉だ。息を飲み込み、王がもう少しで首を縦に振る、というところで思わぬところから声が上がった。


「お言葉ですが神よ!」


王の後ろに使えていた騎士だ。

装備から見てルシアの言っていた上級騎士達だろう。確かに、強そうな装備ではあるがその鎧を被っているものも強そうかといえばそうではない。筋肉はついているようだが、全体的にそれが薄い。中には王並の体つきをしているものもいるが、大体は薄い。ルシアのいう雑魚騎士ばっかりというのもみただけで納得できる。その薄い騎士の中でも、一番王に違い場所、真後ろに控えていた者が我慢ならないとでもいいだけに声を上げた。


「創世者神であるルーファル様がお強いのは当たり前のことでしょう。しかし、そこの騎士はまだ下級、しかも1年前になったばかりの若輩ものです。なぜ、彼女をお選びしたのかお答えしていただきたい! そしてそのフードの男も信用なりません、信じてよい人物に値するのですか!?」


ルシアが顔を歪める。

内心では雑魚騎士のくせにうるさいと思っているせいで顔に思いっきり出てきてしまっているのだ。しかし、ジンといえばどこ吹く風。表情一つ変えない。

あれだけ一緒にいるジンを馬鹿にされたのでてっきり激怒するかと思ったが、ルーファルはふんっとその騎士を鼻で笑った。

あまりに雰囲気の違い差に罵声を吐くことをやめ、ルーファルの頭を見下ろす。

ゆっくりとまぶたを伏せてクスリと笑うとまたゆっくりと目を開いた。


「王ならまだしも、たかが騎士が我の選んだものを馬鹿にするとはな、万死に値するぞ」


ぞっと寒気がするような薄い笑みを浮かべて、まだ体は11歳であるはずのルーファルが。ルシアの言葉に涙目になっていたはずのルーファルが、そう言った。

この言葉は、死ねと言っているのと同じだ。きっとこの騎士はもう、二度と生きた心地を味合うことはないだろう。神からの万死に値すると言われるようなことを言ってしまったのだ。ルーファルだけを信仰し、愚弄するようなものが一切いないこの世界での行き場はない。それを理解したのか顔を真っ青にした騎士をルーファルはあくまで笑顔のまま、頭を下げていた騎士を見下ろす。


「じゃか」


重く張り詰めていた場がその言葉で少し緩んだ。もちろん少しなので未だに緊張で冷や汗はかきっぱなしだ。


「彼女が下級騎士じゃからな、不安に思うのもわからなくはない。それに、国のものならまだしも部外者に任せるというのも不安じゃろう。では! こうしようではないか、お主らでこやつらを倒してみよ! もしお主らがこやつ二人に勝てたとしたら、考え直してやらんこともない。どうするかはお主らで決めよ、あぁただし、無礼者であるこやつは出せよ。言ったからには止める自信があるのだろう? 我らはこれで失礼する、後で声をかけよ」


言いたいことだけ言うとルーファルは満面の笑みでジンの腕を掴みさきほどまで寒気のする笑みを浮かべていたとは思えないような歩き方で扉の向こうに出て行ってしまった。

えぇ!?と言いたいことだけ言ってさっさと出て行ってしまったルーファルに驚き、ルシアと顔を見合わせてから慌ててあとに続く。


「えーっと……戦うのか?」


ルーファルとジンには聞こえないようにこっそり隣を早足で歩いているルシアに尋ねる。するとニヤリと笑って小さく口を開いた。


「もちろんよ。ふふっ、実力は大したことないくせに偉そうにしてるやつをコテンパンにできると思うと楽しみでしかたないわ」


 こ、こえぇ……ルーもだけでルシアも怖いんだけど。え、なに、この世界の女子はみんなこうなの? 帰りてぇ……。


女子二人の女子とは思えない言動に少しの恐怖を感じつつ、大丈夫なんだろうかと心配する。ルシアの言う通り大したことのなさそうな外面の顔を真っ青にしていた騎士に負けることはないだろうが、全員を倒すなんてことなんてできるのか。そもそも二人の実力もわからないし、2対大人数とかなったら勝てるわけがない。


 ん? 待てよ、この二人が負けるってことは旅に出れない……帰れるかも!?


はっと気がつき思わずガッツポーズをしてしまった。慌ててぐるりと回り誤魔化し、なにやってるんだとルシアに睨まれはしたがなにも言われたりはしていないから問題ないとさきほどまでいた図書室に入る。

途端に、ルーファルがキラキラした目で貫流を見上げてきた。


「どうじゃった? 我上手くできてたかの!?」


「演技だったのかよ!」


思わずすぐに言葉を返してしまった。


「ジンに言われたんじゃ、はいどうぞ、とは行かせてくれないだろうから演技でもするといいと!」


「なんてこと言ってんだ! あの人がかわいそうだろ!」


「予想通りだったな!」


「無視か!! ってかお前無気力キャラじゃねーのかよ!」


キラキラとした目で親指を立てルーファルとなにやら喜び出したジンに思わずツッコミを入れていると隣に立っていたルシアからうるさい、とまた睨まれてしまった。理不尽極まりない。貫流はただ、思ったことをそのまま大きな声だったとは言え、言ってしまっただけだし、そもそも正論だ。

いくら、旅に出たいからと言ってあそこまでやるのは可哀想すぎる。


「まぁ、確かにやりすぎとは思ったが……思いのほか楽しかったんじゃ、許してくれぬか?」


上目遣いでかなりの美少女ロリっ子にそんなことを言われてしまったらロリコンでなくとも許してしまう。俺はロリコンじゃない、違う、ただこいつがものすっごい可愛いだけ、そう、それだけ。と呪文のように唱え、コクリと頷く。


「このロリコン」


すぐにルシアから罵声が飛んできたが受け流し、椅子に座る。


「いや、もう、いいけどさ。勝てんのか?」


一人は神とは言えロリっ子だし、中二だし、女子だし、と言葉に出さずグチグチ言っているとルーファルが不敵な笑みを浮かべた。


「それは見てからのお楽しみじゃ」


 ……お前達の負けが決定したようだぞ、騎士達よ! 残念乙でしたーァ!!