IMAXでリバイバル上映中の「もののけ姫」を観てきました。
何回も観てるし、コロナ中のリバイバルも観てるし、なんならDVDも持ってますが、IMAXでの4Kリマスター版ですから、大スクリーンで観てきました。めっちゃ良かったです。映像と音がより鮮明になっていて、没入感がすごいです。視覚と聴覚のごちそうです。
モロや乙事主さまの声も、はっきり聴こえました。初見のときは、低くてモゴモゴしていて、なんて言っているのか、よくわからなかったので、これはすごい。
初公開は1997年の7月12日だそうで、そろそろサターン・リターンですね。28年経っても色褪せず、本当に良い映画だなとしみじみ思います。脚本も映像も音楽も声優も、とても良いです。無駄なくだりが全くなくて、観客がみんな夢中になって、スクリーンをぽかんと観ているのが良いですね。
宮崎監督は月が獅子座、金星が山羊座なので、2人のヒロインが登場することがあります。サンとエボシ御前。ナウシカとクシャナ。
自然を愛して、自由にあるがままの姿で生きる母性あふれる女性(獅子座)と、近代合理主義で強く賢く一族を導く女性(山羊座)。
そのふたりが最初はそれぞれの主張から対立しますが、やがて折り合いをつけて協力することに、150度を感じます。
150度インコンジャンクトを作る、ふたつの星座には「相反するものの和解」がありますね。
人間がどう生きるのか……自然とより共生する形をとるのか、手っ取り早く破壊して合理的に生きるのか、という葛藤が、どの作品にも出てくる宮崎監督のテーマ。
監督の生まれた時代と、生家の稼業を反映しているのだと思いますが、これは人間の持つ根源的なテーマでもあり、考えさせられますね。
監督の生まれた1941年は太平洋戦争が始まった年。ほとんどの作品で、終盤になると、世界の構造そのものが破壊されますが、これは監督の人格構造が構築される時期に体験したこと、そのものを表しているのでしょう。
形あるものは失われる。自然は破壊されて、古の神は姿を消す。しかし人間は生き残り、自然は再び芽吹き、どうにかして力強く、新しい世界が構築しなければならない。
取り返しのつかない徹底的な破壊と暴力は、冥王星がもたらすもので、監督の牡牛座の木星・土星とスクエアになっています。しかし、そこからまた生まれ直すのもまた、冥王星。
生きる、生きねば、生きてこそ、と、いつでも監督のメッセージはシンプルで力強い、根源的な生命への喚起を観客に投げかけてきます。地と火しかない、監督のチャートを強く感じますね。
もののけ姫の主人公アシタカは「多くを語らず、行動で示す」し「周囲に流されず、自分で見て、決める」し「一方的な正義ではなく、正義の共生を探る」し、山羊座(統合)太陽と、射手座(行動と哲学)火星が、そのまま反映されているヒーローです。
強く賢く、誇り高く、機敏に身体を動かし、考えて、考えて、考え続ける。
冥王星が監督が生まれた獅子座の配置から180度の対面にきた現代だからこそ、この情熱や誇り高さを、いまひとたび、取り戻したい時期なのだと感じます。

