逆行中の金星が、27日に魚座へ戻ります。
現在、魚座の終わりと牡羊座のはじめに天体がぎゅっと集まっている影響か、周囲を見ていると、ふたつのタイプに分かれる傾向があるように感じています。
ひとつは火星が強く働いている人たち――すなわち、パワーとやる気が満ちていて、なんだかわからないけれどテンションが高く、活気にあふれている人たち。
もうひとつは海王星が強く働いている人たち――すなわち、ゆったりとリラックスしていて、少しスローダウン気味になり、内面をじっくり見つめようとしている人たちです。
後者の海王星の影響を強く受けている人たちの中には、過去の未消化な人間関係の傷が浮上してきている場合もあるでしょう。
海王星と金星のコンビネーションは、対人関係において「無条件の愛」や「ロマンティックでとろけるような愛」を表します。これは愛し合うふたりにとってはとても心地よく、うっとりするような体験をもたらしてくれるでしょう。
しかしその一方で、ネガティブな側面として「同一化の問題」が出てきます。
たとえば、断れずに、望まれるとどんなことでも応えてしまう。相手の責任まで引き受けてしまう。必要以上にやりすぎ、無理して応えようとする。ひとりで頑張りすぎてしまう。
家族や友人、社会のために尽くしてきた人ほど「もうしんどい」「もう無理かも」という感情が浮かび上がってきやすい時期なんですね。
いま、この時期に心身の疲れを感じている人は、しっかり休むと同時に、自分の心の声に耳を傾けてあげると良いでしょう。
この「心の声を聴く」ことを妨げるのは、道徳心です。
「家族なんだから、助けるのは当然で、こんなことを感じる自分が間違っている」とか「友人の頼みを断るのは、人として間違っている」といったようなものが「本当はしんどい」「本当はムカついている」「自分でやれよ!!」といった本音を飲み込ませてしまうことがあるでしょう。
しかし、それを飲み込んでも無意識の領域に押し込めるだけで、それは結局、外の世界に投影されてしまいます。
だからこそ、いま、私たちに必要な無条件の愛は、自分の心の奥に沈んでいる、これまで無視してきた本音の感情を受け入れ「そうだよね」「しんどいよね」と寄り添ってあげることなのでしょう。
どんな思いや考えにも、良いも悪いもなく、差別することなく、自分の中にあるすべてを「それでいい」と受け止めること。それこそが、逆行の金星が魚座に入ることでうながされる、自分自身に対する最大の愛ですね。
普段、見過ごしがちな、心の内側にしっかりと注目して、その声に静かに耳をすますことができるときだといえるでしょう。