現在、金星と土星が非常にタイトな合(コンジャンクション)を形成しています。
このため、ここ数日は人間関係を通じて、ちょっとしたことで傷ついたり心が揺れたりすることが多くなるでしょう。
占星術の惑星の中で金星は外交官としての役割を果たし、出生図における金星の配置は、その人が他者とどのように、どんな距離感で関係を築くのかを示しています。
星座・ハウス・アスペクトによって、その人の対人模様が彩られますが、これはかなり根の深いテーマであり、この部分を無意識に扱っていると「自分は人間関係が苦手だから…」とか「自分は軽く大勢と付き合うほうが楽なタイプ」などと思い込んで、受け流してしまう部分でもあるでしょう。
それくらい、人はそこに踏み込まれることを恐れもするし、触れられるとゾワッとしたりもします。
なぜならそこには「受容と拒絶」という生々しく感情に触れる課題があり、子供の頃から繰り返してきている親との関係や、親同士の間にあった関係を含んでいるからですね。
親子や夫婦が関わるということは、親のまた親、その夫婦、その親…と受け継がれたものを含んでいるため、根が深いのです。
現在の金星は魚座にあり、それは金星の力が最も強く発揮される「イグザルテーション(高揚)」の配置となります。
それはどんなことを表しているのでしょう?
魚座は目に見えないものを感じ取る力に優れ、本質をハートの直感で感じる星座です。
この影響下では、他者への共感が自然と強まり「きっとあの人は困っているはず…」「あの人は心の内では悲しんでいるはず…」と、他人の感情に敏感になるでしょう。
この共感力は、動物や自然といったものに対しても同様に働きます。
金星が土星と共にあるとき、他人からのちょっとした言葉や態度に傷つきやすくなるかもしれません。「拒絶された」「じゃあ、こっちだって、もうしらない」と感じるような場面が増える可能性があります。
しかし、この魚座の共感性を活かして、自分自身の感情にまず寄り添うことができるでしょう。
自分の中にある悲しみや怒り、不安に対して「そう感じるのは自然なことだ」と受け入れて、理解してあげることが大切です。
そして、本当はどんなことを言ってほしかったのか、相手のどんな態度に傷ついたのかを掘り下げて、自分に対する理解を深めましょう。
そして充分に悲しみや怒りを感じることができたら、相手がなぜそのような言動をとったのか、その奥で求めていたものが何であるのか、その背景にある感情や意図を見てもよいかもしれません。相手もまた何かを求めていたり、表現できない感情を抱えていたりする可能性があるでしょう。
しかし、まずは自分自身の感情に納得できなければ、相手をみる余裕は生まれません。まずは自分ファーストです。
土星が関与しているときは、物事に対して誠実で、丁寧かつ忍耐強いアプローチが求められます。時間をかけて、じっくりと自分の心と向き合うような姿勢が大切です。
もし、自分自身をそんな風に誠実で丁寧に扱わなかったとしたら、誰がそのように自分のことを大切に扱ってくれるのでしょう?
私たちが自分自身を大事にするからこそ、周囲の人にもそのように扱われることになるし、また周囲の人たちのことも、そのように扱うことができるようにもなるのです。
どんな自分でも愛し、その真意を理解できるまで、忍耐強く寄り添い続けることが、この魚座の金星と土星の合がもたらすギフトではないかと感じます。