冥王星の力の行使と、嘘 | ***Walk on the light side

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銀河に煌く星たちのように

 

2024年末に金業界を震撼させて、いまだ全貌が明らかになっていないのが、三菱UFJ銀行の貸金庫からの資産窃盗事件です。

 

被害者は60人以上、被害総額は十数億円で、貸金庫の管理責任者である40代のベテラン行員が犯人とされていますが、いまだに実名も明かされていません。銀行の内部システムを熟知している責任者がこのような犯行を行ったというのは恐ろしいことですね。

 

最も信頼されるべき人が裏切っていた……という事実は、何とも言えないズーーーンとした衝撃を与えます。

 

この犯罪は2020年4月から2024年10月までの4年半にわたって繰り返されたそうですが、2020年4月といえば、日本ではコロナの緊急事態宣言が発令されて、一気に全国が自粛ムードに入ったタイミング。

 

あの一回目の緊急事態宣言のときが最も厳しく、国民はステイホームで、テレワーク、オンライン授業に切り替えられ、店舗などは軒並み閉店しました。

 

生活インフラを維持するためのスーパーやコンビニ、ガスや通信、銀行などは営業形態を縮小したうえで開いていましたが、街中が初めての状況に戸惑いましたよね。

 

銀行は各企業の資金繰りが止まらないように支援をしつつも、有人窓口などは最低限の対応しか行われていなかったと記憶しています。

 

犯人は窃盗した資産をほとんど投資で溶かしたようですが、もしかすると、2020年2月末から3月にかけてのコロナショックで大損失を出して、その穴埋めのために犯行を手掛けたのではないでしょうか。緊急事態宣言による混乱で監視が通常よりずっと甘くなっていた貸金庫を狙った可能性も考えられます。

 

一度成功してしまうとやめられないのは「トラサタ天体」の特徴です。土星は制限することで限界を作りますが、そこを超えた外惑星たちは「いいじゃん、あと1回」を何度も繰り返して、やめられなくなるのです。

 

2020年はご存知の通り「トリプル・グレート・コンジャンクション」の年であり、山羊座で木星・土星・冥王星が重なりました。これは「極限までの制限」を世界にもたらし、ステイホームや緊急時以外の渡航禁止が各国で実施されましたね。

 

 

冥王星は「絶対的な力」を象徴するため、そこに逆らうことはできないのです。唯一自由な裁量を持つのは、冥王自身ですね。

 

冥王星はその絶対的な力を、そう簡単に人に見せません。伝家の宝刀であり、抜かないけれど、持っていることで力を行使します。そして伝家の宝刀の隠し場所は、貸金庫ですね。

 

冥王星は表に出ると「圧倒的な暴力」として相手を支配しますが、通常はその力は隠されて行使されます。

 

その例のひとつが「自分の有利になるように、嘘をつく」です。

 

例えば「職場の近くに住んでいるにも関わらず、遠くの実家に住んでいることにして、交通費を多めにもらう」なんていう、せこい嘘も冥王星が絡んでいるといえます。

 

不倫は典型的な冥王星の特徴を持つ行為です。パートナーとの安定した生活を維持しつつ、別の関係で愛情や欲望を満たそうとするのは、双方の相手の力を自分に都合よく利用する行為といえます。

 

自分の立場を利用して、他者の力を巧妙に取り込んだり、コントロールしたりする行為が、冥王星的な領域なんですね。

 

今回の事件の全貌がなかなか明らかにならないのは、貸金庫を利用する人もまた、そこに秘密を抱えていて、被害届をおいそれと出せないような金融資産をそこに置いているケースがあり、その秘密がわかっているからこそ、そこを逆手に利用した犯罪ともいえます。どこまでも冥王星的です。

 

しかし冥王星が水瓶座に入ったいま、隠された力がどのように行使されるのか、どんどん明らかになってくるでしょう。その時期にちょうど犯行が知られるところとなったことも興味深いです。