逆行の水星と、大いなる勘違い | ***Walk on the light side

***Walk on the light side

銀河に煌く星たちのように

2025年度のアストロダイアリーは、あざやかなオレンジ色の表紙で、なかなか好評です。そのためか、例年以上に「なぜ今年はオレンジなんですか? 意味はあるのですか?」とよく尋ねられます。
 

「そこにあるものの意味を知りたい」というのは人間だけが持つ特別な欲求ですね。これは幼い頃から、芽生え始めます。物心がついて、いろいろなことが分かり始めると、親に質問攻めをする子もいますね。

 

「物事の意味を見出したい」という欲求は、水星と木星に属していると思います。このふたつの星の「意味を見出す」は、厳密に異なりますが、子どもは水星、大人になると木星も強く働くようになります。


神話では水星がヘルメス、木星がゼウスという二柱に相当して、このふたりは親子です。子どもは親や教師に導かれて、さまざまなことを学んでいきますね。

 

しかし、いつも問いに対して親や先生が的確に答えてくれるとは限りません。「なぜ、そうなのか」わからないとき、子どもは子どもなりに、その理由を見つけ出そうとします。
 

そしてそれが正しいか正しくないかわからずとも、正答が不明な限り、仮定として見つけたそれを信じてしまうことが多々あります。これは大人でもそうでしょう。

 

 

例えば多くの子どもは、父と母のケンカのきっかけが「自分の世話をどちらがするか」のような場合「自分のせいでケンカした」と思うことがあるでしょう。

 

これは大人も同じで、自分の言い出したことがきっかけで、誰かと誰かが揉めたとしたら「言わなければよかった。自分のせいだ」と感じるかもしれません。

 

でも、本当はそれは単なるきっかけに過ぎず、前からイライラしていた相手にぶつける理由が欲しかっただけかもしれませんし、以前から険悪なふたりだったのかもしれません。

 

つまり、自分の介入はたいして関係ないにも関わらず「私のせいで揉めちゃってどうしよう」みたいに、思い込んでしまうわけですね。

 

このように「きっと、こうにちがいない」と思い込んでいることは、本当に多々あります。

 

セッションをしていると「夫の不機嫌で長年のコミュニケーション不全」に陥っているケースなど、よくよくチャートをみると、不機嫌の理由が仕事だったり、親との関係だったり、黙っている奥さんにどうしていいのかわからなくて黙っているだけだったり、ということが多々あります。

 

「きっと、こうなんじゃないか」と、チャートから推測してみると「え、そうだったの!? てっきり私に対して怒っているのかと思っていた」と、誤解をして、その誤解を長いあいだ維持している人は本当に多いのです。

 

親やパートナー、兄弟に対して、上司や部下に対して、気の合わない同僚や友人に対して。

 

自分が感じているように相手も「感じているわけではない」し、怒っているポイントも大いにズレているのですが、それらの誤解は「相手から的確に説明されないこと」そして「自分からも尋ねていないこと」から起こっているのでしょう。
 

木星の「意味を見出す」は、そのような背景も含めて、全体を理解することです。大人になってから親の気難しい行動の動機が見えてくることもありますよね。

 

水星が逆行している現在「大いなる勘違い」を改めて見直すには良い時期ではないかと感じます。