占星術のサビアンシンボルは、ひとつずつ読んでいくと、とても興味深いものがあります。
試しにひとつの星座の最初から最後までを通して読んでみると、その星座が30度かけて成熟させようとしているテーマと、その過程が書かれていることがわかるでしょう。
私たちがパッと思いつく星座のイメージは、その星座の性質が十分に成熟した姿ともいえます。
例えば天秤座というと、社交的で友達がたくさんいて、パートナーシップが良い感じ…といったイメージがあるかもしれませんが、実際には人間関係が苦手な天秤座の方も少なくありません。
その星座に生まれついたからといって上手なわけではなく、そのテーマを成熟させることを通して自己を確立させていく人なのだといえるでしょう。
さて、木星は双子座に入りました。これは1年をかけて自身の内なる双子座の特性を育てていくのに最適な時期ともいえます。
木星は個人と社会をつなぐ架け橋ともなる惑星ですから、社会の中で通用するような双子座の能力を鍛えるのに最適ともいえますね。
今日の時点で木星は双子座の3度まで進行しました。3度ですから、ここから意識して双子座の資質を掘り下げ始めても、まだまだ間に合うでしょう。
双子座の最初の度数0~1度は「海の中の不思議を明らかにするガラス底ボート」これは知的好奇心の度数であり、いろんなものを見てみたい、知りたいという欲求が高まります。
あくまで「水に濡れないように客観的にガラス越しで」というのが、双子座らしいシンボルですね。
水星が活性化されて、頭をフル回転に、いろんなところへの興味が高まるでしょう。
双子座の1~2度は「ひそかに暖炉の前の靴下を満たしているサンタクロース」で、これは「知りたいことの答えを受け取ること」と関係します。
ただこれには少しコツがあります。気になることを「知りたい→調べる」ではなく、ざっと調べても、すぐに決めてしまわず、あえて置いておくんです。
「これについて、どうしようかなー」と迷ったとき、すぐに考えたり、調べたりするのではなく「どうしようかー」と問いかけたまま、オープンにひらいて待っておくのですね。
すると「パッとSNSを開いた瞬間にその答えのようなものが書いてあった」とか「ちょうどその話をする人がいた」といった感じで、外の世界から何か起きるのを待つというタイプの「受け取る」なんですね。
自分で考えて調べて計画するというアクティブな方法とは別の、受け身でオープンにひらいて、やってきた流れに乗ってみるという柔軟性のある双子座らしい受け取り方ともいえますね。
たぶん、これは大半の双子座の人には共感してもらえるかと思うのですが、帰りの電車を決めたり、予定をみっちりと埋めたりするのは、あまり好きではないでしょう。
隙間をあけておいて、そのときの気分や流れで決めたい、やってきた波に乗りたいという流儀なのです。世界と自身が共振するシンクロ体験の始まりですね。
双子座の2~3度は「パリのテュイルリー庭園」で、これは形式美の象徴です。
自然のままではなく、手入れをして整えていく……これを言葉を通してするのが双子座ですね。
アウトプットするときに、どのように表現をするのか……選ぶ単語やボキャブラリーや文体に表現者の心情が乗せられるでしょう。
双子座は言語を象徴する星座ですが、言葉はその人が内側で体験している本質的な概念を最もぴったりとくる単語で表されるもの。
詩人や俳人が心情を短文にたくすとき、その行間にどんな概念をのせていくのか……それを読み解くのにもまた、双子座の言語感覚を要します。歌人がたくした心をどれくらい読み解くことができるのかは、その人の能力によって変わるのです。
そして今日の双子座3~4度は「クリスマスの古い記憶を呼び起こすヒイラギと宿り木」で、古の叡智への回帰ですね。
温故知新といいましょうか、ここまで人間が研究してきた知恵の結晶の柱に触れることを通して、いま起きていることを理解するチャレンジです。
どうしてこのように進化してきたのか、なぜこのような構造ができたのか。それを知ることは、いま起きていることへの理解をずっと深くすることを助けてくれるでしょう。
サビアンシンボルの講座は大阪と横浜で開催しますので、よかったら遊びにきてくださいね~。