アストラル体が物質化する話 | ***Walk on the light side

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銀河に煌く星たちのように

若い頃に大好きだった忌野清志郎の曲を久しぶりにSpotifyで聴いて「ほんと、この人の歌声って、唯一無二だよな…」と感じておりました。

 

その後に入ったうどん屋さんでは、80年代リストセットか、懐かしい中島みゆきが流れていて、何年も聴いていなかったのに、すぐに思い出されました。

 

どんな分野の制作物でも、優れた功績を残す人の作品は見た瞬間・聴いた瞬間にに「あ、あの人のだ」とわかります。たとえそれが新作あるいは過去に見た経験のなかったとしても「あの人のだ」と、わかりますよね。

 

シュタイナー風にいうなら、それは「アストラル体が物質化したもの」であり、その人固有の意志が物質に宿った、ということになります。

 

 

人気の漫画家が他の漫画のキャラを描いたとしても「あ、××さんの描いたものだ」って、すぐにわかりますよね。

 

特徴が際立つとパロディ化もしやすくなります。Xで「#村上春樹で子育てを語る」など、大喜利化することもありますね。

 

この建築はあの人の……この食器はあの作家の……あの絵はあの人の……と特定されるものと、無個性であるものとの、違いはなんでしょうか? 個性が物質化するのに、必要なものはなんでしょう?

 

突き抜けた個性が表現されるには、まず基本がしっかりしていなくてはなりません。上手に模倣することです。

 

一般的に大量に出回って、日々消費されるのは、この「無個性なもの」です。主張が強くないので、汎用性が高く、どこのどんな暮らしにもマッチして、溶け込みます。

 

誰もが簡単に真似できて、使いこなせる……という意味において、これは月-土星の象徴といえるでしょう。

 

親のレシピを引き継いで、あるいは近所の友人から教わったものを模倣して、再現する。何度も繰り返しているうちに、だんだん馴染んで、いつでもどこでも再生できるようになる。

 

そして再現できるようになったもののうえに創作性が加わり、他にはない味、見た目、組み合わせ、ネーミングとなると、唯一無二感が高まります。

 

このアストラル体の結晶は、太陽-土星の象徴だといえるでしょう。

 

 

基礎のうえに、自分にしか表現できないものを重ねて、誰からも認知されるオリジナルの形にしていくこと……。そこには強烈な自意識と「絶対にこれなんだ」という確信が必要ですね。これはエレメントでいうと火の象徴です。

 

しかし基本がしっかりと成り立っているという意味においては地のエレメントが必要だし、それが洗練されているという意味においては風のエレメントも必要だし、みんなから愛されるためには水のエレメントも必要となります。

 

やっぱり、素晴らしいものを創り出していくためには、すべての質を磨いていくことが欠かせないですね。

 

自分だけのオリジナリティを創り出したい人は、自分の中の磨いていきたい部分を意識してみると良いかもしれません。

 

模倣するだけ、パッと表現するだけだったら、AIでもできる時代に「たましいを吹き込むこと」は、やっぱり人間だけが持っている力なんじゃないかと思います。