2022年8月12日10:37に水瓶座の満月です
天高く熱い太陽が輝く獅子座の季節の昼間の満月は、私たちの足元の大地を通り越した、はるか先に位置しています。
その月には土星が寄り添い、どことなくピリッと引き締まるような緊張感が漂う時期となるでしょう。
今年の夏はひさしぶりにイベントやお祭りが開催されているものの、感染症の拡大や集中豪雨、猛暑日などが続いて、派手に楽しく夏を満喫し尽くそう!!という雰囲気に振り切れないところがありますね。
もちろん要所では楽しいことがあり、輝く夏の季節を時期となりますが、ただそれだけではない重さも漂っています。
前回の新月に引き続いて、固定星座で作り出すTスクエアという星の配置があります。太陽---月・土星---火星・天王星という5つの惑星が参加して、三角を作るこの星の配置は「動きたくても、動きづらい」という状況をうながすので、予想外の変更やキャンセル、方向転換が余儀なくされることがあるでしょう。
そこには「得られるはずだったものが、得られない」というジレンマがありますが、その「得られるはずだったもの」は安全だったり、実りだったり、お楽しみだったり、愛だったりします。牡牛座という地のエレメントがもたらすはずの豊かさや生きる喜び、充実感に水が差される感じですね。
そのようなことに対して、フラストレーションが溜まったり、情緒が揺れたり、緊張が走ったりしやすいときでもあります。この内側で起きる感情を、どのように扱うのかということも、大事なポイントですね。
この閉塞感や思わぬ方向転換をもたらす三角に、水瓶座の土星が参加していることで「そうはいっても仕方ない」「こういう状況だから受け容れるしかない」といった『理解』をもって、受け入れようとするかもしれません。
それは確かにその通りなのですが、そうすることで内側で生じた「がっかり」や「苛立ち」や「かなしみ」を呑み込んでしまわないようにする必要があるでしょう。
そのように自分を納得させてしまうと、他の人にも「仕方ないよね、あきらめよう」と、それを呑み込ませようとするかもしれません。
そして、そのように呑み込んだところで、生じた感情は勝手になくならないでしょう。その思いは心や身体の重さとなり、ズーンと沈みこむような雰囲気を作り出したり、閉塞感を高めたりもします。
逆にいえば、だるかったり、やる気がしなかったり、重い雰囲気があるときは、何か心の中に溜まっているものがあるときともいえます。
そんなときにできることは「怒っているぞ」「不快を感じてる」「かなしい」と、心にあるものをしっかりと特定して、感じてあげること。
子どもは感情を表現することが上手で、仰向けにひっくり返ってバタバタしたり、大声で叫んだり、ぽろぽろと涙をこぼしたりします。すると感情があふれてくるけれど、それはいつまでも長く続きません。
感情をしっかりと感じると「もう充分だ」というときがやってきます。気が済むまで泣いたり、怒りを全身で表現したり、苦しさを呻いてみたり、怖さを奮えて表現してみたりですね。
身体の全部を使って感情を味わってみると、その瞬間は全身を貫くような痛みがやってきますが、それは嵐のように、やがてどこかへ立ち去ります。
しかしそれを感じなければ、いつまでも心の周辺に感情の断片が雲のように漂い続けることになるでしょう。
感情の断片が細々と漂っていると、私たちはつい自分や相手を責めたりしてしまいます。そういう形で不快な感情を表現するわけですね。ただでさえ暑くてしんどい時期ですから、人や自分を責めると余計に疲れてしまいます。
4ハウスという私たちの足元……心の深いところで起こる満月ですから、心の中で感じるいろいろなものを自覚していくのがベターです。
自分をしっかりと見て、そこにあるものを感じていくとき……たとえ強い感情があったとしても、それがあってもいいのだと自分にゆるして、迎え入れたときに「自分の心に留まっているときが最も安全で安心できる」と感じることができるでしょう。それが4ハウスという、心を表す部屋の機能です。
心を観て、そこにあるものをしっかりと感じてあげること。その果てにある平和と安らぎ。今回の満月で生じるジレンマは、葛藤を受け入れることで、自分にやさしさと安心を与えることができるような配置です。
自分のために足場をかためて、安心の居場所を与えてあげること……心とつながることで、愛と希望を見出していきたい、水瓶座の満月です。